医療レーザー脱毛が痛い原因は?痛みの理由と対策方法を解説
医療脱毛を考えている人の中には、「医療脱毛はエステの光脱毛よりも痛いイメージがある」「痛みに耐えられるか心配」と不安に思っている方もいらっしゃると思います。
しかし医療脱毛で痛みが出やすい場合でも、事例に合った対策を講じることで、痛みを軽減することは可能です。
本記事では、医療脱毛の痛みの原因と対策方法および脱毛方法の種類による痛みの違いを解説します。
医療脱毛を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
医療レーザー脱毛は痛い?
医療脱毛に携わる医療従事者は「医療脱毛はレーザー照射のエネルギーが強く、エステの光脱毛よりも痛いのですか?」とよく問われます。
たしかに照射エネルギーが強い場合、どのような波長の光源を使うにしても「痛みが強いのでは?」と考えてしまうかもしれません。
しかし、レーザー照射エネルギーの強弱だけが痛みの強弱と相関するとは限らず、施術方法や施術部位の違いなどによっても痛みの強弱は変わります。
また、医療レーザー脱毛ではメラニン色素に反応する狭い波長のレーザー光を使うのに対して、エステの光脱毛では広い波長のレーザー光を使うことが大きな違いです。
また、レーザーの当て方も異なります。
医療脱毛もエステの光脱毛もレーザー光を照射することには変わりがなく、どの脱毛方法でも痛みは発生するため、いかにして痛みを軽減させるかが重要です。
医療脱毛の痛みの原因
医療脱毛には主に「レーザー脱毛」「IPL脱毛(医療用光脱毛)」「ニードル脱毛」の3種類があります。
このうち、痛みが出やすいのは「レーザー脱毛」「ニードル脱毛」の2つです。この2つの脱毛方法では、毛をなくす仕組み上どうしても痛みが発生してしまいます。
レーザー脱毛の場合は、照射時に発生する「熱」によって痛みを感じます。
ニードル脱毛は毛穴に針を刺して脱毛するためレーザー脱毛よりもさらに痛みが強く、今では限定的にしか使われていません。
医療脱毛の痛みの原因を詳しく解説していきます。
レーザー照射による熱が原因
レーザー脱毛で痛みが出る原因には「熱」が関わっています。脱毛レーザーは「メラニン」という黒い色素に反応する仕組みを持っています。
メラニンに反応したレーザーの熱エネルギーが毛に届き、その熱が毛を生えさせる元である毛乳頭を破壊することによって脱毛効果が出るという仕組みです。
この時、毛乳頭に伝わる熱エネルギーはなんと250℃以上にもなります。
この熱エネルギーは直接肌に伝わるわけではないものの、毛を介して周辺の皮膚に熱が伝わり肌に痛みをもたらしています。
エステ脱毛で発生する熱は70℃程度なので、3〜4倍もの熱量が加わっていることになります。
こうして比べてみると、いかに医療脱毛の痛みが強いかがわかります。
レーザー脱毛とニードル脱毛で痛みは変わる?
医療脱毛では、レーザー脱毛の他に「ニードル脱毛」という方法があります。ニードル脱毛ではニードルと呼ばれる針を毛穴に挿入し、そこに電流を流して脱毛を行います。
レーザー脱毛や光脱毛が主流になる前に主に使われていた方法で、確実に脱毛ができることで人気を集めていました。
しかし、ニードル脱毛では毛を1本ずつ処理する必要があり非常に手間と時間がかかる上、非常に強い痛みが伴うことから、現在はレーザー脱毛が主流になっています。
ニードル脱毛は現在、乳輪周りや眉毛・白髪などのレーザーが使用できない部位に限定的に使用されています。
ニードル脱毛と比較すると、レーザー脱毛は比較的痛みが少なく手間や時間がかからない効率的な方法であることがわかります。
レーザー脱毛よりも痛みが強いのはニードル脱毛
なぜ、レーザー脱毛にくらべてニードル脱毛が痛いのかについて解説します。
ニードル脱毛はその名の通り、ニードル=針(プローブ)を使って脱毛する方法です。毛穴に専用の細い針を挿入し電流や高周波を流すことで、毛根や毛乳頭を熱で直接、変性・破壊するため、強い痛みが伴います。
また、ニードル脱毛の中でも特に脱毛効果が高い電気分解法では、電気を通すことで体液を電気分解し、生じたアルカリで毛根を溶かして破壊するため、非常に強い痛みが発生します。
つまり電気を流すことで強い熱を与え、発毛組織を焼くもしくは溶かすイメージです。
ただし、このような強いダメージを受けた毛根や毛乳頭などの発毛組織はほぼ回復しません。そのため、永久脱毛効果が得られやすいというメリットがあり、強い痛みを伴うにもかかわらず140年前から長年にわたって利用されています。
部位や人によって痛みは異なる
医療脱毛の痛みの感じ方には個人差があり、部位によっても痛みが異なります。「毛が濃い部分」「皮膚が薄い部分」で痛みが出やすいといわれています。
特に注意したいのは「VIO」「ワキ」「顔」などです。
医療脱毛で痛みが出やすい具体的な部位について解説します。
最も感じやすいVIOには注意
医療脱毛で特に痛みが強いと言われているのが「VIO」です。VIOというのはデリケートゾーンのことで、「Vライン」「Iライン」「Oライン」をまとめて「VIO」と呼びます。
アンダーヘアは毛が濃くデリケートゾーンは皮膚が薄いため、VIOは痛みが出やすい要素である「毛が濃い」「皮膚が薄い」に当てはまる部位になります。
さらにVIOは、下着との摩擦によって「黒ずみ」が起こりやすく、レーザーが肌に反応してしまうことで痛みが増幅することもあります。
VIOは特に痛みが強く、中には途中で施術を諦めてしまう方も存在します。
そのため、痛みに弱い方がVIO脱毛を受ける場合は、痛みを軽減する対策をしっかり行わなければなりません。
痛みが気になる方は、施術を諦める前に対策を考えてみましょう。施術前にクリニックと相談しておくのがオススメです。
顔・ワキも注意
皮膚が薄い「顔」「ワキ」も、医療脱毛で痛みを感じやすい部分です。
顔は毛が薄く痛みが少ないと思いがちですが皮膚が薄く肌がデリケートなので、施術時の痛みが強く出ます。
皮膚の下にすぐ骨があるため、さらに痛みを感じやすくなっています。ワキは皮膚が薄いことに加え、黒く濃い毛が生えている部分です。
多くの人が脱毛を受けている人気部位ですが、痛みを感じやすい部位の一つです。
VIOと同様にワキも衣服との擦れで黒ずみが起きやすく、黒ずみによっても痛みが出やすくなってしまいます。両部位とも施術を受けている人が多く、特にワキはほとんどの女性が脱毛済みです。
このことから耐えられないほどの痛みではなく、施術を受けるメリットの方が大きいことが分かります。
顔もワキも、痛みを軽減する方法があるので安心してください。
ヒゲなどの濃い毛も注意
ヒゲは皮膚の薄い顔に生えるため、医療脱毛で痛みを感じやすい部分です。またヒゲは非常に太く濃い毛であるため、脱毛時に発生する熱エネルギーが大きくなり、痛みが強くなる傾向があります。
特に鼻下は、皮膚が薄く敏感であることに加え、毛が密集しているため、我慢できないほどの痛みを感じることもあるようです。範囲が狭いため、少ない施術時間で処理が可能です。
また口周りも敏感な部位のため、強い痛みを感じることが多くなります。
あごやあご下、頬などの部位も太く濃い毛の特徴のため、強い痛みを感じやすいです。鼻下よりは痛みが少ない方もいます。
医療脱毛の痛みを強く感じやすい特徴
本来の医療脱毛の痛みは「輪ゴムで弾かれる程度の痛み」と表現されることが多いです。肌の状態によっては施術が続行できないほど強い痛みを感じる場合もあります。
医療脱毛で強く痛みを感じやすい理由には以下のようなものがあります。それぞれについて詳しく解説していきます。
・肌が乾燥している
・肌が日焼けしている
・生理でホルモンバランスが乱れている
肌が乾燥している
肌が乾燥していると、脱毛時に痛みを強く感じやすくなります。
肌には「バリア機能」という外的刺激から身を守る仕組みが備わっており、肌内部の油分と水分の絶妙なバランスがこのバリア機能を維持しています。
肌が乾燥しているとバリア機能が低下し、痛みや刺激に敏感な状態になってしまいます。
この状態で脱毛を受けると痛みを強く感じ、時には施術が不可能と判断されることもあります。バリア機能が低下した肌は、赤みや炎症といった肌トラブルも起こりやすくなってしまいます。
脱毛期間中は「ボディクリーム」「化粧水」「保湿剤」などを使用し、普段よりも丁寧な保湿が必要です。
肌が乾燥している場合は脱毛の施術をお休みし、乾燥している状態での照射はできるだけ避けることが大切です。
肌が日焼けしている
脱毛の機械は、肌にある「メラニン」という黒い色素に反応する性質を持っています。本来、日焼けしていない肌色であれば肌に作用することはありません。
日焼けによって肌にメラニンが増え肌の色が黒くなっている場合は、レーザーは毛だけでなく肌にも反応してしまいます。また、日焼けをしている肌は乾燥や炎症が起こりやすく肌トラブルが起きやすくなります。やけどの原因にもなるので、脱毛期間中の日焼けは絶対に避けましょう。
脱毛期間中は日常的に「日焼け止め」「日傘」「帽子」などを使用し、できるだけレジャーや屋外での運動などは控えるのがオススメです。
「うなじ」「手の甲」「足の甲」などは日焼け止めを塗り忘れることが多く、「うっかり日焼け」につながりやすいので注意が必要です。
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生理でホルモンバランスが乱れている
女性の場合、生理でホルモンバランスが乱れている時に脱毛施術を受けると肌の痛みが増すことがあります。
「ストレス」「生活習慣の乱れ」「睡眠不足」など、ホルモンバランスが乱れる理由はさまざまですが、 特に生理前後や生理中に肌が敏感になる方が多いようです。
人によっては、レーザーの刺激で「かぶれ」「炎症」「赤み」といった肌トラブルが起きやすくなることもあります。
なお、クリニックによっては、生理中は照射自体を受けられない、VIOや臀部の照射を禁止している場合もあるため確認が必要です。
生理中の照射可否については、クリニックの医師に相談することをおすすめします。
医療脱毛の痛みを軽減する方法
「医療脱毛の痛みが不安」と思っている方は安心してください。医療脱毛の痛みを軽減するための対策方法がきちんと存在します。
医療脱毛の痛みを軽減する方法は、主に以下の4つです。それぞれ解説していきます。
・笑気麻酔や麻酔クリームを使う
・施術部位の肌を冷やす
・脱毛部位に合わせてレーザーの種類を使い分ける
・スキンケアをしっかり行う
笑気麻酔や麻酔クリームを使う
サロン脱毛と違って、医療脱毛では麻酔を使用することができます。
麻酔といっても手術の際に使用するような注射や点滴などの麻酔ではなく、鼻から吸引するタイプやクリームを塗るタイプの手軽なものなので安心してください。
鼻から吸引するタイプの麻酔は「笑気麻酔」といい、酸素と低濃度笑気ガスを混ぜた医療用ガス麻酔です。
吸引中はお酒に酔ったような 心地よさが特徴で、吸引をやめればすぐに麻酔が切れるので安心です。
クリームタイプの麻酔は「麻酔クリーム」と呼ばれ、クリームを塗った部分のみ皮膚の感覚が軽く麻痺します。
VIOや顔など、痛みが強く出やすい部分に使われます。
麻酔を使用することで痛みが解消され、リラックスして施術を受けられます。麻酔の使用を希望する場合は、クリニックの医師に相談してみてください。
施術部位の肌を冷やす
施術部位を冷やすと、レーザーの熱による痛みが和らぎます。同時に、肌へのダメージを抑えられるというメリットがあります。
マシンそのものに冷却装置がついている場合もあれば、冷却ジェルを肌に塗ったり保冷剤や氷のうで肌を直接冷やすケースもあります。
クリニックによって冷やす方法が異なるので、気になる方は事前に聞いて把握が必要です。
麻酔を使用したくない方でも安心して施術を受けられます。
帰宅後も火照りや熱感が残っている場合は、自宅にある保冷剤をタオルで包み施術部位にそっと当てて10分ほど冷やしましょう。
痛みが和らぎ、熱感が解消につながります。
脱毛部位に合わせてレーザーの種類を使い分ける
脱毛部位に合わせて使用するレーザーを使い分けることで、痛みを軽減できます。
医療脱毛で使われるレーザーには、主に「アレキサンドライトレーザー」「ダイオードレーザー」「ヤグレーザー」の3種類があります。
これらのレーザーはそれぞれ「特性」「得意な毛質」「刺激の強さ」などが違うため、脱毛部位によって使い分けるのがオススメです。
たとえば「VIO」「ワキ」など、毛が硬くしっかりしている部位の場合はアレキサンドライトレーザーやヤグレーザーが、「顔の毛」「産毛」にはダイオードレーザーが適しているとされています。
使用機械を部位によって変更しているクリニックもあれば、1つの機械で全身の照射を行うところもあり、クリニックによって照射方法はそれぞれ異なります。
できるだけ効果的に脱毛効果を発揮しながらも痛みを軽減できるよう、まずは医師に相談してみるのがオススメです。
スキンケアをしっかり行う
脱毛の痛みを軽減するには、スキンケアは欠かせません。脱毛の痛みの原因は「乾燥」「ホルモンバランスの乱れ」「日焼け」などです。
つまり、この原因にアプローチして肌のコンディションを整えておけば、脱毛時の痛みは軽減できるということです。
まず欠かせないのは日焼けケアです。日焼け止めや帽子、日傘などでできる限り日焼け対策をしましょう。
そして、保湿ケアも欠かせません。
保湿に最も効果的なタイミングはお風呂上がりです。化粧水で肌にうるおいを足したあと、保湿クリームや乳液などで水分が逃げないように閉じ込めてあげましょう。
肌のコンディションが良いと痛みを軽減できるだけでなく、毛が抜けやすくなり効果的に脱毛を行えます。
脱毛期間中は、普段よりも丁寧なスキンケアを心掛けることが大切です。
痛みを感じにくい業務用脱毛機を選ぶ
レーザー脱毛を受ける際には、なるべく痛みを感じにくい脱毛機を選ぶという方法もあります。レーザー脱毛機にはいくつかの種類があり、脱毛方式が異なれば痛みも効果も変わるのです。痛みを軽減するための方法の1つとして紹介します。
レーザー脱毛機には、大きく分けて2種類の脱毛方式があり、1つは「蓄熱式」、もう1つは「熱破壊式」と呼ばれる脱毛方式です。
蓄熱式の脱毛機では、熱破壊式の脱毛機に比べると脱毛効果は弱まりますが、痛みを感じにくくなります。一方、熱破壊式の脱毛機は蓄熱式の脱毛機に比べて、痛みが強くなります。
蓄熱式と熱破壊式の脱毛機の詳細については、このあとに説明するので参考にしてください。
医療脱毛のレーザー脱毛機は2種類に分かれる
先ほどお伝えした通り、医療脱毛で使われているレーザー脱毛機には、大きく分けて「蓄熱式」と「熱破壊式」の2種類の方式があります。
またレーザー脱毛機に使用されるレーザーには3種類あり、「アレキサンドライトレーザー」「ダイオードレーザー」「ヤグレーザー」です。
蓄熱式は、弱い出力のレーザーを使い、発毛指令を出す「バルジ領域」にダメージを与える方式となります。一方、熱破壊式は、高出力のレーザーで毛根を熱で破壊する方式です。
ヤグレーザーは波長1064nmのレーザーで、強い出力を出せるため熱破壊式の機械に使用され、毛根が深い毛を対象とします。
アレキサンドライトレーザーは波長755nm(ナノメートル、波長の単位)のレーザーで、中程度の強さの出力を出せるため、熱破壊式の機械に使用されます。対象は濃く太い毛です。
ダイオードレーザーは波長800〜940nmのレーザーで出力が弱く、蓄熱式の機械に使用されます。対象は産毛や細い毛です。
蓄熱式は痛みを感じにくい
実は、医療脱毛の方式のうち、蓄熱式では熱破壊式と比べ、痛みが小さくなります。
その理由は、蓄熱式では弱い出力でレーザーを複数回照射することで、一気に加熱せずじんわりと熱を加えて脱毛を行うからです。
熱破壊式では、一気にレーザーを当てることで毛根を熱破壊して脱毛する方法であるため、ゴムでバチンと弾かれたような強い痛みを生じます。
高い温度をかけ熱で組織を破壊するため、太く濃い毛に対しても即効性の脱毛効果がありますが、痛みによる皮膚や本人への負担は大きいのです。
一方、蓄熱式では、毛根までは破壊せず、毛根よりも皮膚の浅い位置にある「バルジ領域」にダメージを与えることができるため、弱いレーザーでも脱毛効果を得られやすくなります。
まとめ
本記事では、医療脱毛の痛みの原因や対策方法、脱毛方法の種類による痛みの違いを紹介しました。
医療脱毛で使用するレーザー脱毛には2つの方式があり、レーザー自体も3種類あるため、使う機械によって痛みの強さが異なります。
日頃のスキンケアを欠かさないこと、部位や肌質・毛質によって機械を使い分けることなどが痛みを軽減するポイントです。
なお、医療脱毛では麻酔による対策も可能ですが、皮膚トラブルを避けるためにも無理はせず、脱毛方法を相談しましょう。
医療脱毛の痛みが心配な方や医療脱毛の痛みを軽減したい方は、ぜひ記事を参考にしてください。