THR脱毛機と他の機種の比較ポイント|導入検討しているサロンの特徴について解説

THR脱毛機と他の機種の比較ポイント|導入検討しているサロンの特徴について解説

脱毛にはさまざまな種類があり、脱毛サロンで施術できる光脱毛だけでもIPL、SHR、NPL・SSCなど多様な脱毛方法が開発されています。

なかでも比較的新しく開発されたTHR方式脱毛は、従来の光脱毛と脱毛の仕組みやダメージを与える領域が異なることから競合店との差別化ポイントとして導入を検討するサロンも増えています。

本記事では、THR脱毛機を他機種と比べた際の違いやTHR脱毛のメリット・デメリットを解説します。

THR脱毛機と他の機器との比較ポイント

THR方式の脱毛は、一般的に多く導入されているIPL方式の脱毛とは仕組みが大きく異なります。

仕組みが異なるということは脱毛機そのものの機材スペックも当然異なってきますので、サロン経営では無視できない光熱費・ランニングコストの点でも差が出てきます。

光熱費やランニングコストを比較

THR方式脱毛を採用した機材では、光の広範囲な連続照射が可能となり施術時間も短縮できます。

そのため、光熱費・メンテナンスにかかる保守費用などのランニングコストの面では他の脱毛機に比べて費用を抑えることができます。

具体的な費用は導入する機材によっても変わりますが、一般的な光脱毛の機材と比べると光熱費も数分の1にまで抑えられるといわれています。

お客様にとっても効率的に1回の施術を受けることができるので、効率よく脱毛ができる点がメリットとして挙げられます。

またサロン側としては同じ時間で施術できるお客様の人数が増えるため回転率もあがり、売上アップにもつながります。

THR脱毛の効果

THR方式脱毛とはThermo Heart Removerの略で、肌の表面に微弱な熱をあてて内部にあるバルジ領域(発毛を促す組織)に働きかける脱毛方式です。

一般的な光脱毛は毛周期という肌に毛が生えるサイクルにあわせて施術をするのですが、バルジ領域にダメージを与えるTHR方式脱毛であれば毛周期に関係なく発毛組織にアプローチできます。

そのため、従来のIPL方式脱毛などは1〜2ヶ月間隔でのサロン通いが必要だったところを、THR脱毛であれば最短2週間〜1ヶ月程度の短い周期で脱毛を受けることも可能です。

THR脱毛はIPL脱毛や医療用のレーザー脱毛と比べると微弱な刺激をあてて脱毛する仕組みですので、脱毛効果の表れかたにも個人差があります。

また施術したい部位によっても効果の実感しやすさが異なる点が特徴です。

関連記事:THR脱毛とは?光脱毛や医療レーザー脱毛との違いとメリット・デメリットについてを解説

THR脱毛のメリット

THR方式脱毛は従来の脱毛のデメリットを補えるとして人気の脱毛方式です。

特に脱毛に対して「施術は痛くてつらい」「肌が弱いから荒れてしまうのではないか」といった不安を抱いている方にも、安心して利用できる点が大きなメリットといえます。

ここではTHR方式脱毛のメリットを解説します。

施術時に感じる痛みが弱い

THR方式の脱毛はIPL脱毛などに比べて痛みを感じにくいことが大きな特徴です。

これは赤外線領域に近い波長の弱い熱を肌全体に浸透させるというTHR脱毛独自の仕組みによるもので、痛みを抑えつつ効果を感じられる脱毛方式としてTHR脱毛は非常に注目されています。

一般的にVIOなどの毛が濃く密集している部位・皮膚が薄い部位は痛みを感じやすいとされていますが、THR脱毛ではそのような部位でも「ほとんど痛みを感じない」と話すお客様も多いです。

THR脱毛を導入していることをアピールできれば、過去に医療脱毛・ニードル脱毛・IPL脱毛等を経験し「痛くて通うのをやめてしまった」というお客様に対しても脱毛の再開を検討するきっかけが作れることになります。

ケアが楽

熱破壊式を採用していた従来の脱毛機は肌へのダメージも大きく、火傷や肌トラブルを防ぐために施術後には保冷剤やジェルで冷やすといったケアが必要なことも多くありました。

しかしTHR方式の脱毛機の多くは冷却機能が搭載されているため、基本的に施術後の保冷ケアは不要です。

従来の脱毛で肌を冷やしていたのは痛みを緩和する目的もありましたが、THR方式脱毛であればそもそも痛みを感じにくいので脱毛機に搭載された冷却機能だけでも施術後のケアとしては十分といえます。

子どもも使える

痛みを感じにくく肌への負担が少ないTHR方式脱毛は、皮膚層の薄い子どもでも利用できます。

近年キッズ脱毛も需要が高まりつつありますが、多くの脱毛機は肌トラブルのリスクが高い等の理由で子どもへの照射ができないことが多いです。

THR方式の脱毛であれば安全性も高く、安心して子どもにも使用できることから「習いごとで肌の見え方が気になる」「学校の着替えで毛深いと思われたくない」といった思春期のデリケートな肌の悩みにも応えることができます。

産毛にも対応している

産毛にも対応できるのがTHR方式脱毛のメリットのひとつです。

IPL方式脱毛などの従来の脱毛機では肌のメラニン色素に反応する仕組みをとっているため、太い毛・濃い毛に効果を発揮しやすい反面、産毛への効果が期待されにくいことがデメリットとなっていました。

THR方式脱毛であればバルジ領域をターゲットにしているので毛の濃さや太さにかかわらず発毛を抑制する仕組みですので、産毛の脱毛にも対応できます。

「効率よく毛質にかかわらず全身脱毛をしたい」というお客様にとっては、THR脱毛は魅力的に映る可能性が高いといえます。

美肌効果がある

赤外線のサーモヒート効果で肌のターンオーバー(肌の細胞の代謝、生まれ変わりのこと)が促進され、美肌効果も期待できます。

美容エステサロンなどでは遠赤外線を利用したドームなどの機材を利用して身体を保温する施術がありますが、THR脱毛でも遠赤外線の波長を肌に照射しています。

これによりサーモヒート効果が生まれ、肌のターンオーバーを促進することにつながります。

なお、脱毛で得られる美容効果はTHR脱毛の他にも、医療脱毛のレーザーでは肌の引き締め効果・SSC脱毛ではジェルの保湿効果などが期待できます。

THR脱毛のデメリット

メリットの多いTHR方式脱毛ですが、当然デメリットもあります。

蓄熱式脱毛の仕組み上、他の脱毛方法とは異なるデメリットがいくつか見られることが特徴ですが、具体的にどのようなデメリットがあるのか解説します。

照射時の反応が悪い

ダメージが少なく肌に優しいのが特徴な反面、照射後に変化を感じにくい(=反応が悪い)といえます。

THR脱毛そのものがバルジ領域に刺激を与えることで発毛を抑制する仕組みですので、照射後すぐに毛が抜けるようなわかりやすい反応が見られません。

そのため「効果をすぐに実感したい」「本当に脱毛できているか不安」といったお客様にとっては物足りなく感じてしまう可能性があります。

部位によっては照射反応が悪い

THR方式の脱毛は蓄熱式脱毛に分類され、照射によって生じる熱をバルジ領域に蓄えてダメージを与えます。

脱毛効果を感じられるまでに回数が必要なのはもちろんですが、部位によっては効果を感じにくい場合もあります。

産毛に効果を発揮しやすい特徴の反面、太く濃い毛は発毛を促す組織も頑固でなかなかダメージを与えにくかったりと、脱毛の効果や反応が見られるまでに時間や回数がかかる可能性があります。

白髪への脱毛に対応していない

産毛にも濃い毛にも対応できるTHR方式脱毛ですが、白髪には効果を発揮できません。

THR脱毛に限らず、基本的に光脱毛には肌のメラニン色素が光に反応して肌の内部に熱を発生させる仕組みです。

白髪にはこのメラニンがほとんど含まれていないため光の照射でも熱が発生せず脱毛できないのです。

白髪を脱毛したい場合は、ニードル脱毛が唯一の手段です。

永久脱毛はできない

THR脱毛を含むすべての光脱毛では、永久脱毛はできません。

とはいえ光脱毛でも継続的に施術し正しくホームケアを続けることで永久脱毛に近い効果を実感することができる方も多くいます。

永久脱毛にはいくつかの定義がありますが、おおまかに表現すると「高い減毛率を長期間にわたって維持できる脱毛」のことを指します。

医療レーザー脱毛・ニードル脱毛は永久脱毛に分類されます。

一方、脱毛サロンでは一般的にレーザー脱毛よりも弱い光を使用する光脱毛を導入しており、光脱毛は永久脱毛には分類されていません。

永久脱毛は初毛細胞そのものを破壊することで物理的に毛を生えなくさせますが、光脱毛で使用する光には発毛細胞を破壊するだけの威力はなく「毛が生えにくい状態」にする効果をもっています。

定義の違いや効果実感の程度から永久脱毛にこだわる方には、THR脱毛は向いていないといえます。

導入しているサロンが少ない

長らく光脱毛の主流であったIPL脱毛はその歴史も長く、多くの脱毛サロンが導入しています。

しかしTHR方式脱毛はこれまでの光脱毛の仕組みとは異なる理論で新たに開発された脱毛手法ですので、導入している脱毛サロンはそこまで多くありません。

導入サロンが少ないことは効果を示す実績や施術ノウハウが不足していることが直接的なデメリットになるともいえます。

またTHR脱毛を考えているお客様にとっては、導入サロンを探すことが難しくなる可能性があります。

確認しておきたい機能

THR方式の脱毛機を導入するにあたっては、他の脱毛機と比べて機能上の違いや特徴を確認しておくことをおすすめします。

機能の特徴をおさえておくことでお客様へのアピールや差別化ポイントになりますので、導入前に確認しておきましょう。

メンズ脱毛/子ども脱毛の機能

THR脱毛は従来の光脱毛に比べて肌への負担がかかりにくく安全性の高い脱毛方式です。

脱毛はこれまで女性を主なターゲットとして展開・施術されてきましたが、近年メンズ向け・子ども向けの脱毛も注目され需要が高まっています。

男性の脱毛需要はヒゲが中心なので顔まわりを施術すること、キッズ脱毛は大人よりも皮膚の薄い敏感な肌へ施術することから「痛み」「安全面」への配慮の有無は重要なアピールポイントです。

照射レベルの調整を適切におこなえば従来の脱毛機でも可能な場合もありますが、設定ミスがあるとヤケドなどお客様の肌トラブルに繋がりかねません。

たとえば同じ機械でも女性向け・男性向け・キッズ向けなど、対象部位や対象の性別・年齢層にあわせた専用モードや専用フィルター機能が搭載されていることが理想的です。

冷却機能

冷却機能は痛みの緩和や肌へのダメージを軽減させる効果がありますが、特に初めての脱毛を経験されるお客様にとっては「冷却機能がある」ことそのものが安心材料にもなります。

脱毛機には冷却機能を搭載したものが多いですが、照射と冷却が同時にできるICE技術・アイスプレートを使った冷却などいくつかの種類があります。

事前に、冷却温度が低すぎることで「肌への負担がかかりすぎるものでないか」などの確認は必要です。

脱毛以外の機能

業務用脱毛機のなかには、脱毛機能以外の機能を搭載したものもあります。

フェイシャルケア機能やバストケア機能・ニキビケア機能などが代表的で、脱毛以外にもそれらの機能を専用に使用できるフィルターやモードがある場合もあります。

こうした付帯機能により、サロンの美容メニューの幅を広げることでお客様に魅力をアピールでき他店との差別化にも繋げることができます。

導入しているサロンの特徴

新しい脱毛方式として知られるTHR方式脱毛ですが、既にTHR方式の業務用脱毛機を導入している脱毛サロンはどのような利点から導入を決めたのでしょうか。

最後に導入サロンの特徴を整理して解説します。

毛質に対してモード設定を活用したい

従来の光脱毛ではアプローチが難しかった産毛にも対応できるTHR方式脱毛では、毛質によって照射モードの設定を変更することで産毛・濃い毛のいずれにも効果的に照射できます。

最近では特に全身脱毛を希望するお客様も多いため、1台で広範囲の部位を脱毛できるのはTHR脱毛機の特徴ともいえます。

またモード設定は毛質だけでなくキッズ向け脱毛・メンズ向け脱毛など、施術を受ける人によって変えることができる場合もあります。

このように毛質や客層にあわせて柔軟にモード設定ができることから、THR脱毛機を選ぶサロンも多いようです。

短い施術時間で脱毛をしたい

短い施術時間で脱毛し店舗の回転率を上げたいと考えている脱毛サロンも、THR方式脱毛を採用しています。

THR方式脱毛は赤外線領域を多く含んだ光を採用しており、光の浸透力が高く安定して広範囲に連続照射できる点が従来の光脱毛と比べて性能の面で大きな違いです。

従来の光脱毛ではショット式の照射で1回ずつ光をあてては照射部位をずらしていく施術でしたが、THR脱毛であれば肌の上をなめらかに滑らせるだけで照射できるのでより短い時間で広範囲を施術できるようになりました。

なお、短時間で施術を終えられることはお客様にとってもメリットとして考えられます。

あて漏れ・ムラを防止したい

THR方式脱毛は光を分割せず、常に新しい高出力の光を高速連射します。

1秒間に6回の光が当たり続けており絶え間なく照射が可能なため、経験の浅いエステティシャンが施術したとしても光のあて漏れやムラが生じにくいといえます。

従来の光脱毛では照射を続けると光の威力が徐々に落ちてきたり、その都度照射するため熟達したエステティシャンであっても打ち漏れが発生することがありました。

施術者(エステティシャン)の技術・ノウハウによらず効率的・効果的に照射できる点を評価してTHR方式の脱毛機を導入するサロンも多いです。

まとめ

THR脱毛は従来の光脱毛と異なる脱毛の仕組みを利用した、次世代の蓄熱式脱毛として注目されています。

「太い毛も産毛もくまなく脱毛したい」と考える女性のお客様やヒゲを中心に脱毛を検討する男性のお客様、さらには子どものうちから脱毛を検討するなど、多様化するお客様のニーズに対応できるのはTHR脱毛の最大の特徴です。

施術者の技術力にとらわれない安全性と効果の高さが魅力に感じられたら、THR方式の脱毛機の導入を検討することをおすすめします。

このコラムの執筆者

株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
コンフォートジャパンのコラム編集担当です。
美容業界で長く美容機器メーカーとして存続しているコンフォートジャパンが、皆様のお声に応えるべく、脱毛関連はもちろんのこと、サロン運営に役立つ情報を発信していきます。