フラッシュ脱毛とは?レーザー脱毛とSHR・IPL・ハイブリッド脱毛の違いや効果・仕組みを解説
脱毛を検討した時に、脱毛方法に違いがあることや施術を受けられる場所、施術者が違うため、どこにしようか迷うことがあるでしょう。
脱毛には大きく分けて「フラッシュ脱毛」と「レーザー脱毛」の2種類あり、それぞれ脱毛方法や光・レーザーの種類が違います。
初めて脱毛する方は脱毛サロンで気軽に受けられ、安いフラッシュ脱毛を選びやすいですが、違いを知ることでより効果的な脱毛ができます。
脱毛サロン・脱毛クリニック選びで失敗や後悔しないため、脱毛の違いについて理解しておきましょう。
本記事ではフラッシュ脱毛について詳しくまとめました。レーザー脱毛との違いやあらゆる項目で比較しているので、ぜひお役立てください。
フラッシュ脱毛とは?
『フラッシュ脱毛』とは、光を照射することで脱毛する施術方法です。
光を照射する時にカメラのフラッシュのように光ることからフラッシュ脱毛とよばれており、ほかにも「光脱毛」や「エステ脱毛」と呼ばれることもあります。
発毛組織に光を照射しダメージを与えて発毛する働きを弱め、減毛・抑毛効果が期待できます。
脱毛サロンやエステサロンで受けられる施術です。
フラッシュ脱毛の仕組みと効果
フラッシュ脱毛は脱毛する部分に光を照射し、発毛組織に熱を与えることで毛を生えにくくするという仕組みです。
一度の照射では脱毛効果はないため、複数回施術を重ねることで徐々に「毛の生えるスピードが遅くなる」「毛が細くなる」といった効果を実感できます。
フラッシュ脱毛は発毛組織を壊すことはできないため、永久脱毛の効果はありません。
発毛組織を破壊するのは医療行為となるため、脱毛サロンやエステサロンではできません。
フラッシュ脱毛は、一般的に3〜4年の間毛のない状態を維持できるといわれています。
また、フラッシュ脱毛の脱毛機器は発毛組織を破壊するほどの威力はないため、脱毛効果としては穏やかですが、痛みや肌への負担の少ない脱毛が受けられます。
フラッシュ脱毛の種類
フラッシュ脱毛には種類があり、大きく分けて3つあります。
- SHR脱毛
- IPL脱毛
- ハイブリッド脱毛
脱毛方法や光の種類、アプローチする発毛組織や得意としている毛質が異なります。
それぞれの種類によってメリットやデメリットもあるので、違いを知ることで自分に合ったフラッシュ脱毛が受けられるでしょう。
3種類の違いについて解説していきます。
SHR脱毛
『SHR脱毛』は「蓄熱式脱毛」ともよばれている脱毛方法です。
毛を生やす指令を出す「バルジ領域」という部分にダメージを与え、毛の生える働きを弱めます。
毛を包んでいる毛包全体に熱を与えて蓄熱し、ジワジワとダメージを与えていくため照射熱が低く、痛みが少ないのが特徴です。
バルジ領域は皮膚の浅い部分にあるため、毛根深くまで熱を届ける必要がなく低い熱でも脱毛効果を発揮します。
メラニン色素に関係なく照射できるので、毛周期のタイミングに合わせて通うこともないため、最短2週間の間隔で通えて短い期間で脱毛が完了します。
色素の薄い毛や産毛にも効果的で、日焼け肌や地黒などメラニン色素が多い肌質でも対応できるのは嬉しいポイントです。
高速連射で肌の上を滑らすように照射するので、照射漏れが少なく施術時間も短く終わります。
ただ、比較的新しい脱毛方法のため脱毛効果に対してのエビデンスや実績が少なく、導入している脱毛サロンが少ないのが現状です。
即効性 | 産毛 | 濃い毛 | 痛み | 日焼け肌 |
△ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ |
IPL脱毛
『IPL脱毛』は黒い色に反応する光を照射して、毛根の一番下にある毛を作り出す「毛母細胞」と「毛乳頭」にダメージを与える脱毛方法です。
毛に成長を与える部分をターゲットにしており、毛の黒いメラニン色素に反応するため、毛が太くて濃いほど脱毛効果を実感しやすいのが特徴です。
毛の生え変わるサイクルの「毛周期」は、成長期・退行期・休止期の3段階あり、一つ一つの毛穴で毛周期が繰り返されています。
IPL脱毛は毛穴にメラニン色素がしっかりある成長期の毛だけに作用し、光を照射することで発毛組織と毛が離され、2〜3週間後に毛がポロポロ抜け落ちるポップアップ現象が起こります。
ただ、光を毛根深くまで届けないといけないため照射熱が高いので、脱毛する部位や毛質によっては痛みを感じやすいです。
毛周期に合わせて通う必要があるので2〜3ヶ月の間隔を空けるため、脱毛完了までには期間がかかります。
即効性 | 産毛 | 濃い毛 | 痛み | 日焼け肌 |
◎ | △ | ◎ | △ | × |
ハイブリッド脱毛
『ハイブリッド脱毛(HHR)』は、「IPL脱毛」と「SHR脱毛」のメリットを組み合わせて良いとこ取りをした脱毛方法です。
脱毛機1台にIPL脱毛とSHR脱毛の両方を搭載しており、毛質や肌質に合わせて使い分けられるのが特徴です。
細い産毛から太くて濃い毛まで対応できるので、あらゆる毛質の脱毛を可能にしました。
産毛と太い毛が混在している部位の脱毛や、全身脱毛に向いています。
毛根に刺激を与えないため痛みを感じにくく、肌へのダメージも少ないので肌に対して不安のある方でも始めやすい脱毛方法です。
即効性 | 産毛 | 濃い毛 | 痛み | 日焼け肌 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
レーザー脱毛とフラッシュ脱毛の違い【比較表】
脱毛は大きく分けて『レーザー脱毛』と『フラッシュ脱毛』の2種類あります。
レーザー脱毛は医療行為となるので脱毛クリニックや皮膚科などの医療機関でしか受けることができません。
フラッシュ脱毛は医療資格が必要ないため、脱毛サロンやエステサロンなどで受けられる脱毛方法です。
レーザー脱毛とフラッシュ脱毛は受けられる場所が違うだけでなく、根本的な違いがあるため、脱毛しようと思ったらまずは2種類の脱毛の違いについて知っておくことが重要といえます。
レーザー脱毛とフラッシュ脱毛の違いについて解説します。
レーザー脱毛 | フラッシュ脱毛 | |
脱毛方法 | 医療レーザー脱毛 | フラッシュ脱毛(光脱毛) |
受けられる場所 | 医療機関 脱毛クリニックや皮膚科 | 美容サロン 脱毛サロンやエステサロン |
脱毛効果 | 永久脱毛 高出力のレーザーで発毛組織を破壊するため確実な脱毛効果が得られる | 抑毛・減毛 光で発毛組織にダメージを与えるため毛が薄くなる、細くなるといった脱毛効果が得られる |
脱毛回数・期間 | レーザーのパワーが強いため5~8回で、約1~2年で完了する | 光のパワーが穏やかなため15~20回で、約2~3年かかる |
痛み | 脱毛部位や毛質によっては痛みを強く感じる 麻酔の使用で痛みを緩和できる | 比較的痛みは少ない |
料金 | 高額になることも多いが、1回の脱毛効果が高いため回数内で終わることが多い | コース料金は安いが、回数内では満足のいく効果が得られないことが多いため追加料金がかかる場合もある |
施術担当者 | 国家資格を持つ医師や看護師 | 研修を受けたスタッフ |
安全性 | 医師の指導のもと安全性・効果が認められた医療機器を使用する | 脱毛講習や技術研修を受けたスタッフがサロン用の脱毛機を使用する |
アフターケア | 炎症止めでケア、脱毛後の肌の状態によっては炎症剤を処方 | 自社製品などによる保湿ケア (医薬品の使用は不可) |
トラブル時の対応 | 医師が在中しているため医療的な処置が受けられる | 提携しているクリニックを受診 提携していない場合は自分で探して受診し診断書をもらってくる |
関連記事
光脱毛とレーザー脱毛の違いは?効果や仕組みについて徹底解説!
レーザー脱毛とフラッシュ脱毛の5つの違い
レーザー脱毛とフラッシュ脱毛には大きく分けて5つの違いがあります。
- 施術に必要な資格
- 使用する光源の種類と脱毛効果
- 脱毛回数と期間
- 熱さや痛み
- 施術費用
それぞれについて具体的に見ていきましょう。
1.施術に必要な資格
レーザー脱毛は医療機関となるので、医師免許を有している医師が在中する医療機関でしか扱えません。
脱毛機も医療機器になり、国産や海外製などさまざまな種類がありますが、中には厚生労働省から脱毛効果があると認可を受けている脱毛機もあります。
施術は医学知識を持っている医師や看護師しか施術できません。
一方フラッシュ脱毛の施術者は資格は不要なため、誰でも施術に入れます。
脱毛サロンが独自で設けている資格や民間の脱毛資格もありますが、基本的に資格がなくても施術はでき、違法ではありません。
脱毛機に関しても取り扱いに資格などはないため、どんな脱毛機器でも使用できます。
フラッシュ脱毛の脱毛機は肌トラブルを回避するために予め出力が調整され、弱い光しか扱えません。
2.使用する光源の種類と脱毛効果
使用する光源(光・レーザー)には種類があり、波長が違います。
光源はフラッシュ脱毛のIPL脱毛やSHR脱毛では「キセノンランプ」や「ハロゲンライト」が使われ、レーザー脱毛は半導体の「レーザー」が使われています。
波長の違いについて見てみましょう。
IPL脱毛 | SHR脱毛 | レーザー脱毛 | |
波長 | 約755~1064nm | 約640〜1200nm | 約755nm~1064nm |
レーザーはおもに3種類あります。
- アレキサンドライトレーザー:755nm
- ダイオードレーザー:800nm~940nm
- ヤグレーザー:1064nm
波長は数値が大きいほど波長が長いので毛根深くまで熱を届けることが可能で、数値が少ない波長はメラニンへの吸収に優れているのが特徴です。
波長の違いによって得意としている毛質や対応可能な肌質は違います。
レーザー脱毛は高出力で単一のレーザーだけで、光の幅が狭いため集中的に照射をするため痛みを感じやすくヤケドのリスクがあります。
フラッシュ脱毛は複数の波長を含み波長の幅が広いため、脱毛範囲が広く痛みを抑えた脱毛が可能です。
脱毛機によっては複数の波長を照射できるものもあり、同時に照射したり波長を切り替えて照射します。
3.脱毛回数と期間
IPL脱毛 | SHR脱毛 | レーザー脱毛 | |
完了までの回数 | 15~20回 | 10~20回 | 5~8回 |
完了までの期間 | 2~3年 | 半年~1年 | 1~2年 |
通う間隔 | 1~3ヶ月に1回 | 最短2週間に1回 | 1~3ヶ月に1回 |
レーザー脱毛とフラッシュ脱毛では、1回の脱毛効果が違うため完了するまでにかかる回数や期間は変わります。
レーザー脱毛は永久脱毛ができるため、毛が生えてこなくなることで脱毛効果がわかりやすいですが、フラッシュ脱毛ははっきりした効果がわかりにくいことがあります。
そのため初めに契約した回数では終わらずにコースを追加するケースが多いため、完了までの回数は多くなる傾向です。
SHR脱毛は毛周期に関係なく通えるので、完了までの期間が短いです。
ただ脱毛効果を実感しにくいというデメリットがあるため、目的とする状態になるまで回数を要することがあります。
レーザー脱毛は肌質や毛質、脱毛する部位によって違いはありますが、フラッシュ脱毛の半分以下の回数・期間で満足される人が多いです。
4.熱さや痛み
IPL脱毛 | SHR脱毛 | レーザー脱毛 | |
痛み | 弱いが、部位や毛質によってやや痛みがある | ほぼ痛みはない | 強い |
対処方法 | 照射レベルを下げる 冷却する | - | 照射レベルを下げる 冷却する 麻酔を使用する |
施術時に感じる熱さや痛みは、照射時の出力に関係しています。
レーザーは高出力で照射する分痛みを感じやすいです。
しかし医療機関なので麻酔が使用できます。脱毛で使われる麻酔はおもに2種類で、麻酔クリームを塗る「表面麻酔」と、笑気ガスを鼻から吸引する「笑気麻酔」です。
表面麻酔は部分的な麻酔となるため顔やVIOに向いており、笑気麻酔は吸引している間麻酔が効いているため全身麻酔に向いています。
痛みを緩和させる基本的な方法として照射レベルを下げる方法がありますが、その分脱毛効果を下げてしまう可能性があります。
脱毛機器によっては冷却機能が搭載されているものもあり、照射時に瞬時に肌表面を冷却して皮膚感覚を麻痺させて痛みを緩和させる方法です。
5.施術費用
脱毛クリニックや脱毛サロンの基本的なプランの回数は5〜6回が多いです。
脱毛効果があるのは肌表面に毛が出ている成長期の毛のみで、成長期の毛は全体の20〜30%程度のため、5〜6回は脱毛が必要です。
施術費用はレーザー脱毛の方が高い傾向にあり、フラッシュ脱毛は安くなります。
レーザー脱毛は1回の脱毛効果が高いため契約した回数で終わることがありますが、フラッシュ脱毛は契約回数では終わらず追加することが多いです。
コースを追加することで最終的にレーザー脱毛の費用を上回り高額になるケースもあるので、脱毛方法やコース選びには注意が必要です。
また脱毛は施術費用のみで終わらず、追加料金が発生することがあります。
追加料金には以下のような種類があります。
- 予約変更・キャンセル料
- シェービング代
- 初診・再診料
- 麻酔代
- アフターケア用品代
施術費用の安さだけに注目せず、追加料金やオプションなどほかにも費用がかからないかしっかり確認しましょう。
医療レーザー脱毛はこんな人におすすめ
- 永久脱毛をしたい
- 少ない回数・期間で終わらせたい
- 脱毛効果を重視したい
- 毛が多い・濃い
- 麻酔を使用したい
- 肌トラブル時に即対応してもらいたい
レーザー脱毛は効果重視の人に向いている脱毛方法です。
フラッシュ脱毛よりコース料金が高い傾向にありますが、高出力のレーザーで発毛組織を破壊することができるので永久脱毛ができます。
1回の脱毛効果が高いため、少ない回数で脱毛を終えられることもあります。
医療機関での脱毛となるので、施術は医療従事者が行い、レーザー脱毛機は医療用で安全性の高いものです。
脱毛によって肌トラブルが起きてもすぐに診療と処置をしてもらえ、場合によっては薬の処方もしてもらえます。
フラッシュ脱毛はこんな人におすすめ
- 費用を安く抑えたい
- 痛みを抑えた脱毛がしたい
- 美容効果も期待したい
- 回数や期間がかかってもいい
- 肌への負担を減らしたい
- 自己処理を楽にしたい
フラッシュ脱毛はコースプランが安く痛みが少ないので、初めて脱毛する人は利用しやすいでしょう。
1回の脱毛効果は穏やかですが、痛みを抑えた脱毛が受けられ、肌への負担も少ないため肌トラブルなどのリスクが少ない傾向にあります。
IPL脱毛はメラニン色素に反応するため脱毛と同時に薄いシミやくすみを改善する効果も期待できるため、顔脱毛では美肌効果も得られます。
まとめ
フラッシュ脱毛とレーザー脱毛の違いについて解説しました。
脱毛の仕組みは発毛組織に熱を照射してダメージを与えるという大まかな仕組みは同じですが、光源の種類や出力などに違いがあります。
フラッシュ脱毛とレーザー脱毛は施術が受けられる場所や施術者が違うだけでなく、脱毛効果やトラブル時の対応も違います。
安さや通いやすい立地という理由だけで脱毛サロン・脱毛クリニックを選ばず、脱毛方法や導入している脱毛機を確認するのもポイントです。
脱毛方法にはそれぞれにメリット・デメリットがあるので、違いを知ることで自分に合った脱毛ができるでしょう。