業務用脱毛機の安全性の調べ方とチェックポイントについて解説
業務用脱毛機には様々な種類がありますが、「何を基準に選べばいいのかわからない」「相場がわからない」など迷ってしまうでしょう。
性能の低い脱毛機を選んでしまうと、肌トラブルを起こしてしまうリスクや、脱毛機器の故障は避けられません。
リスクを減らして安全性の高い脱毛機を選ぶことがポイントです。
本記事では業務用脱毛機の選び方について、安全性をチェックするポイントをご紹介します。
業務用脱毛機を導入するメリットや相場
業務用脱毛機は家庭用脱毛器よりも出力が高いため、短い期間で高い脱毛効果が期待できます。
効率的に脱毛効果を上げられるのが導入するメリットであり、スピーディーな脱毛が受けられるのはお客様にとってもメリットです。
最近ではキッズ脱毛やシニア脱毛、メンズ脱毛など脱毛を受けるユーザーの幅も広がっているため、これからも需要が高くなると見込まれるでしょう。
そのため、脱毛メニューのなかったエステサロンでも、業務用脱毛機の導入を検討しているところは増えています。
業務用脱毛機の価格相場は約100〜500万円程度です。
搭載されている機能や脱毛方法、アフターサービスなどによって価格帯は変わるので、脱毛機器選びには十分な注意が必要です。
業務用脱毛機は安いものはダメ?脱毛トラブルに注意!
サロン開業で一番高い出費は業務用脱毛機になるかと思います。
そのため、少しでも初期費用を抑えようと安い業務用脱毛機を選んでしまいそうですが、安さと引き換えにリスクがあります。
ご紹介するチェックポイントに注意しながら脱毛機器を選んでください。
脱毛トラブルの発生件数
「国民生活センター」では脱毛施術による危害件数を公表しています。
危害の多くは脱毛を受けた後にヤケド・痛み・ヒリヒリしたという身体症状で、サロン脱毛での発生は5年間で680件の相談が寄せられました。
医療機関でのレーザー脱毛は、医師が在中しているため肌トラブルが起きたとしてもすぐに処置してもらえます。
一方サロンでの脱毛は肌トラブルが起きても医療的な対処ができず、医療機関で診察を受けてもらうためトラブルとしての件数を高めてしまうのです。
医療機関で扱う医療レーザー脱毛機は医療器となるため、扱えるのが医療機関であることや医師や看護師などが施術をするなど制限がありますが、サロンでの光脱毛は制限がありません。
そのため、光脱毛の業務用脱毛機はどんな脱毛機器でも販売でき、購入できてしまうのが現状です。
安く性能の低い脱毛機は照射レベルが調整できないなどのトラブルを起こす可能性が高まりやすくなるため注意が必要です。
価格の安い業務用脱毛機に注意
業務用脱毛機器の相場は約100〜500万円で、エステサロンで使われる痩身機器が100〜300万円、美容機器が5〜40万円程度のため、脱毛の初期費用は高額になってしまいます。
少しでも費用を抑えようと通販サイトやフリマアプリの中古品など、安い脱毛機器を検討しますが、安さだけで脱毛機器を選ぶのは危険です。
脱毛機器はお客様の肌に直接触れるもので、熱を照射するためヤケドなどのリスクが起こることがあるからです。
こういったトラブルはスタッフの技術不足ではなく、出力調整や安全装置の不具合、冷却機能の不備など脱毛機器自体のトラブルが原因と考えられます。
お客様にヤケドを負わせてしまったり、クレームになってしまうと閉店に追い込まれるなどの危険性があるため、安さだけを重視した脱毛機器選びはやめましょう。
業務用脱毛機の安全性を調べよう
脱毛にはリスクがあるため、昔から脱毛サロンでのクレームやトラブルはあります。
メーカーではスタッフが安全に操作できるよう、安全面に考慮した脱毛機の開発を行っています。
脱毛機を選ぶ際や、導入時には安全性に対してどのような取り組みをしているのかチェックしましょう。
業務用脱毛機は性能面だけでなく、国や国際的に認められた安全基準があります。そういった機関から認証を受けているものでしたら安全性が高いといえるでしょう。
業務用脱毛機の安全性の調べ方は?シールや刻印・製品概要をチェック
安全性の基準となる認証制度があります。
厳しい基準を設け審査を通過した製品のみが認められているため、業務用脱毛機を選ぶ際の基準になるでしょう。
業務用脱毛機において代表的な安全基準、認証制度を見ていきましょう。
業務用脱毛機の安全性の調べ方
国内や国際的な安全基準をクリアしているか3つの規格をチェックしましょう。
- ISO
- JIS
- PSE
『ISO』とは、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関で、「 International Organization for Standardization(国際標準化機構)」の略です。
世界共通で同じ品質、同じレベルのものを提供するため、国際的に通用する企画を制定しています。
ISOが制定した規格をISO規格といい、国際的な基準をとなっています。
『JIS』がJISマークとして表示されているのを見たことがある方は多いでしょう。
国に登録された機関から認証を受けた事業者だけが、認証を受けた鉱工業品等に対して表示できるマークです。
JISマークは安全・安心の確保に大きく寄与しているため、マークのある業務用脱毛機器は安全性が高いといえます。
『PSE』は電気用品安全法の「Product+Safety+Electrical appliance & materials」の略で、民生用電気製品が対象となる安全規格です。
日本国内での電化製品が原因の火災や感電などから消費者を守るために作られた法律です。
この法律によって輸入業者やメーカーは、消費者が区別できるよう適合製品にPSEマークをつけて販売することを義務付けられています。
日本エステティック振興協議会の基準をクリアしている
『日本エステティック振興協議会(JEPA)』の認証を取得しているか確認が重要です。
民間の認証機関もありますが、日本エステティック振興協議会は国の省庁から指導を受けている認証機関です。
国が定めた法律に則った審査が行われ、国の基準を満たした業務用脱毛なので、安全性に優れた脱毛機器といえます。
適合審査項目は4つあります。
- 性能試験審査・・・気候条件や振動、衝撃、傾斜の確認や機器の温度上昇を抑制する冷却装置が搭載されているか確認する審査
- 安全機能審査・・・緊急停止装置やダブルアクション制御の確認、ハンドピースの仕様を確認する審査
- 光測定審査・・・照射時の光の出力や波長、照射間隔が制限値以内か確認する審査
- 電気安全試験審査・・・漏えい電流や絶縁体力の測定など行い、電気用品安全法、JISの試験レベルに適用されているか確認
適合証明を取得してからは3年ごとに審査が行われます。
審査に合格している機器には適合シールが貼られ、適合証明番号が書かれているので、脱毛機器を見ればわかります。
日本エステティック機構の基準をクリアしている
『日本エステティック機構(JEO)』の基準をクリアしているか確認します。
日本エステティック機構では、消費者が安心して施術を受けられるよう、エステティシャンがサロンで使用する機器に関する安全性を確保することを目的としてた機関です。
共通規格と個別規格を定めて認定試験機関で製品試験を行っています。
適合審査内容は3つの項目で審査しています。
- 仕様・ラベル審査・・・光源、パルスの種類や保守点検についての取扱説明書記載の有無、及び表示ラベルの貼付の有無などについて審査
- 光測定審査・・・試験機関において実際の試験製品を使用し、最大フルエンス、紫外線漏れ、電源電圧変動について審査
- 電気安全試験・・・試験機関において実際の試験製品を使用し、漏れ電流、絶縁耐力、静電気放電イミュニティ、サージイミュニティについて審査
合格した製品にのみ「機器認証マーク」が貼られています。
業務用脱毛機の安全性をチェックするポイント
業務用脱毛機は直接お客様の肌に触れ、高温の熱を照射するため安全性の高い機器を選ぶことが重要です。
安全性に問題がなければ施術によるトラブルを回避することもできます。
お客様に安心して脱毛を受けていただくためにも、脱毛機器選びで安全性をチェックするポイントについてみていきましょう。
臨床実験のレポートを公開している
脱毛機メーカーでは、販売前に実際に人に脱毛をして実験をする臨床テストを行っています。
照射時の強さや痛み、脱毛効果などのデータを取る必要があるため、安全性の高い脱毛機器ではテストを行ってレポートを公開しています。
レポート結果はそのままお客様へのアプローチとしても使え、導入時のメニュー設定にも役立つので、レポートの有無は確認が大切です。
保証制度の内容を確認する
業務用機器は精密機器でもあるため故障する可能性があります。
故障した場合の保証制度の内容は事前に確認し、万が一に備えていると安心です。
保証期間や故障した時の連絡先、対応している時間帯や代替品を輸送してもらえるかなど、細かく確認しておきましょう。
脱毛機の故障は施術ができないということなので、予約や営業を止めるため売り上げにもダメージを与えてしまいます。
また、脱毛機自体の保険にも加入しておきましょう。サロン内でのお客様に対しての保険に加入することは多いですが、脱毛機自体の保険に入るのを忘れているケースは多いです。
保険が付帯されている脱毛機もあるため、保証制度と一緒に保険内容も確認しておくことがポイントです。
研修や教育のサポートの有無
脱毛機器は購入したら終わりではなく、導入時の研修やサポート体制が整っているのかもチェックしましょう。
導入時の研修制度はメーカー担当者にその場で操作方法が確認でき、スタッフ全員で受けられるメリットがあります。
導入後に分からないことがあっても、そのたび担当者に連絡をして確認する手間が不要となるので、機械操作が苦手など不安のある場合は研修付きのメーカーを選ぶことがおすすめです。
導入後も定期的に研修を行っていたり、サロン経営のサポートを行っているところもあります。
初めてのサロン経営だったり、脱毛メニューの展開のやり方に不安があっても、サポートがあれば相談できるため心強いです。
お客様へのアプローチ方法やカウンセリング研修など種類も多いため、脱毛機器だけでなく経営面などのフォロー体制も充実していると望ましいでしょう。
冷却機能を搭載している
脱毛サロンやエステサロンで受けられる光脱毛は、発毛組織に反応する光を照射して熱によってダメージを与えます。そのため、少なからず痛みを伴い肌に負担をかけてしまうことがあります。
痛みや肌へのダメージを最小限に抑えるためには、脱毛前後にしっかり冷却することが大切です。
照射時に肌を冷却することで瞬間的に肌表面が麻痺している状態になるため、痛みの感じ方を鈍らせます。
肌内部に熱がこもっている状態でも、しっかり冷却をすれば肌の状態を落ち着かせることができるため、肌トラブルのリスクを減らすことが可能です。
照射前に冷却ジェルや保冷剤で冷却する方法もありますが、脱毛機器自体に冷却機能が搭載されていれば施術時間の短縮にもつながります。
お客様も快適に脱毛が受けられるため、冷却機能が搭載されている機器を選ぶといいでしょう。
日本製は安全性の高い製品が多い
日本製の脱毛機器は海外製の機器に比べて安全性の高い製品が多いです。
国内で製造されていれば故障時の対応も早く、代替機の輸送や修理が迅速に行われるので、営業を止める心配も少なくなります。
しかし、中には日本製と謳っていても、部品は海外製で最終的に日本で組み立てているものもあります。そういった場合、万が一故障した時に部品の到着や修理が遅くなることが考えられます。
部品の製造や組み立てはどこで行わているかも確認しておくと安心です。
サロン向け業務用脱毛機の種類|肌に優しい脱毛機は?
サロンで使用できる脱毛機器には様々な種類があります。
サロン導入例が多い業務用脱毛機器を10選ご紹介します。
本体価格や1ショットの価格など、選ぶ上での参考にしてください。
サロン向け業務用脱毛機の種類【一覧】
脱毛機器 | 本体価格 | 1ショットの価格 | 脱毛方式 | アフターサービス・サポート |
epi Move(エピムーヴ) | 250万円 | 0.24円 | IPL/SHR | 研修が何度も受けられる |
CUBE DUO-PRO(キューブデュオプロ) | 198万円 | 0.46円 | IPL式 | 故障の場合、当日に代替機を発送 |
STRIKE(ストライク) | 月額64,100円~ | 0.099円 | IPL/SHR式 | ・故障の場合、即日代替機を発送 ・2年間の保証期間 ・経営サポート付き |
CLEAR/SP-ef(クリアエスピーエフ) | 208万円 | 0.18円 | THR式 | 施術賠償保証付き |
BYMACH(バイマッハ) | 437.8万円 | 0.2円 | IPL/SHR式 | 永久コンサル付き |
Masterlight(マスターライト) | 490万円 | 0.56円 | IPL式 | 月1回の無料セミナー |
OLTRE DUE(オルトレドゥエ) | 198万円 | - | IPL/SHR式 | 販売促進をサポート |
ヘリオス | 143万円 | 0.4円 | IPL/SHR式 | トラブル時は48時間以内に対応 |
LUMIX-A9(ルミクス・エーナイン) | 350万円 | 0.6円 | SHR式 | 経営サポート |
エピアスV | 450万円 | 1円 | IPL式 | インストラクターによるサポート |
SSC式脱毛機は肌に優しくヤケドのリスクが低い
脱毛サロンやエステサロンで扱える脱毛機器の脱毛方式はおもに4種類あります。
- IPL
- SHR
- THR
- SSC
それぞれの脱毛方法は発毛組織へのアプローチが違うため、脱毛効果や対応している毛質・肌質は異なります。
脱毛は熱を与えるので少なからず肌へ負担をかけてしまいますが、SSC脱毛は照射熱が低いため肌に優しく、リスクの少ない脱毛が可能です。
SSC脱毛は、Smooth Skin Control(スムース・スキン・コントロール)の略で、抑毛成分が含まれたジェルを塗布し、上からクリプトンライトという光を照射して脱毛します。
光を照射したことでジェルに含まれているビーンズが弾け、抑毛成分が肌内部に浸透して発毛の働きを弱めていきます。
熱によって発毛組織にダメージを与える方法ではないため、痛みをほとんど感じず、毛周期に関係なく通えるのも特徴です。
ジェルには美肌成分も配合されているため、脱毛と同時に美肌ケアもできます。
まとめ
業務用脱毛機を購入する際に、チェックしたい安全性のポイントについてご紹介しました。
業務用脱毛機は約100〜500万円する高額なものなので、長い期間使用して費用を回収するためにも安全性の高い機器を選ぶことが重要といえます。
安全性の高さはトラブル回避にもつながるため、お客様に安心して脱毛が提供できます。
業務用脱毛機を選ぶ際には、安全性の高さが分かるチェックポイントを確認し、安さだけを重視しないように注意が必要です。