脱毛サロンで顧客単価を上げる方法と対策・注意点を解説
エステサロンを経営している方や店舗責任者にとって「顧客単価を上げる方法」は、店舗の売上を上げるために重要な施策です。
本記事では、今すぐにできる客単価を上げるための対策や6つの方法・客単価を上げる際の注意点について紹介しています。最後まで読んで、自社の経営に活かしてみてください。
サロンの売上をあげるための要素
サロンに来店するお客様の単価をあげるためには次の3つの要素がカギとなります。
1.集客数
2.成約率
3.客単価
まずは顧客数を集めることや、お客様に複数のメニューを利用頂くことです。最後に1人当たりの単価が十分であることが必要です。どれかが欠けてしまうと売上が作れなくなるため、バランスよく伸ばしていくことが重要になります。
LTV(ライフタイムバリュー)
売上を伸ばすためには「Life Time Value(ライフタイムバリュー/以下、LTV)」という指標を管理することも大切です。LTVとは、1人の顧客がお店にもたらす生涯利益のことを指します。
計算式は「LTV= 顧客単価 × 収益率 × 来店頻度 × 継続期間」になります。
顧客の満足度を上げ、高い頻度で長い期間来店してもらうことがもっとも重要です。また、自店の顧客のLTVを管理することで課題も見えてきます。
たとえば顧客単価が低く、1回きりの来店で終わる顧客が多いということが分かれば、オプションの提案などで顧客単価を上げたり、リピート率を上げる施策を打ったりすることが効果的です。
多くのリピーターを獲得することで、既存顧客から得られる売上と必要な新規顧客数を割り出しやすくなるため、売上をスムーズに作りやすくなります。
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エステサロンの客単価を上げるための対策
エステサロンの客単価を上げるために必要な対策は次の6つです。
・価格の見直し
・顧客からの信頼
・メニューの追加提案
・SNSやメールでの告知
・お客様アンケートの実施
・他店との差別化
順番に解説していきます。
価格の見直しは重要
1つ目の対策は、料金設定の見直しです。エリアやエステサロンの雰囲気によって相場価格は異なりますが、あきらかに平均より突出した金額設定は顧客の来店機会を失いやすくなります。
ある程度ブランディングが確立しており、高級サロンとして受け入れてもらえている場合をのぞいて、高すぎる金額設定は控える必要があります。
一方で安すぎる料金設定をしているサロンは、平均相場にあわせて引き上げても良いかもしれません。もし価格の見直しをしたくないと考える場合は、価格に見合う内容なのかメニューの見直しが必要になります。
「この金額なら、サービス内容を見直した方が良いかもしれない」と感じる場合、料金はそのままに内容を変更するのがおすすめです。
顧客から信頼してもらう
2つ目の対策は顧客からの信頼を獲得することです。特に新規顧客としてはじめて来店したタイミングで信頼を獲得することが重要なポイントです。
新規キャンペーンやクーポンは利益率が低く設定されているケースがほとんどです。そのため、2回目以降に来店してもらえることが売上アップに必要な要素になります。
初回来店時に「親身になってくれる」「値段以上のサービスだと感じる」「これからここに通おう」と思ってもらえるよう丁寧に接客を心掛けましょう。
顧客のニーズを把握するためにヒアリングに時間をかけたり、ここに通えば理想の自分が実現できると思わせるサービスが求められます。
メニューの追加提案を行う
3つ目の対策は、サロンメニューの追加提案です。顧客単価を上げるためには、いつも利用してもらっているサービスにプラスして新しいメニューを利用してもらう施策が必要です。
ただし、あまり営業色が伝わってしまうと顧客から引かれてしまいます。あくまでも顧客のニーズを正確に把握し「〇〇を解決するために、一度こちらのメニューを試してみませんか」といった軽いタッチの提案がおすすめです。
追加提案するお客様の見極めも重要です。もともとサロンに対して「とにかく安く施術を受けたい」と思っている人は、追加提案に対してネガティブな印象を持つこともあります。
「キレイになりたい」というニーズとある程度の予算を持っている顧客であれば「自分のために親身になってくれている」と受け止めてもらいやすくなります。
SNSやメールで告知する
4つ目の対策はSNSやメールを活用した告知を行うことです。「顧客に対して対面で直接営業活動をかけると信用を失うリスクがあり、怖い…。」と思うスタッフは多いかと思います。
しかし、SNSやメールであれば積極的なアピールをしても引かれるリスクは緩和されます。お得なキャンペーンの打ち出しだけではなく、サロンの魅力もアピールすることが重要です。来店頻度を上げたり、お店に対して好感を持ってもらいやすくなったりします。
SNSは更新頻度を一定に保つのがポイントです。放置されているSNSは逆効果となりますので、Instagramであれば毎日のストーリー更新や、週に1回フィード投稿をすることで関心を引きやすくなります。
お客様アンケートで直接聞いてみる
5つ目の対策は、お客様アンケートを実施し『生の声』を拾い上げることです。直接スタッフに言いにくいこともアンケートであれば回答してもらいやすいため、不満やニーズを汲み取りやすくなります。
お客様アンケートは来店時に直接書いてもらうのがおすすめです。Web上のアンケートだと手軽な分、離脱もしやすくなるため待ち時間などを利用してお願いすると良いでしょう。
もし改善すべき点があれば、アンケート結果を踏まえて施策を考えることがポイントです。お客様からの声を形にすることができれば好感度を上げるチャンスにもなります。満足度向上を目指すことで、その先の顧客単価アップにつなげることが可能です。
他店との差別化
6つ目の対策は、競合他社との差別化を意識することです。エステサロンはさまざまな形態で増加しており、お店によって強みやアピールポイントが異なります。数ある競合他社と差をつけるために、自社の強みをきちんと打ち出すことが重要です。
そのために「お客様が何を求めて来店してくれているのか」というニーズを把握し、他社にはない自社だけの強みを見つけ出すことです。もし、自店の強みがぼんやりしていると感じるようであればコンセプトから作り直す必要があります。オリジナルのメニューを考案したり、施術レベルの向上を目指したり『ココだけは他社に負けない』という強みを持つことが重要です。
エステサロンで客単価を上げるための方法
エステサロンで客単価を上げるためには、次の6つの方法が効果的です。
・オプションメニューを用意する
・セットメニューを作成する
・コースを3つ用意する
・物販を取り入れる
・限定メニューを作成する
・決済手段を増やす
今すぐに取り組めるものもありますので、積極的に実施してみてください。
オプションメニューを用意する
エステサロンで客単価をあげるためには、メインメニューだけではなくオプションメニューも追加で用意します。
オプションメニューは、あくまでもサブのポジションなのでメインメニューほどボリュームがあるものはおすすめしません。安価かつ、短時間で済むようなものを複数用意するのがベストです。
スタッフにとっても気軽に勧めやすく、顧客にとっても気軽に利用しやすいと思えるメニューを考えてみましょう。
セットメニューを作成する
セットメニューを用意することも客単価アップにつながります。
セットメニューとは、複数プランをまとめて利用すればお得な価格になるもので、たとえば下半身施術(2万円)+腕の施術(1万円)でそれぞれだと3万円になるところをセットなら2万円で利用できるといったものになります。
お得に複数メニューを楽しむことができるため顧客にとって利用しやすく、スムーズに客単価を上げることができます。
コースを3つ用意する
コースを作る場合は、「松・竹・梅」で価格を変えて3つ用意し、真ん中のプラン(竹プラン)の価格を上げましょう。人は選択肢を3つ用意されると真ん中の選択肢を選ぶことが心理的に多いためです。これはエステサロンだけではなく異業種でも活用されている手法です。
そのため選ばれる頻度が高い真ん中のプランの価格を高く設定しておけば、自然な流れで客単価アップが見込めます。またコース内容の満足度が高ければ、一番上のプランに変えてもらえる可能性も高まります。
物販を取り入れる
施術メニューだけではなく、店頭やオンラインの物販も取り入れるのが効果的です。
美容は毎日の積み重ねが重要なので、数回の施術で効果を出すのは難しいケースもあります。家でのケアをサポートするような商品と、お店での施術を上手に組み合わせて提案することで得られる効果も変わります。押し売りするのではなく、あくまでも顧客のニーズに合わせて案内・紹介していくのがポイントです。
限定メニューを作成する
期間限定メニューを考案するのも、客単価や来店頻度を上げる方法の1つです。
季節によって美容に対する悩みは変わるものです。夏場に特別な痩身エステのプランを増やしたり、冬場に乾燥対策の美容施術プランを増やしたり、ニーズにあわせて期間限定メニューを発信するようにしましょう。
来店してくれた顧客へのご案内はもちろんですが、SNSやメールでのアピールもしやすくなるため、来店機会の創出につながります。
決済手段を増やす
決済手段が現金のみであればキャッシュレス決済の導入を検討することもおすすめです。
今はクレジットカード決済や電子決済などが主流です。現金を持ちたがらない人も増えているため、決済手段を増やすだけでも通いやすくなるサロンの仕組みを考えることも重要です。
また価格が高いプランの支払は、カード決済を希望する人が増えます。高額プランの契約をスムーズに進めるためにも、複数の決済手法を用意しておくことをおすすめします。
客単価を上げる際の注意点
客単価を上げようと試みる際に、気をつけてもらいたい点が2点あります。
・お客様から共感を得る
・検証と改善を繰り返し行う
事前に把握しておくことで、トラブルにならないよう注意してください。
お客様から共感を得る
客単価をあげるための施策は、時として顧客離れにつながるリスクもあります。そこで顧客離れを未然に防ぐためには「顧客から共感を得られているか」という点が重要です。
どのような施策を打つ場合でも『顧客のニーズを満たしているか』のサロンと顧客がメリットを得られる施策を考えなければいけません。とくにアップセルの価格改定を行う際は、慎重に進めることがポイントです。
検証と改善を繰り返し行う
これまで様々な単価アップ施策を紹介してきましたが、実施後は必ず効果検証をおこないます。
どの程度反応があったかを踏まえて、改善策を考え実施するところまで繰り返す必要があります。このPDCAサイクルを、期間を決めてきちんと回していくことで、売上アップにつなげることを忘れてはいけません。
1回実施して反応が良かったからといって継続的に続くとは限りません。定期的に見直していくことで、効果的に売上を伸ばしていけます。
客単価を上げる方法:まとめ
本記事では、顧客単価をあげる方法として以下の手段を紹介していきました。
・オプションメニューを用意する
・セットメニューを作成する
・コースを3つ用意する
・物販を取り入れる
・限定メニューを作成する
・決済手段を増やす
どの方法も上手に取り組むことができれば顧客満足度の向上につながり、自然と売上を伸ばしやすくなります。競合他社の多いエステサロンだからこそ、自社ならではの強みを見つけ出しアピールしていくことが重要です。
効果改善を繰り返しながら新しい方法を取り入れていき、顧客単価アップを目指す施策を行いましょう。