多くのサロンが陥りやすい「勘違い」と個人サロンの戦い方

はじめに
「脱毛=若い女性のためのもの」という考えは最早なくなり、男性や高年層の方々、小学生のお子さんまでが脱毛を行うようになってきました。
ニーズの激増に伴い、脱毛を行うお店の数が増えています。今ではエステサロンのみならず、ヘアサロンやネイルサロンなどでの導入も増えております。
私も、多くのサロン様と話していて、「周りにサロンが増えているのだけど、どうすればよいか?」という質問を多く頂きます。
皆さんは、他店との差別化のため、大手に負けないため、何か戦略などはございますでしょうか?
今回は、個人サロン様のそんなお悩みを解決するために、
今、サロン様が多くされている「勘違い」について説明いたします。
これからお話する個人サロンのための考え方ができれば、周りに別の脱毛サロンができても、大手サロンができても負けることはないでしょう。
個人サロンには個人サロンの戦い方があるのです。
こんな間違い、犯してませんか?
『サロンのコンセプトが大手サロンと同じ』
まず、大枠の部分の勘違いです。皆様のサロンの「コンセプト」は何でしょうか?
もしかしたら中にはコンセプトがなく「脱毛ができるところ」という印象しかお客様に持たれていない方もいらっしゃるかもしれません。
コンセプトは非常に大事です。お客様に、自分の店のウリはここ!というアピールをし、選択の材料にしてもらうのです。
ただ、このコンセプト一つできちんとお客様がついてくるかどうかが決まってしまいます。
では、個人サロンはどういったサロンコンセプトを持てばよいか、考えてみましょう。
大前提として「個人サロンの規模で、大手サロンと同じことをしても勝てるわけがない」ということを理解するべきです。
個人サロン様の中では、「地域最安値!」「全身脱毛〇分!」「痛くない脱毛!」といった点だけで勝負しているサロン様があります。
最近増えている、非常に早い連射脱毛機を入れているサロン様に多い印象があります。
この謳い方が間違いだとは言いません。
メーカーの中には「早い!安い!」を全面にウリにしているメーカーもありますから、その機械を入れたら自ずととそういう宣伝になるかと思います。
しかし、「安い脱毛」「早い脱毛」「痛くない脱毛」はあくまで大手の脱毛サロンと同じ売り出し方だということを忘れないで下さい。
個人サロン様の中で、電車の中刷り広告に、芸能人を使って、常に広告を出しているサロン様はありますでしょうか?
私は見たことがありません。
個人サロンが大手サロンに広告費で勝つことは不可能です。
広告費の差の分、認知力も新規の集客力も弱く、ましてや大手のようなあって無いような値段での施術など、
広告費はもってのほか、サロンの維持費すらも賄えなくなります。
読者様の中で、大手を超えるくらい回転率を上げて、1日に何十人もの新規顧客を取っていける自信がある方がいましたら、大手サロンと同様の売り出し方は止めません。
しかし、大手サロンに勝てると思わない方は
「価格の安さ」「施術時間の速さ」「痛みの少なさ」をコンセプトにするのはやめるべきだと、確信しております。
それよりも、施術の内容、メニューの豊富さ、この店でしかできない施術など、
「施術を受けてみないと分からないような点」で勝負するべきだと、私はサロン様に説いています。
『サロンにとってのメリットはお客様にとってのデメリット』
これは、機械選びの段階からいえる話だと思います。既に脱毛を行っているサロン様、
これから脱毛機を導入しようと検討されている方は、どういった基準で機械を選ばれた(選んでいる)でしょうか?
ショットコストが安くスピードが速いから、痛くないから、本体価格が安いから…etc。
選択の理由は様々あるかと思います。
しかし、今あげた理由は全て、サロンのことしか考えておらず、お客様のことを殆ど考えていない機械選びと言えます。
それはなぜか。1つひとつ見ていきましょう。
①「ショットコストが安くスピードが速いから」
恐らく、最近多い1秒〇連射!といった連射脱毛機のことをいっているのだと思います。
そのような謳い方をしている機械は、確かに1ショット1ショットの価格は非常に安いです。
その額面だけで機械を決めるという人がいるというくらいです。
しかも、1秒に10回や20回照射する機械も最近では多くなり、その速さから全身脱毛10分!などという謳い方をするサロンも中にはあります。
しかし、お客様の立場に立ってみるといかがでしょうか?
連射機を使っていたお客様が弊社のルネッサンスに乗り換えて頂き、その時に聞いた話です。
「連射機はあまりに早すぎて、打ち漏れがあまりに多かった。
全身脱毛の時間が短いというウリよりもしっかり結果の出る丁寧な施術をしたほうが、お客さんがお客さんを紹介して頂く頻度も高くなった」
1秒10連射ということは、照射面の幅に合わせて0.1秒ごとに動かさないといけません。
言葉で言っても分かりづらいかもしれませんが、非常に難しいです。
その通りに動かせる人はまずいないです。確実に打ち漏れもしくは重ね打ちになります。
そうなると、光が当たっていない部分は抜けませんから、どんなに通っても満足のいく結果が得られなくなります。
結果的にはクレームに繋がり、リピートには繋がりにくくなります。
速すぎるが故に、自分が使いこなせない機械で施術をすることになってしまっているのです。
スピードが速いから回転率があげられる!というのは、サロンにとってはメリットともいえますが、
お客様にとってはせっかくお金を払ったにも関わらず満足のいく結果が得られない、デメリットとなってしまうのです。
②「全く痛くないから」
痛いから脱毛を続けられないお客さんのために、痛くない機械を入れました、これもよく聞く理由です。
しかし、全く痛くないという理由で機械を入れたサロンがどうなったかを話しましょう。
そのサロンは、リピートが取れない、新規はもっと取れないという理由で経営難に陥り、廃業に追いやられました。
なぜせっかく捕まえた新規顧客を、リピートに繋げられなかったのでしょうか。
それは「結果が出なかったから」です。
これは①の理由に繋がっています。1秒〇連射!をウリにしているサロンは、先ほども話した通り重ね打ちのリスクが高まります。
そのため、毛がしっかりと抜けるほどの出力を出してしまうと、火傷や肌の炎症などのトラブルに繋がります。
トラブルが多いと、メーカーの存続に繋がりますから、さすがにそこは安全面に走ります。
つまり、1発1発の出力を落とすのです。
出力が弱くなるとどうなるか。抜けが悪くなります。
脱毛初期はまばらになるでしょうが、毛が少なくなったり、細くなったりすると弱い出力では効果が出ません。
結果的に①と同じように、お客様からのクレームに繋がり、リピートや新規の紹介を頂くことが難しくなります。
「痛くない」というのは、一見リピートに繋がるように見え、サロンにとってはメリットな要素かと思えますが、
過度な痛みの少なさは、お客様にとってはデメリットでしかなく、結果的にそれはサロンにとってもデメリットです。
医療の脱毛を考えてください。
麻酔をしてでも、大きな出力の出るレーザーで脱毛をしています。
細胞が壊れるくらいの出力ですから、結果に関しては非常に満足のいくものになってます。
それと同じで、エステの美容ライト脱毛も、少なからずお客様が何かを感じるくらいでないと、熱がしっかりと伝わっているとは言えません。
少なくとも、そのお客様に感覚細胞がある限りは。
③「本体価格が安いから」
これはとても難しい問題だと思いますが、お客様のことを考えると大事なポイントです。
初期投資には限界がある!という方もいらっしゃいますので、難しい問題ですが、
本体の価格が安いという理由で脱毛機を決めることがどうしてお客様に対してデメリットなのか説明します。
例えば、自家用車を購入する場合と脱毛機を購入しサロンを開業する場合とを比較した時、値段だけで決めて問題ないのはどちらだと思いますか?
もちろん前者です。
自家用車は、自分で自分の為に使用するものですから、決め手は値段でもよいのです。
しかし脱毛機は通ってくださるお客様の為に購入するものですから、値段が決め手というのはお客様のことをあまり考えていません。
つまり、「誰が使うか」ではなく「誰のために使うのか」すなわちエンドユーザーが自分かそうでないかによって、選定基準は変えるべきなのです。
もう一つ例を出すと、自分が病気にかかり、手術を受けないと生きていけない状況にあるとします。
①1万円で成功確率1%の医師に手術を依頼する。
②100万円で成功確率99%の医師に手術を依頼する。
あなたなら①と②どちらを選びますか?
値段的に厳しくても、何とかして②を選ぶのではないでしょうか?
この場合、決め手は値段ではなく「医師の技術」ですね。命と引き換えに価格の安さを優先する方はいないでしょう。
この例はあまりにも極端な話ですが、お金をもらってお客様に施術をし、自分の生計を立てていく以上、
機械選びの決め手が「機械の金額だけ」だというのは、あまりに無責任な話かと思います。
金額は決め手のうちの一つに過ぎず、もっと大事なことがあるはずです。
例えば
「販売会社がどれだけ続き、どれだけ信用できるか」
「買った後のフォローの体制はどうか」
「機械の安全性はどうなっているか」といったことです。
会社の設立があまりに最近で、体制が整っていないと、フォロー体制もずさんになっている可能性があります。
フォローが満足にできていないと、万が一故障が起きた時など、代替機もすぐに届かず、お客様をキャンセルしなくてはなりません。
これは、サロンの利益の損失だけでなく、お客様からの信用の損失にも繋がります。
また、安全面には特に気を配るべきです。
どこで作られているか、それが見えてこない会社は正直危ないです。
海外製の機械を使って、火傷のトラブルが続出し、知らないうちに販売元の会社が無くなっていた、なんてこともあるこの業界だからこそ、
会社を見て、安全面を見て検討するべきなのです。
もちろん機械の価格が安いことは、サロンにとってはメリットです。
しかし、それだけで決めてしまう、というのは、機械のことは何も知らずサロンに来たお客様にとってデメリットでしかありません。
個人サロンの戦い方
いかがでしたでしょうか?
今回は、大手サロンと同じ戦い方で勝負しようとしているサロン様に向けて、2点お話しました。
「早い安い」「痛くない」は大手サロンのやり方。
では個人サロンはどうすればよいのでしょうか?
それは「1人1人に時間をかけて丁寧に、結果にコミットした施術」です。
結果にコミット、というとどこかで聞いたことがあるフレーズですが、個人サロンは大手サロンとは違うことをやるべきだと考えます。
「1日に何十人も施術し、結果が出なくてリピートに繋がらなかったらまた安い値段で新規をとればいい」
という考えではなく、
「1人の新規を絶対に逃さない、新規なんていらないくらいまでリピートを増やす!」
という思いで、1人1人のお客様に寄り添ってみて下さい。
新規顧客を全く取らないというのはさすがにダメかもしれません(人手が足りなくなるまでリピート客が増えたなら話は別です)が、
広告を出して新規を取るよりも、既存顧客を更に育て、そこからの紹介で新規顧客を獲得するほう簡単ですし、費用もかかりません。
個人サロンの顧客の割合は、『新規:リピート=3:7』がよいと思っています。
大手サロンのようなマニュアルに沿った施術、接客よりも、1人1人のお客様にそれぞれ違う接客、施術を行えることが個人サロンの強みです。
そして地域密着型のサロン、お客様の美しさの拠り所となっていくことこそ、個人サロンの役割だと思っています。
導入事例:ルネッサンスとの出会いをきっかけに1年前倒しで自宅サロンをオープン! 高い脱毛効果がお客様を呼び、物販売上にも貢献