更新日:2024.03.19

店舗・エステサロンで最適な間取りにするための重要なポイントを解説

店舗・エステサロンで最適な間取りにするための重要なポイントを解説

店舗やエステサロンの成功につなげるためには、間取りの導線作りは経営に大きく左右されます。適切なスペースの確保や機能的な内装の配置などの快適な顧客目線での環境作りをすることで顧客の満足度を向上させることができます。

本記事では、店舗やエステサロンを開業する際に考慮すべき、間取りの重要なポイントを解説します。

理想的な広さ・内装にかかる費用の見積もり・効果的な施術室の配置など、効率的かつ魅力的なサロン環境を作り上げるための要素を幅広く紹介します。

店舗・エステサロンの間取りに必要な広さ

エステサロンの間取りに必要な広さは、店舗のタイプによって異なります。テナントでの開業や自宅を改装しての開業などさまざまです。

自宅サロンの場合、利用可能なスペースが限られているため、効率的なレイアウトが重要となり、最低でも6畳程度のスペースが確保されていれば施術が可能です。狭いスペースでも快適で機能的な環境を作ることが重要といえます。

一方テナントを利用する場合、より大きなスペースが必要になることが一般的です。

施術室の数や待合室・バックヤードのスペースなどを考慮する必要があります。特に複数の施術室や広い受付エリア・スタッフの休憩スペースなどは、店舗のスケールに合わせて十分なスペースを確保するといった想定で間取りを考えなければいけません。

自宅サロンとテナントサロンでは、利用できるスペースの大きさやサロンの機能に違いがあるため、それぞれの条件に適した間取りの計画が重要です。

関連記事:エステサロン開業に必要な準備とは?開業前から開業後まで運営を安定させるためにメーカーが教えるポイント

サロンの内装にかかる金額はいくらぐらい?

サロンの内装にかかる金額は、選択する内装の質やスタイル・サロンが位置する自宅かテナントかによって大きく変動します。

自宅サロンの場合、改装の規模が小さく抑えられるため、内装費用は比較的低く抑えられることが一般的です。約50万円から100万円程度が目安となりますが、シンプルな改装に留めればさらにコストを下げることも可能です。

一方、テナントを利用するサロンでは、内装により多くの投資が必要になる場合が多いです。

広いスペースを持つテナントでは、200万円以上の内装費用がかかることも珍しくありません。

ブランドイメージを高めるためのデザインや高品質な材料の使用、照明や家具にこだわった場合は、その費用はさらに増えるため予算やコンセプト作りを先行して決定したほうが効率的です。

前述した通り、最終的な内装費用は、サロンの規模やデザインの要望に大きく依存します。そのため自宅とテナントでは利用可能な予算範囲や、条件に合わせた内装計画を立てることが重要です。

サロンのリフォームにかかる費用は?

サロンのリフォーム費用も、規模や改装の範囲によって大きく異なります。一般的に、小規模なリフォームでは約50万円から始まり、大規模な改装では200万円を超えることもあります。

そこで、リフォーム費用を計算する際は、以下の要素を考慮に入れるとスムーズに進めることができます。

  1. 基本工事費:壁や床の改装・電気配線の工事など、基本となる工事の費用
  2. 材料費::使用する材料の質や量によって異なります
  3. デザイン費: 専門のデザイナーを雇う場合はその費用も考慮に入れる
  4. 家具・備品の費用: 椅子・鏡・収納などの家具やサロン用品の購入費用

なかにはDIYでリフォームを行うことで、大幅に費用を削減できるケースもあります。自分でできる壁塗装や床材の施工・照明の取り付けなどは、専門業者に依頼するよりも低コストに抑えることができます。

ただし、専門的な知識や技術が必要な工事は、安全性や仕上がりの質を考慮して業者に任せることをおすすめします。

リフォームの予算計画を立てる際は、必要な工事の内容を詳細にリストアップし、各項目ごとに見積もりを取り進めることが大切です。

施術室には何をどのように配置するのがベスト

施術室の配置は、効率性と顧客の快適性を考慮して行うべきです。

まず基本となるのは、施術ベッドやチェアです。室内の中央や壁際に設置し、スタッフが動きやすいようにすることが重要です。また鏡や照明は施術に必要な箇所に配置し、顧客が自分の姿を見やすい位置に設置します。

収納スペースも重要で、必要な道具や消耗品が手に取りやすい位置にあることが望ましいです。小さな棚やキャビネットを施術ベッドの近くに配置すると、スムーズな施術が可能になります。

さらにリラックスできる雰囲気作りのために、アロマディフューザーや穏やかな背景音楽の設備を加える点もポイントです。

また施術室の配置は、機能性とリラックス感のバランスを考えながら行うことが、最適な空間作りにつながるため慎重に進めましょう。

店舗・エステサロンの間取りで必要なスペース

エステサロンの間取りで必要なスペースは、主に以下のエリアに分けられます。

最も重要なのは施術室で、十分なスペースを確保し快適な施術環境を提供することが必要です。一般的には、一つの施術室につき6畳以上が理想的といえます。

次に待合室のスペースを考慮し、顧客がリラックスして待てるようにすることが大切です。トイレや洗面台は顧客の利便性を高めるために必要です。

これらはサロンの規模に応じて配置を考慮する必要があります。

事務作業やスタッフの休憩スペースも必要となり、効率的な運営のためには適切なスペースを確保することが重要です。

サロンの全体的な間取りは、これらのスペースをバランスよく配置し、顧客とスタッフ双方にとって機能的で快適な環境を作り出すことが求められます。

施術室

施術室はエステサロンの顧客満足度を左右するとても重要なスペースです。適切な施術室の設計には、プライバシーの確保・十分な移動スペース・快適な環境作りが不可欠です。

施術室を個室にすることで、顧客にリラックスしてプライベートな時間を過ごしてもらうことができます。

施術室の広さは、ベッドや機器を配置しても余裕のある動線を確保することが重要です。施術道具を収納するための十分なスペースを確保することを考えると、一室あたり6畳〜10畳の広さが適切です。

内装には、落ち着いた色合いを選び、リラクゼーションを促進するようなデザインを採用することが望ましいです。

トイレ・洗面台

トイレはプライバシーを尊重し、リラックスできる空間であるべきです。機能的で、十分な清潔感を保つための設備と整頓が必須です。

壁や床の素材は、清掃が簡単で見た目にも美しいものを選ぶと良いでしょう。また、トイレ内には消臭剤やアロマを設置し常に快適な空気環境を保つことも大切です。

洗面台は、施術前後の顧客が使用するため、清潔かつ機能的である必要があります。

手洗いや化粧直しを快適に行えるよう、鏡や照明の配置にも配慮しましょう。

洗面台周辺には手拭きタオルやハンドソープ・ハンドクリームなどのアメニティを充実させると顧客に高いサービスを提供している印象を与えます。

水回りが汚れていると、全体的に不衛生な印象を与えてしまう可能性があります。予約前には必ず清掃を行うなど、常に綺麗に保つことをしなければいけません。

待合室

お客様を最初に迎える場所として、快適で歓迎されている感じを受けられるように配慮することが重要です。

リラックスできるソファや椅子を用意し、お客様がゆったりと待ち時間を過ごせるようにします。待合室には雑誌やサロンのメニュー・プロモーション素材などを配置し、お客様がサービスについて情報を得られるようにすると良いです。

照明は柔らかく心地よいものを選び、リラックスできる雰囲気を作り出します。

事務・バックヤードのスペース

このエリアは、サロンの運営に必要な日々の事務作業・スタッフの休憩・備品等のストックなどサロンの裏方業務を支える重要なスペースです。

事務スペースは、書類の整理・予約管理・顧客データの管理などのために必要で、最低でも小さなデスクと収納棚を設置できるくらいの広さが必要です。スタッフが効率的に作業を行えるよう、十分な照明と必要なオフィス機器の設置も大切です。

バックヤードは、スタッフの休憩や個人の荷物を置くためのスペースとして機能します。スタッフが短い休憩時間でもリフレッシュできるよう快適な椅子や食事を取れるテーブルなどを用意することをおすすめします。また備品等のストックとしても使用されるため、整理整頓しやすい棚やキャビネットの確保も忘れず準備しましょう。

【自宅・店舗(テナント)別】最適な間取りにするための重要ポイント

自宅とテナントでのエステサロン経営では、最適な間取りにするための重要ポイントが異なります。

自宅サロンでは、限られた空間を最大限に活用し、プライベート空間と業務空間を明確に分けることが肝心です。一方でテナントの場合、顧客の流れや施術の効率性を重視し、広い空間を効果的に使うことが重要になります。

【自宅サロンの重要ポイント】

  • 日常と切り離した空間を演出する
  • コンセプトに合ったインテリア選び
  • 賃貸の場合、営業許可を取得は必須

【テナントサロンの重要ポイント】

  • 事業規模を把握する
  • スタッフの休憩スペースを確保
  • カーテンやパーテーションを活用する
  • 立地にもこだわることも重要

各タイプのサロンに合わせて間取りを計画し機能性と快適性を両立させることが、最適なサロン空間を実現するための鍵といえます。

【自宅】お客様の導線を意識する

自宅でエステサロンを運営する場合、お客様が快適に過ごせるような導線を意識することが非常に重要です。

入口から施術室への導線はわかりやすくスムーズである必要があります。家具や装飾品の配置により、プライバシーを確保しつつ、お客様が迷わずに目的地へ導くレイアウトを心掛けましょう。

トイレや洗面所へのアクセスはお客様が簡単に見つけられる場所に設け、必要なサインや案内を適切に配置することで、お客様の利便性を高めます。家庭のプライベートスペースとサロンスペースを区別し、お客様がプライベートエリアに入らないようにする配慮も必要です。

コンセントの位置と数

多くの電源を必要とする機器を使用するため、コンセントの配置と数がとても重要となります。安全性とサービスの効率を高められるよう適切なコンセントの位置を決めることを意識します。

まず施術用ベッド・受付カウンター・待合室など、必要な機器を適切な場所でスムーズに使用することができるよう、十分な数のコンセントを確保することが重要です。

足に引っかからないようにするなど転倒や怪我のリスクを減らし、安全面を考慮して行う必要があります。

家具や機器の配置を事前に計画し、それに基づいてコンセントの位置と数を決定することで、快適なサービス提供が可能となります。

サロン設計の初期段階でしっかりと検討することが大切です。

【自宅】日常と切り離した空間を演出する

お客様に特別な体験をしていただくためには、日常生活とサロン空間を明確に分け、専用のリラクゼーションエリアを演出することが大切です。

サロンスペースは、落ち着いた色合い・心地よい照明・専門的な装飾で整えることで、プロフェッショナルな環境を作り出します。リラックスできる音楽・アロマの香り・快適な家具を配置することで、日常から切り離された癒しの空間を演出できます。

自宅サロンにおける日常と切り離した空間の演出は、お客様にリラックスと特別感を提供し、サロンとしての品質を高めるために欠かせない要素です。

照明やアロマで独特なサロンの雰囲気を演出

照明とアロマは、サロンの雰囲気作りにおいて非常に重要な役割を果たします。

温かみのある照明は、サロンの空間を柔らかく包み込み、リラックスしたムードを作り出します。光の明るさや色温度を調節し、穏やかで心地よい雰囲気を演出することが大切です。

アロマの香りは、サロンに訪れた瞬間からお客様の感覚を刺激し、深いリラクゼーションを促します。

香りはお客様の心理状態に影響を与えるため、季節やサロンのコンセプトに合わせたエッセンシャルオイルを選ぶのが良いでしょう。リフレッシュやリラックス効果のある香りを用いることで、サロンでの体験をより豊かなものにすることができます。

【自宅】コンセプトに合ったインテリア選び

サロンのコンセプトに沿ったインテリアは、お客様に強い印象を与え、サロンの独自性を際立たせます。

サロンのテーマがリラクゼーションや癒しであれば、自然素材や柔らかな色合いの家具、温かみのある照明を選ぶことが効果的です。また、モダンでスタイリッシュな雰囲気を目指す場合は、シンプルかつ洗練されたデザインの家具やアクセサリーが適しています。サロンの特色を生かしたアート作品や装飾品を取り入れることも、空間に深みを加えます。

サロンのインテリアは、ただ美しいだけでなく機能的であることも重要です。

お客様の快適さを考慮した家具選びや作業効率を考慮した配置を心がけることで、見た目の美しさと実用性を両立させることができます。

コンセプトに合ったインテリア選びによりサロンは独自の魅力を放ち、お客様に忘れられない体験を提供できる環境作りを考えます。

家具の雰囲気を統一が必要

家具の雰囲気をコンセプトに合わせて統一することは、サロンのブランドイメージを強化する上で非常に重要です。家具のスタイルが一貫していることで、サロン全体の調和が取れ、プロフェッショナルで洗練された印象をお客様に与えることができます。

リラクゼーションを重視したサロンなら、柔らかい素材や曲線的なデザインの家具を選び、穏やかで落ち着いた雰囲気を作り出します。逆にモダンなコンセプトのサロンでは、シンプルでスタイリッシュな家具を選ぶことで、洗練された空間を演出できます。

家具の色や素材・フォルムをサロンのテーマに合わせて選ぶことで、コンセプトに沿った統一感のあるインテリアが完成します。

【自宅】賃貸の場合、営業許可を取得は必須

多くの住宅賃貸契約では、商業活動を禁止している場合があるため、事前に家主や管理会社に確認し、必要に応じて許可を得ることが必要です。

これは法的な規制に準拠し、安全かつ合法的にビジネスを運営するための基本的な要件です。

多くの住宅賃貸契約では、商業活動を禁止している場合があるため、事前に家主や管理会社に確認し、必要に応じて許可を得ることが重要です。

サロンとしての営業を開始するには、地域の行政機関に対して適切な申請を行い、営業許可を取得する必要があります。衛生管理や安全規定の遵守など、特定の基準を満たすことが求められ、営業許可の取得は、サロン運営の合法性を保証しお客様に対しても安心と信頼を提供します。

【店舗・テナント】事業規模を把握する

事業規模を正確に把握し、必要なスペースや設備の規模を計画することが、効率的なサロン運営の鍵となります。

小規模なサロンの場合、コンパクトなスペースに効率良く設備を配置し、お客様に快適なサービスを提供できるようにする必要があります。

一方で大規模なサロンでは、複数の施術室・広い待合室・スタッフ用の休憩室や事務スペースなど、より多くのエリアを確保する必要があります。

どちらの場合も、事業規模を正しく理解しそれに適した間取りを計画することが、サービスの質を高め、お客様の満足度を保つためには欠かせません。

【店舗・テナント】スタッフの休憩スペースを確保

スタッフの休憩スペースの確保は非常に重要で、スタッフの労働環境を向上させると同時に、サービス品質の維持にも直結します。

休憩スペースは十分な広さを確保し、リラックスできる椅子やソファ・テーブルを設置することが望ましいです。

キッチンエリアや冷蔵庫、電子レンジなどの設備を配備することで、スタッフにとってよりよい休憩スペースとなります。

サロンスペースからは離れた静かな場所に設けることで、スタッフがお客様の目を気にすることなく休憩時間をリラックスして過ごすことができます。

満足度の高いスタッフは、お客様に対しても高い品質のサービスを提供することができ、顧客満足度を高めることに繋がります。スタッフが働きやすい職場環境を提供し、サロンの成功につながります。

【店舗・テナント】カーテンやパーテーションを活用する

ワンルームや1DKのような限られた空間でエステサロンを運営する際、カーテンやパーテーションの活用は非常に効果的です。

キッチンなどの生活感のあるエリアを隠し、待合室と施術室を簡単に分けることが可能になります。

大掛かりな工事を必要とせず、手軽に空間を区切ることができるため、スペースや予算に制限がある場合には特に理想的です。

カーテンやパーテーションは、サロンの機能性を高めるだけでなく、デザインの一部としても重要な役割。選ぶ素材やデザインにこだわることで、サロン全体の雰囲気を向上させ、コンセプトをより鮮明に表現することができます。

【店舗・テナント】立地にもこだわることも重要

立地選びはお客様の獲得に直接影響を与えるため、サロンへのアクセスのしやすさ・見つけやすい場所にあるか、が極めて重要になります。

商業地域や住宅地域の近く・交通の便が良い場所は、お客様がサロンに足を運びやすい環境を提供します。周辺に同業他社が少ない場合は、競争が少なく、独自の顧客基盤を築きやすい利点です。

立地選びは、サロンの可視性・アクセシビリティ・ターゲット顧客へのアピールといった色々な観点から検討する必要があり、サロンの成功に大きく寄与する決定的な要因となります。適切な立地を選ぶことで、サロンはお客様の獲得と継続的な成長の基盤を築くことができます。

店舗・エステサロンの間取り:まとめ

エステサロンの開業には、特に資格が必要ないため比較的簡単に始められますが、店舗の間取りや広さの選択が重要です。

自宅の一室を使う場合やテナントでの運営においても、事前の計画が不可欠です。

本記事では、サロン運営における必要スペースや間取りの選び方について詳しく解説しました。効果的な間取りは、サロンの展開メニューや内装デザインだけでなく、サロンの機能性と顧客満足度を高める上で欠かせない要素です。

特に自宅サロンの場合は、プライベートスペースとサロンスペースの明確な分離が求められ、適切な営業許可の取得も重要となります。

これらの要点を総合的に考慮し、計画的に進めましょう。

このコラムの執筆者

株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
コンフォートジャパンのコラム編集担当です。
美容業界で長く美容機器メーカーとして存続しているコンフォートジャパンが、皆様のお声に応えるべく、脱毛関連はもちろんのこと、サロン運営に役立つ情報を発信していきます。