サロン経営で必要な方法と成功するサロンの共通点を紹介
エステサロンを開業しようと考えている、もしくはすでに経営しているオーナー様でサロン経営に不安を抱えている方も多いと思います。
サロン経営は決して簡単ではありませんが、成功しているサロンには必ず共通点があります。
この記事では、サロン経営に必要な方法や成功するサロンの共通点をご紹介します。
サロン経営の実態
エステサロンは開業のハードルが低いため、毎年多くの人がサロンを開業しています。
自宅やマンションの一室で開業できるので、開店資金もそれほどかかりません。
ですが、1年後には3割のサロンしか残っていないのが現実です。
例えば、2022年に100店舗のエステサロンが開業したとしても、3年後に残っているのは30店舗しかありません。
さらに3年後には、当初の1割の10店舗にまで減少します。
これがサロン経営の厳しい実態です。
エステサロンは開業のハードルが低い分、サロンを継続して運営することが難しくなっています。
長く愛されるサロンにするためには、他のサロンとは違う、あなたのサロン独自の強みを持っていなければなりません。
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サロン経営に必要な方法
サロンを営業していくためには、経営者として経営について勉強する必要があります。サロンを開業してからではなく、開業前に勉強し、準備をしておく必要があります。
開業前にどれだけ準備をするかで、その後の結果が大きく変わります。
サロン経営をしたことがない人がいきなり経営学を学ぶのは大変ですし、何から手をつけていけばいいかわかりません。そこで、サロン開業前には以下の3つに絞って準備をすることをオススメします。
その3つの項目というのが、
- マーケティング
- 計数管理
- 技術や接客
1つずつ解説していきます。
マーケティング
どんなに素晴らしいエステサロンを開業しても、その存在が知られていなければ意味がありません。
まず、サロンを知ってもらい実際に施術やサービスを受けてもらうことで継続的な来店に繋がります。
そのため、開業前に店舗のマーケティングが必要です。
マーケティング方法は非常に多岐にわたります。
まずは「来て欲しい客層」(ペルソナ)を明確に設定し、そのペルソナを獲得するために具体的な案を考えます。
例えば、
- サロンのコンセプト
- メニュー内容
- 価格帯
- ターゲットに合う内装
- 店内の雰囲気作り
などです。
さらに、必要に応じて広告を打ったり、オンライン予約サイトなどの媒体に掲載することで、来店頂いたお客様の満足度を向上させることができます。
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計数管理
計数管理とは、売上高や経費など、お店にかかわる事柄を数値化して管理を行うことです。
開業前には、「1日に何人のお客さんが来店し、一人当たりいくら使ってくれれば、いくらの利益が出る」というふうに、客単価や売上について綿密にシミュレーションをします。
最初に設定した数字を、状況に応じて適宜変更していくことも重要です。
サロンにたくさんお客さんが集まって多額の売り上げを上げても、それを上回る経費がかかっていたら収支はマイナスになってしまいます。
例えば、広告を打って5人のお客さんを集客し、3万円を売り上げても、広告費に5万円かかってしまっていたら、結果としては赤字になってしまいます。
その場合は、掲載をやめたり、掲載内容を見直す必要があります。このように、状況に応じて改善を繰り返していくことが非常に重要です。
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技術や接客
全国に20,000店舗ものサロンが存在する中で、最後に決め手となるのは接客や技術です。
ですが、エステサロンの開業・経営には国家資格は要らないため、サービスの質はお店によってピンからキリまで大きな差があります。
そのため、エステサロンの評価は、独自の技術や接客で付加価値を付けることが必要です。
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最近ではSNSやネットで簡単にクチコミを投稿や検索できる時代になり、広告費をかけずに集客することもできます。
「技術や接客ではどこにも負けない」と思えるくらい、技術や接客・サービス全体を磨けば、自然とお客様が集まるサロン運営につながります。
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サロン経営に必要な資格
エステサロンを開業する場合、基本的には管轄の税務署に「個人事業の開業届出」を提出するだけで開業が可能です。
一般的なエステメニューの他に、「まつげエクステ」「眉毛カット」などを取り扱う場合「美容師免許」の取得と保健所への届出が必要になります。
シェービングを行うサロンなら、「理容師免許」の取得と保健所への届出が必要なので注意が必要です。
「エステサロンなのにエステティシャンの資格は必要ないの?」と疑問に思う方に向けてエステティシャンの資格について説明していきます。
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エステを開業するには資格はいらない
結論からいうと、エステティシャンになるために特別な資格は必要ありません。
美容師や理容師と違いエステに関する国家資格は存在しないため、エステサロンの開業にも特別な資格は必要ありません。
民間団体が認定している資格は存在するので、エステティシャンとして勤務を始めてから資格を取得する人や開業前に資格を取得する人もいます。
人気サロンを経営するエステティシャンでも「専門学校に通わずに技術を身につけた人」や「資格を持たずに成功した人」もいます。
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日本エステティック協会の資格制度の取得
エステサロンの開業に資格が不要とはいえ、一定の技能があることをお客様にアピールするには、民間団体が認定している資格の取得をオススメします。
特に「日本エステティック協会」の認定資格は、認知度/人気ともにトップクラスです。
日本エステティック協会は、日本のエステ業界において最大のエステティシャンの職能団体になり会員数は10万人を超える大規模な団体になります。
協会には4つの資格が存在し、基本となる「認定エステティシャン」は、エステの基本的な知識/技術を持つエステティシャンに与えられる資格です。
受験資格を得るには実務経験1年以上、または協会認定校で300時間過程の修了という条件があります。その上で筆記/実技試験に合格することで資格を取得できます。
その他の資格には、
- 認定上級エステティシャン
- 認定トータルエステティックアドバイザー
- 認定フェイシャルエステティシャン
- AJESTHE認定ボディエステティシャン
という資格もあります。
まずは「認定エステティシャン」を取得し、技能レベルや必要性に応じて上級の資格取得を進めるのがいいでしょう。
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サロン経営に重要なコンセプト作り
ステサロンを開業する際、必ず行ってほしいのが「コンセプト作り」です。
コンセプトは、あなたのサロンの軸になる大事な指標です。
まずはコンセプト作りを最優先で取り組みましょう。
コンセプトを決める際、まず明確にしておくべきは次の4つです。
- サロン独自の価値
- サロン目標
- ターゲット
- 近隣店舗の状況
最初の段階でこれらを明確にしておくと、インテリアやメニュー決めなどその後の細かいポイントに一貫性が出て、サロン経営がしやすくなります。
サロン独自の価値を生み出す
まずはあなたのサロンにしかない独自価値を生み出す必要があります。
近隣のサロンでは提供していない「お店の独自価値」をお客様に伝えることでサロン選びの決め手になるはずです。
例えば、
- 価格の安さ
- メニューの豊富さ
- 内装や雰囲気
- ドリンクサービス
などが独自価値になります。
他店とは違う、あなたのサロンならではの価値を持つことで、集客がしやすくなり、人気サロンへの道が開けるはずです。
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サロン目標を明確にする
コンセプト作りの一環として、サロンの目標を明確にしましょう。
ここで重要なキーワードは「企業理念」と「企業目標」の2つです。
「企業理念」は、あなたのエステサロンの存在意義/価値/なにを大切にしているかなどを明確に言語化したものです。
例えば、「体型のことで悩むお客様を1人でも減らしたい」や「脱毛で誰もがうるツヤ肌に」などです。
一方で「企業目標」は、経営者が持つ将来的な構想のことをいいます。
例えば、「従業員が働きやすい環境を作る」「1年後に新店舗オープン」などです。
スタッフ全員が同じ目標を共有することで、モチベーションの維持、ひいてはお店の質の向上に繋がります。
ターゲットを明確にする
コンセプト作りには、ターゲットの設定も必要不可欠になります。
富裕層向けの高級サロンにするか、庶民的で誰でも入れるサロンを目指すかでサロンに来て欲しい客層(ペルソナ)
は異なります。
ペルソナの設定は、できるだけ明確にするのがオススメです。
例えば、「20〜30代女性/一人暮らし/年収300〜400万円/美容が好き/仕事とプライベートを両立させたいと思っている」というふうに、できるだけ具体的に決定しましょう。
まずターゲットを明確にしてから、サロンの物件や内装/メニュー/価格を決めるプロセスに移ることで、ペルソナに合わせたアプローチが可能になり、その後のマーケティングもしやすくなります。
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近隣店舗をリサーチする
コンセプトを決定する際は、近隣店舗のリサーチも必ず行いましょう。
近隣にコンセプトや客層が似ているお店があると、お客さんの奪い合いになってしまい、価格競争が激しくなってしまいます。より差別化ができていないと来店につなげることができません。
事前に競合店舗をリサーチし客層やコンセプトだけでなく、メニュー内容/価格/施術方法などを確認し、差別化を図るための足掛かりにしましょう。
他店をリサーチすることで、あなたのサロンの強みを作り上げることができ、結果的に自店を選んでもらうことに繋がります。
成功するサロン経営の共通点
経営で成功するエステサロンには共通点があります。
サロン経営で成功するには、エステの知識や技術だけでなく、経営の知識や冷静な判断力が必要不可欠です。
成功しているサロンには共通点があります。
- 最新の技術や知識が高い
- 目標設定が具体的である
- 向上心が強く夢を持っている
- 従業員を教育し、大事にしている
それぞれ解説していきますので、共通点を理解し、サロン経営に活かすようにしましょう。
最新の技術や知識が高い
エステの機械や美容のトレンドは常に変化しています。
昨日まで常識だったことが、次の日には古くなってしまう世界です。
エステサロンに通うお客様の多くは美容への関心が高く、最新の技術やトレンドに対して敏感です。
美容感度の高いお客様を相手にするエステサロンは、お客様以上に知識が必要とされます。
常に最新の美容トレンドを把握し、最新機器や流行の施術についての情報を得るような環境作りを心がけましょう。
いち早く流行を取り入れることで、メニュー設定や集客もしやすくなります。
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目標設定が具体的
サロン経営者にはそれぞれ、叶えたい夢や目標があると思います。
「お金持ちになりたい!」「日本一のエステチェーンの社長になる!」などといきなり大きな目標を掲げるのは、あまりにも漠然としすぎています。
まずは、できるだけ具体的で達成可能な目標設定を行いましょう。
例えば、「1ヶ月の売上100万円達成」という目標を定めたら、日割りの売上/週割りの売上をそれぞれ割り出し、毎日数値を確認しながら営業を行います。
そうすることで、「昨日は目標を達成できなかったから、今日はオプションや物販のオススメを頑張ろう」など、具体的な施策を考えることに繋がります。
向上心が強く夢を持っている
サロン経営に限らず、経営者には向上心が大切です。
サロンを開業する時の夢や目標を忘れず、日々向上心を持って努力を続けている経営者だけが成功を手にします。
『1.01の法則』と『0.99の法則』をご存知な方もいると思います。
『1.01の法則』は「小さな努力でも、コツコツ続ければやがて大きな力になる」法則です。
一方で『0.99の法則』は、たった少しのサボりが、やがて衰退につながる法則になります。
現状に満足してしまったら、そこから前進することはありません。
向上心を持って、夢に向かって少しづつ前進し続けることが、サロンの発展、ひいては夢や目標の達成につながります。
従業員を教育し、大事にしている
従業員を雇っている場合、経営者だけではなく従業員もサロン経営に関係します。
サロンの成功は従業員の頑張りと密接に関係しているので、従業員にはしっかり教育を行いましょう。
サロンの目標やコンセプトを共有し、誰が施術を行ってもサロンの質を担保できるレベルまで従業員を育てることが大切です。
また、経営者は「この人についていきたい」「この人のために頑張りたい」と思えるような人物でなければなりません。
従業員を大切にすることで、従業員のモチベーションが上がり、最終的にはサロンの成功に繋がっていきます。
差が出るサロン経営の重要ポイント
成功するサロン経営の共通点の他に、他店と差がつく重要ポイントをご紹介します。
サロンの経営の基本は『顧客を呼び込み』『売上をあげる』ことです。
ですが、多くのサロンが課題としている点でもあります。
そこで行うべき重要なポイントは以下の3つ紹介します。
- 人脈を広げる努力をしている
- 再来店のきっかけ作りをしている
- 予約システムを使っている
これらは、エステサロン業界という厳しい競争社会を勝ち抜き、他店と差別化を図るためには欠かせないポイントです。
人脈を広げる努力をしている
経営者にとって、人脈は宝といっても過言ではありません。
同業者であるエステサロンの経営者に限らず、美容室やネイルサロンといった美容業界の経営者、小売業や医療系など別の業種の経営者と人脈を広げる努力が必要です。
世間話や何気ない会話からサロン経営に関するヒントが聞けたり、業界内外の最新情報を集めることもできます。
最近ではSNSで情報を発信している経営者や、オンラインサロンを開催している人も増えています。
多方面からの情報を収集することで、セミナー参加者同士で人脈が広がったり、成功者や目標とすべき人を見つけることにつながります。
再来店のきっかけ作りをしている
サロン経営では、新規のお客様の獲得のほか2回目以降来店されるお客様のリピート率を上げる必要があります。
新規顧客の集客に広告費や新規限定クーポンを発行するサロンがほとんどです。ですが『クーポン目当ての来店』や『格安』などのクーポン目当てで再度来店を頂く方のリピート率が低いサロンもあります。
リピーターを増やすことに注力すれば、広告費をできるだけかけずに毎月安定した売上をあげることができます。
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サロンの成功はリピーターの多さにかかっているといっても過言ではなく、人気サロンではリピート率が8割を超えることも少なくありません。
再来店のきっかけ作りとしては、ポイントカードや再来店クーポンの配布などを行っているお店が多いです。
また、スキンケアやボディケア商品など、毎日使う製品の物販強化を行うことで、定期的に購入してくれるリピーターが見込め、安定した売上につなげられます。
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予約システムを使っている
サロンの成功には、予約システムも欠かせません。
予約受付は電話またはメールのみ/情報は手書きのメモやスケジュール帳に記載というアナログな手法で管理するお店もありますが、今はデジタルの時代、お客様の予約手段にも変化が出てきています。
オンラインの予約システムを利用することで、24時間365日お客様が「サロンに行きたい!」と思ったタイミングで予約を受け付けることができます。
お客様のタイミングで予約が取れるため来店のハードルが下がります。
特に、30代以下の若い世代をターゲットとする場合は、予約システムの採用は必要不可欠です。
予約システムを使うことで、顧客情報の一元化/予約データの集計/クーポン出数の管理/リピート率のチェックなど、便利な機能を使うこともできます。
機能によっては、施術後にはお礼のメッセージや再来してもらうためのクーポンを配布することもできるので、リピーター率アップに有効です。
予約システムはさまざまな種類があり、それぞれ機能や料金が異なるので、サロンに合ったシステムを導入するようにしましょう。
まとめ
この記事では、サロン経営で必要な方法や、成功するサロンの共通点について紹介しました。
サロン経営は簡単ではありませんが、事業で成功するにはすでに成功している人のマネをするのが一番の近道です。
サロンの開業を考えている方、サロンの業績が伸び悩んでいる方は記事を参考にしてもらえたらと思います。