更新日:2023.02.20

自宅サロン開業支援に役立つ補助金と助成金の違いや種類を解説

自宅サロン開業支援に役立つ補助金と助成金の違いや種類を解説

エステサロンの開業に補助金や助成金が出ることをご存知ですか?

本記事では、「費用を抑えてエステサロンを開業したい」「補助金を活用して開業したい」とお考えの方に向けて、自宅サロン開業支援に役立つ補助金と助成金の違いや種類を解説します。

「エステサロンを開業したいけど資金に余裕がない」「補助金や助成金について詳しく知りたい」という方は、ぜひ記事を参考にしてください。

自宅サロン開業にかかる資金はどれくらい?

サロンの開業を考えている方の中には、「自宅サロン開業にかかる資金はどれくらい?」と気になっている方は多いと思います。

自宅サロンの開業には、「初期費用」と「運転資金」の2種類の費用が必要です。

それぞれの費用について詳しく紹介します。

自宅サロン開業の初期費用【サロン別】

サロンの種類

開業費用(目安)

ネイルサロン

60万円〜

まつエクサロン

60万円〜

エステサロン

80万円〜

マッサージ・リラクゼーションサロン

50万円〜

ヘアサロン(美容室)・ヘアセットサロン

100万円〜

上の表に、自宅サロン開業の初期費用を種類別にまとめました。

内装・外装費は含まず、スタッフを雇わない場合の費用目安です。

ヘアサロンやエステサロンは最初に用意する設備が多いため、他の業種よりも開業費用が高額になりやすい特徴があります。

一方、ネイルサロンやマツエクサロンはベッドや机があれば開業できるため、60万円程度〜と比較的安価です。

自宅サロン開業の運転資金

自宅サロン開業の運転資金は、開業資金とは別で用意しなければなりません。

サロンが軌道に乗るまでの数ヶ月間は、売り上げが少ない状態で経営を行わなければなりません。

集客が安定するまでには、マーケティングが上手なサロンでも3ヶ月程度、一般的には半年〜1年程度かかるといわれています。

そのため、事前に運転資金を用意しておき、当面のサロン経営の費用に充てなければいけません。

運転資金は、営業経費(売上を得るのに必要な経費)の半年〜1年分を目安に用意しておくと良いでしょう。

自宅サロン開業支援に役立つ補助金・助成金とは?

「自宅サロン開業支援に役立つ補助金・助成金にはどんなものがある?」と気になっている方は多いでしょう。

  • 補助金と助成金の違い
  • 補助金と助成金は課税対象になる場合がある
  • 補助金・助成金を探すときのポイント

以上について詳しく説明します。

補助金・助成金制度を利用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

補助金と助成金の違い

 

補助金

助成金

返済義務

なし

なし

申請条件

あり

あり

選考

あり

なし

補助金と助成金の違いについて解説します。

サロンを開業するにあたり、「自分で用意した資金だけでは足りない」という方もいらっしゃるでしょう。

その場合は銀行の融資を受けたり、「補助金」や「助成金」といった公的な支援金を利用するのがオススメです。

補助金と助成金はどちらも返済が不要な支援金のことを指しますが、「選考があるかないか」という点で異なります。

補助金は申請に際し条件があり、かつ選考に通過しなければ受給できません。

一方で助成金は条件を満たしていれば選考を受けずに受給することが可能です。

どちらも返済義務はないため、条件を満たしていれば補助金と助成金の両方を申請するのがオススメです。

補助金と助成金は課税対象になることも

補助金と助成金はサロン開業にとって非常にありがたい制度ですが、場合によっては課税対象になることもあるため注意が必要です。

課税対象となる補助金・助成金を受給した場合、税制上では「サロンの収入」として計算され、翌年の支出が多くなってしまうことがあります。

補助金・助成金制度を活用する場合は、自分がもらう補助金・助成金が課税対象なのかを必ず確認しましょう。

詳細な計画を立てた上で申請を行わないと、翌年の税金が思いもよらない金額になってしまう可能性があります。

補助金・助成金を探すときのポイント

「補助金・助成金はどうやって探したらいいの?」と考える方に、補助金・助成金を探すときのポイントを紹介します。

インターネットで補助金・助成金について探すとたくさんの情報が出てきますが、中には過去の情報が書かれていたり、間違った内容が記載されているものもあります。

そこでオススメなのが、国や自治体が運営する中小企業向けの支援サイトです。

ミラサポplus経済産業省(中小企業庁)

J-Net21(支援情報ヘッドライン)(中小企業基盤整備機構)

上記はどちらも公的機関が運営しているサイトです。

最新の情報がわかりやすくまとめられているため、補助金や助成金について詳しく知らない方でも簡単に利用できます。

自宅サロン開業支援に役立つ補助金【4選】

自宅サロン開業支援に役立つ補助金を4つ紹介します。

  • 小規模事業者持続化補助金
  • ものづくり補助金
  • IT導入補助金
  • 事業再構築補助金

補助金には選考があるため支給までのハードルは高いものの、条件に合致するものがあれば積極的に応募するのがオススメです。

それぞれの補助金について詳しく説明します。

小規模事業者持続化補助金

 

条件

常時使用する従業員が、

・宿泊・娯楽業を除く商業・サービス業の場合は5人以下

・宿泊業・娯楽業、製造業・その他の場合は20人以下

対象

個人事業主・法人

補助率

3分の2

補助上限額

単独申請の場合は50万円、複数の事業者の共同事業による共同申請の場合は500万円

※「1事業者あたりの補助上限額50万円×連携する事業者数」が補助上限額(最大10者まで共同申請可能)

小規模事業者持続化補助金は日本商工会議所が行っている制度です。

小規模事業者が持続的に事業を発展させていくために用意されている制度で、従業員数が5人以下という制限があるため、開業初期の段階で利用しやすい補助金となっています。

申請期間が限られているため、期間内に申請を忘れないよう注意が必要です。

ものづくり補助金

 

条件

新サービス開発、新機材導入など

対象

個人事業主・法人

補助率

設備投資費用などの2分の1、あるいは3分の2

補助上限額

最大1,000万円

ものづくり補助金は、新商品や新サービス開発に際し、機材導入などの設備投資や開発環境の改善を目指す事業者を対象にした支援制度です。

すでに事業を開始した人が対象となるため、開業前に申請ができません。

サロン経営を進めていく中で、新機材や新サービスを導入する際に活用できる補助金です。

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IT導入補助金

 

条件

ITツールの導入

対象

中小企業・小規模事業者等

補助率

2分の1

補助上限額

30万円~最大450万円

IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する際に利用できる補助金です。

ITツールとは、パッケージソフトの本体費用、クラウドサービスの導入・初期費用等をさします。

会計ソフトや販売管理ソフトなどのパッケージソフトは、サロンの売り上げや経費を管理するのに役立ちます。

ITツールの導入を検討している方は、IT導入補助金をぜひ活用してみてください。

事業再構築補助金

条件

新型コロナウイルスの影響で売上が10%以上減少したこと

対象

中小企業者・中堅企業など

補助率

3分の2もしくは2分の1(通常枠・中小企業者の場合)

補助上限額

2000万円(通常枠・従業員数20人以下の場合)

事業再構築補助金は、新型コロナウィルスの影響により売上が減少した中小企業を対象とした補助金です。

2020年4月以降の連続する6か月間で、任意の3か月の合計売上高がコロナ禍以前3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している場合に利用できます。

サロン経営に事業転換する場合にも利用できるため、コロナの影響で業態の変更を検討している方にもオススメの補助金です。

自宅サロン開業支援に役立つ助成金【9選】

自宅サロン開業支援に役立つ助成金を9つ紹介します。

  • 創業助成金
  • 人材開発支援助成金
  • 地域雇用開発助成金
  • 業務改善助成金
  • キャリアアップ助成金
  • 両立支援助成金
  • トライアル助成金
  • 雇用調整助成金
  • 自治体の助成金

助成金は選考がなく、条件に合致すれば申請のみで支援を受けられるため、積極的に申請を検討するのがオススメです。

それぞれの補助金について詳しく説明します。

創業助成金

条件

これから起業する方・創業してから年数が短い中小企業

対象

これから起業予定の方・中小企業など

補助率

3分の2

補助上限額

300万円

創業助成金は、これから起業する方・創業してから年数が短い方に向けて用意されている助成金制度です。

助成金なので選考は不要ですが、実績報告や完了検査を行わなければなりません。

東京都では最短で6ヶ月・最長で2年かかるため、長期間にわたり実績を報告し続けなければならない場合もあります。

創業助成金の条件は各自治体で異なり、対象となる創業年数や業態なども異なります。

詳細については、開業を予定している場所の自治体に問い合わせてみましょう。

人材開発支援助成金

条件

・雇用保険と社会保険に加入している

・正社員を1人以上雇用している

・給料の未払いや遅延がない

対象

法人

補助率

30%〜45%

人材開発支援助成金は、雇用する労働者のキャリア形成を目的とした助成金です。

雇用しているスタッフが、スキルアップのために職業訓練を受けることで助成金を受け取ることができます。

コースは9つにわかれており、事業に関する専門的な知識・技能を身につけられるものから新たな分野の知識を学ぶものまで、幅広い分野の訓練を受けられます。

地域雇用開発助成金

地域雇用開発助成金は、政府が指定する特定地域での雇用拡大のために用意された助成金です。

この助成金は一回限りの給付ではなく3年間給付を受けられるため、安定したサロン運営を実現できる可能性があります。

対象となる地域は過疎地域や離島のほか、「同意雇用開発促進地域」という、求職者の総数に比べ求人が不足している地域も含まれています。

対象となる地域は厚生労働省のホームページから確認できるため、まずはサロンの開業を予定している地域が含まれているかどうか確認してみてください。

業務改善助成金

条件

・教育訓練・設備の設置

・事業所内最低賃金の引き上げ

・事業所内最低賃金と地域内最低賃金の差額が30円以内であること

対象

中小企業・小規模事業者

補助率

3分の4、4分の5、9分の10(賃金引上率による)

補助上限額

600万円

業務改善助成金は、生産性向上のために教育訓練・設備の設置を行い、事業所内の最低賃金を一定額以上引き上げた場合に助成金が受け取れる制度です。

補助金の額は、最低賃金を「何人引き上げたか」「何円引き上げたか」「事業所の規模」によって異なるため、詳しくは厚労省のページを確認してみてください。

キャリアアップ助成金

条件

非正規雇用の労働者の正社員化、処遇改善の取組みなど

補助額

正社員化コース:最大57万円

賃金規定等改定コース:1人当たり最大4万円

賃金規定等共通化コース:最大57万円

賞与・退職金制度導入コース:最大38万円

選択的適用拡大導入時処遇改善コース:最大19万円

短時間労働者労働時間延長コース:1人当たり最大22万5000円

補助上限額

57万円

キャリアアップ助成金は、アルバイトや派遣社員などの非正規雇用の従業員を正社員として雇用するための取り組みをした場合に助成金が受け取れる制度です。

コースによって助成される金額が異なり、条件が細かいため、詳細は厚労省のホームページで確認してみてください。

両立支援助成金

条件

対象となる従業員がすでに働いていること

補助額

・出生時両立支援コース:20万円

・育児休業等支援コース:28.5万円

・介護離職防止支援コース:28.5万円

・不妊治療両立支援コース:28.5万円

両立支援助成金は、従業員が育児・介護と仕事を両立しながら働けるように支援することで得られる助成金です。

助成金を得るためには、「職場環境の整備」と「就業規則の整備」という2つの条件があり、仕事と育児・介護等を両立できるように適切な環境づくりを行う必要があります。

トライアル助成金

条件

安定して就職することが困難な求職者を、ハローワークなどを通して一定期間トライアル雇用すること

対象

・シングルマザー・シングルファーザー

・生活保護受給者

・ニートやフリーター

・2年以内に2回以上離職や転職を繰り返している人

など

補助額

支給対象者1人につき月額4〜5万円

トライアル雇用助成金は、安定して就職することが困難な求職者を、ハローワークなどを通して一定期間トライアル雇用した場合に助成金が受け取れる制度です。

ハローワークや職業紹介事業者などを通じて、対象者を3ヶ月以上雇用することで助成金が受け取れます。

トライアル雇用ではありますが、対象者は現在雇用している従業員と同じ時間労働する必要があります。

基本的には支給対象者1人につき月額4万円が支給されますが、対象者がシングルマザー・シングルファーザーの場合は月額5万円が支給されます。

雇用調整助成金

条件

新型コロナウイルスの影響または経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、雇用調整(休業)を実施すること

対象

雇用調整(休業)を実施する事業主

補助額

(平均賃金額× 休業手当等の支払率)× 助成率(※厚労省HP参照)

補助上限額

15,000円(1人1日あたり)

雇用調整助成金とは、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を図るために雇用調整(休業)を実施する事業主に対して、休業手当などの一部を助成するものです。

新型コロナウイルスの影響で特例が追加されており、新型コロナウイルスの影響で事業活動を縮小せざるを得ない場合でも対象となる可能性があります。

開業初期から利用できるものではないため注意が必要ですが、従業員を1人でも雇う場合は頭に入れておくようにしましょう。

自治体の助成金

自治体の助成金は、各自治体が独自で行っている助成金制度です。

前述の8つの助成金は厚労省が行っている制度ですが、自治体によってはさらに手厚い助成金制度を設けている場合もあります。

例えば東京都では、フレックスタイム制や時短勤務制度を採用することで助成金が受け取れる「働き方改革助成金」という制度が設けられています。

自治体によって制度の内容や条件が異なるため、開業する地域の制度を調べてみてください。

開業資金を集める方法

「銀行からの融資」「補助金」「助成金」以外にも、開業資金を集める方法は多数存在します。

  • クラウドファンディングで支援を受ける
  • 日本政策金融公庫から融資を受ける
  • 信用保証協会から融資を受ける

ここからは、以上の3つの方法について詳しく解説していきます。

クラウドファンディングで支援を受ける

一つ目は、クラウドファンディングで支援を受ける方法です。

クラウドファンディングとは、理念や夢に共感した人々から資金の提供を募って資金を集める方法です。

条件はありませんが、「夢への熱い思い」「絶対にサロンをオープンさせたいという気持ち」が表現できないと資金は集められません。

支援者には「リターン」というお礼を返すことができるため、サロンの利用権や割引券を配布して顧客を増やすことも可能です。

クラウドファンディングを利用するには、支援者と事業者をつなぐ「クラウドファンディングサイト」を利用するのがオススメです。

日本政策金融公庫から融資を受ける

二つ目は日本政策金融公庫から融資を受ける方法です。

助成金や補助金と異なり、「融資」は返済が義務付けられています。

銀行から融資が受けられない方でも日本政策金融公庫からは融資が受けられるケースが多く、利用者が増えています。

利率は2.16%〜2.55%程度、返済期間は10年以内で設定されることが多く、個人事業主であれば平均1000万円程度を借り入れることが多いようです。

融資を受けるには「相談」「申込」「面談」「審査」など少々手順が多いものの、できるだけ開業資金を確保したいという方にはオススメの方法です。

信用保証協会から融資を受ける

三つ目は信用保証協会から融資を受ける方法で、別名「制度融資」とも呼ばれています。

制度融資は各地方自治体が行っている融資あっせんで、中小企業や個人事業主の方のサポートを目的としています。

信用保証協会は、これから開業する方や中小企業者などが借り入れを行う際に保証人の代わりを担ってくれます。

信用保証協会は都道府県ごとに設置されているため、制度の利用を希望する場合は開業予定の都道府県の信用保証協会に問い合わせてみましょう。

まとめ

本記事では、自宅サロン開業支援に役立つ補助金と助成金の違いや種類を解説しました。

補助金や助成金にはさまざまな種類があり、どれを申請したら良いか迷ってしまうことと思います。

少しでも多く開業資金を用意するためには、条件に合致する補助金・助成金があれば積極的に申請を検討するのがオススメです。

なかには課税対象になる補助金・助成金も存在するため、きちんと計画を立てた上で申請を行うようにしましょう。

「サロン開業のために資金を集めたい」「補助金・助成金を利用したい」とお考えの方は、ぜひ記事を参考にしてみてください。

このコラムの執筆者

株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
コンフォートジャパンのコラム編集担当です。
美容業界で長く美容機器メーカーとして存続しているコンフォートジャパンが、皆様のお声に応えるべく、脱毛関連はもちろんのこと、サロン運営に役立つ情報を発信していきます。