失敗しない業務用痩身機の選び方|導入後に活かせる機能とスペックについて解説

失敗しない業務用痩身機の選び方|導入後に活かせる機能とスペックについて解説

業務用痩身機・痩身マシンにはハイフ・キャビテーション・EMSなど豊富な種類があり、これらはすべて顧客のボディメイクをサポートする便利なツールのひとつです。

美容エステサロンにおいては業務用痩身機・痩身マシンの導入によって、施術の効率性アップが狙えます。

どういった機器を導入しているかが顧客にとっての店舗選びの材料にもなるため、慎重に痩身機を選定する必要があります。

導入後に「失敗した…」とならないよう、機能や効果など違いを比較検討して自身の経営するサロンに合った痩身マシンを選びましょう。

エステサロンの業務用痩身機とは?家庭用脱毛器との違い

エステサロンで使用される業務用痩身機・痩身マシンは、超音波・振動・熱などの刺激により脂肪細胞やリンパにアプローチし基礎代謝を上げることで痩身をサポートする機器です。

痩身はダイエットと混同して使用されることが多いワードですが、「ダイエット」は本来的には体重の減少を目的とする一方で「痩身」は美容を目的として痩せることを指すため意味合いが異なります。

業務用痩身機についても使用するだけでダイエットが叶うわけではなく、美容の観点からボディメイクをサポートすることができる機器ととらえましょう。

そんな業務用痩身機ですが、家庭用痩身機との違いは出力数にあります。

基本的に業務用痩身機のほうが多機能で施術の幅が広く、超音波・熱のエネルギーはいずれも高出力です。

家庭用痩身機は個人での使用を想定して設計されているため小型で手ごろな価格であることが多いですが、業務用痩身機は高出力・多機能というだけあり機器も大きく費用もかかります。

業務用痩身機を導入するメリット

エステサロンに業務用痩身機を導入すると、ハンドのみの施術に比べ「高い施術効果」と「回転率の向上」が見込めます。

ハンドのみでの施術ではエステティシャンによって技術に差が出てしまうため、顧客に対し安定した施術効果をアピールできません。

場合によっては研修中・新人のエステティシャンによるハンド施術で顧客満足度の低下につながるおそれもあります。

業務用痩身機を導入しハンドと組み合わせた施術が可能になれば、痩身機による施術では少なくとも技術の差はありません。

またハンドのみの施術ではどうしても1人あたりの施術時間が長くなる傾向があります。

業務用痩身機を使用すれば作業効率も上がり店舗の回転率が良くなるだけでなく、同じ時間で施術できる箇所やメニューの数が増えるため単価も上がりやすくなります。

業務用痩身機の相場

業務用痩身機は種類も豊富であるがゆえに、明確な導入費の相場があるわけではありません。

金額にすると低価格なもので15万円前後から、なかには300万円を超える機器もあります。

単体機といって痩身のためのひとつの機能だけが搭載されたものであれば価格が比較的低価格ですが、複数の機能が搭載された複合機となると価格は高額になります。

とはいえ必ずしも高価格なものが優れているというわけではなく、やみくもに価格だけで機器を選んでしまうと失敗の原因になります。

導入の目的や期待する効果などをふまえて条件に合致する機器を選ぶことが重要です。

失敗しない業務用痩身機の選び方

1台導入するだけでも決して安くはない業務用痩身機、できれば失敗せず選びたいものです。

どのようなポイントに注目して選べば失敗を防げるのでしょうか。

失敗しない選び方のポイントとして、大きく6つを紹介します。

①目的に合う機能を搭載したものを選ぶ

業務用痩身機にはさまざまな機能があります。

マシンによっては複数の機能を搭載しているものもありますが、まずはそれぞれの機能がどのような目的の場合に有効か確認しておきましょう。

  • キャビテーション:皮下脂肪にアプローチする
  • ラジオ波(RF):リンパ・血流の流れを向上させる
  • 遠赤外線ドーム:血流促進・代謝を高める
  • EMS・電磁パルス:筋肉への刺激で代謝を高める
  • 脂肪冷却:気になる部位をピンポイントで冷却し脂肪細胞に刺激を与える

②スペックや効果を確認する

スペックや効果も事前にじっくりと比較します。

たとえばラジオ波(RF)の痩身マシンひとつとっても、スペックのなかで検討すべきポイントはいくつもあります。

電磁波で加温できる深さや範囲によって種類も異なるので、どのように施術したいかによってどのラジオ波痩身機を選ぶかが変わってきます。

必ずしも高出力が優れているというわけではなく、リスクやデメリットももちろんありますので広く比較検討が必要です。

エステサロンのコンセプトや施術ポリシー・顧客のメインターゲット層に合致したスペックや効果を総合的に見て最適機器を選ぶ必要があります。

③初期費用や維持費を考慮する

機能だけで選ぶと費用がかさむ可能性があるためコスト視点でも比較しましょう。

初期費用(イニシャルコスト)にばかり目がいきがちですが、メンテナンス費・消耗品などを含めた維持費(ランニングコスト)の側面からも十分検討しなければなりません。

「導入した痩身機を使用してどのようなメニュー展開にするか」など顧客のニーズ・痩身機の機能・サービスの価格などのバランスを考慮して痩身機を選ぶ必要があります。

機能を重視するあまりコストを度外視してしまうと経営を圧迫しかねないため注意が必要です。

中古・レンタルの特徴

新品購入では手が出せない痩身機も、中古品やレンタル(リース)を検討すれば導入できる可能性があります。

中古品を購入する場合は正常に機能するかどうか・保証があるか等チェックしておきましょう。

レンタルの場合は購入品でないため初期費用がかからない点が魅力ですが、期間外の解約料などは事前に確認が必要です。

④使いやすいものを選ぶ

痩身マシンに限ったことではありませんが、あらゆる業務用機器において使いやすさは非常に重要です。

できればメニュー画面や操作手順など説明書を読まずとも直感的に操作できるような作りが望ましいでしょう。

もちろん実際には取扱説明書に目を通してから使用する必要がありますが、操作性の高さはそのまま施術のスピードやクオリティに直結します。

複雑なボタン配置や操作が必要な痩身機では機器の操作ばかり必要で顧客のボディケアに集中できず、操作にもたついてしまうと結果的に「ちゃんと施術してもらえてないのでは」と顧客の不信感につながる可能性もあります。

操作性が高くてもマシンが大きすぎるのも問題です。

痩身マシンが大きすぎることで施術室のほとんどの面積を占めてしまうと、施術台(ベッド)を置くだけでほとんど身動きが取れないということもあり得ます。

顧客・スタッフが余裕をもって移動できるだけの動線の確保はもちろん、心理的に圧迫感を与えないような空間づくりも意識すると良いでしょう。

⑤安全性が高いものを選ぶ

操作性と同じかそれ以上に重要なのが、安全性の高さです。

痩身マシンは基本的に機器が直接顧客の肌に直接触れ、高出力なエネルギーで刺激を与えることになります。

そのため、トラブルが起きやすい機器は導入をおすすめできません。

導入を検討している痩身機については

  • 導入実績と過去のインシデントの有無
  • 非常時の安全停止機能を搭載しているかどうか
  • 故障しやすい作りではないか
  • 機器の耐久テストの結果や安全基準

などは事前に取扱業者に詳しく確認するのがおすすめです。

⑥保証やサポートを確認しておく

痩身マシンは1台あたり安くても十数万円から購入可能ですが、ランニングコストも考えると大きな買い物です。

故障の際の修理費も高額になりやすいことから、購入前に製品保証を受けられる期間や補償内容を確認しておく必要があります。

当然ながら長期で使用するほど故障しやすくなりますので、保証期間はできるだけ長期のものがおすすめです。

また注意点として、国内正規品と比べると中古品・並行輸入品など購入経路が異なることでメーカー保証の対象外になる可能性があります。

あわせてサポート体制についても事前に確認しましょう。

故障時の代替機利用の可否や修理にかかる費用・時間の目安がわかりやすいメーカーであれば、いざという時も店舗運営への影響を最小限に抑えることができます。

導入後に活かせる機能とスペック

業務用痩身機は種類も豊富で機能・スペックがさまざまです。

目的に合わせた選び方をするのはもちろんですが、前提としてどのような機能・スペックがあるのかを理解しなければ目的に合った痩身機を選ぶことはできません。

ここからは導入後に活かせる機能とスペックについてそれぞれ紹介します。

ハイフ

ハイフ(High Intensity Focused Ultrasound:高密度焦点式超音波)は、超音波エネルギーを集中的に照射して発生した熱で肌の内部組織にアプローチする痩身機能を持っています。

元々は医療用に開発された技術で、痩身だけでなく顔(フェイスライン)のリフトアップや肌の引き締め効果も期待できる人気のメニューです。

美容医療の領域では「メスのいらないリフトアップ」と呼ばれることもあります。

痩身で多く使われるのは脂肪にアプローチできるボディ用のハイフです。

超音波エネルギーの照射により肌内部の脂肪組織がダメージを受け、機能しなくなると老廃物と見なされて体外へ排出されるという仕組みです。

一方でフェイシャル(顔用)のハイフは皮膚の深い部分まで熱を届け、コラーゲン・エラスチンなどの肌のハリの元になる成分を生成する仕組みです。

リフトアップの方法として広く知られている顔用ハイフは、エイジングケアのエステメニューを展開するサロンの導入が向いています。

ラジオ波(RF)

ラジオ波(RF、radio frequency)は高周波とも呼ばれる電磁波の一種です。

高周波をあてることで体内の水分分子が振動して熱を発生させるので、この温熱作用でリンパや血流の循環を促す仕組みです。

電極の位置や加熱方法が複数あるため、一般的にラジオ波(RF)は4種類に分けて説明されます。

それぞれの違いを表で比較してみましょう。

 

モノポーラ式

バイポーラ式

ユニポーラ式

マルチポーラ式

作用範囲

広く深い

狭く浅い

狭く深い

広く深い&浅い

適した部位

お腹周り・太もも

お尻、二の腕、太もも

お尻、二の腕、太もも

お腹周り・太もも

周波数

0.4~0.8Mhz

1Mhz

40.68Mhz

1Mhz

出力数

25~200W

130W

200W

130W

 

皮膚表層の浅い部分を対象に加温するバイポーラ式・マルチポーラ式は、皮膚を傷めるリスクが低いといわれています。

またバイポーラ式とマルチポーラ式では、マルチポーラ式のほうが電極が多いため高い効果が期待できるとされています。

このようにラジオ波ひとつとっても特徴・効果・適した部位に差があります。

キャビテーション

キャビテーションは別名「切らない脂肪吸引」と呼ばれ、即効性が期待できると人気の痩身マシンです。

キャビテーションという言葉は、本来「空洞現象」という現象をさす言葉として使われています。

これは圧力差によって液体内部に空気が発生する現象のことですが、痩身マシンのキャビテーションも同じように水分と気泡を利用して脂肪にアプローチする仕組みです。

具体的には、超音波をあてて脂肪内の水分に気泡を発生させ、その気泡が弾ける力を利用して脂肪細胞膜を壊して脂肪細胞を乳化させています。

乳化した脂肪細胞は老廃物となるため、老廃物を排出できるようラジオ波(RF)を組み合わせて施術したりリンパマッサージを施したりすることも多いです。

脂肪細胞に直接アプローチできるため、二の腕やお腹周りなど落としにくい脂肪がついた部位を中心に部分痩せをしたいと考えている顧客の施術に適しています。

EMS(電磁パルス)

EMS(Electrical Muscle Stimulation)もよく利用される痩身マシンの機能のひとつです。

専用パッドを身体に貼りつけて微弱な電流を流し、筋肉を振動させることで脂肪燃焼効果が期待できるといわれています。

EMSよりも更に深部にある筋肉を刺激できるのが、近年登場した「電磁パルス」です。

おおよその原理はEMSと同じですが、皮下到達距離はEMSの2~3cm程度と比べ電磁パルスが7~10cmとよりインナーマッスルへ作用する点で異なります。

また、EMSと違いジェルが不要なためランニングコストもかからないというメリットもあります。

EMSや電磁パルスは筋肉を動かす、いわば「動かなくてよい筋トレ」です。

筋肉量の増加により代謝が高まり脂肪がつきにくい身体になったり、姿勢の改善・睡眠の質の改善といった効果も期待できます。

遠赤外線ドーム

遠赤外線ドームは首から下の身体をドーム状のマシンの中に収めて遠赤外線をあてる施術方法です。

遠赤外線があたることで身体の芯まで加温され、血流の促進・代謝向上・デトックス効果が期待され、脂肪燃焼しやすい身体にするというものです。

遠赤外線ドームとほとんど同じ効果が期待できるのがヒートマットやよもぎ蒸しという施術方法です。

いずれも身体の内部を温めて皮脂腺からの発汗を促すため顧客自身が目に見えてデトックスを実感できます。

遠赤外線ドームは身体全体を包み込むドーム形状の機器のためサイズ感は大きく、施術スペースが広くない場合は注意が必要です。

脂肪冷却

脂肪冷却マシンはその名の通り、脂肪を冷やしてダメージを与える痩身エステの施術方法です。

ハイフなどの痩身マシンは熱で脂肪を溶かす原理ですが、こちらは真逆の原理で脂肪を冷やして破壊していきます。

身体にある脂肪は4℃で凍るといわれており、凍った細胞は死滅します。

死滅した細胞は老廃物となり自然に排出されますので、これによって痩身が期待できます。

気になる部位だけをピンポイントで施術することができ、施術者(エステティシャン)による技術の差が出にくい点も特徴です。

より高出力で高い効果を狙える医療用の脂肪冷却マシンもありますが、美容エステサロンで使用できるのは美容機器の脂肪冷却マシンです。

吸引

「吸引」というと医療機器のイメージが強いですが、美容エステサロンでも吸引タイプの痩身マシンを取り扱うことができます。

とはいえもちろん医療行為はおこなえませんので、直接的に脂肪を吸引することはできません。

皮膚の上から施術部位を強力なバキュームで吸い上げ、吸引のマッサージ効果で血流やリンパの流れを良くすることで老廃物や余分な水分(むくみ)を排出する仕組みです。

皮膚の上から刺激を与えて老廃物や水分を排出しやすくするという原理はハンドマッサージと同様です。

ハンドマッサージでは部位によって力を加えにくいこともありますが、マシンでのバキュームであれば場所を選びません。

また短時間で効率的に施術ができるため、ハンドマッサージと比べると施術にかかる時間の短縮になり結果的に店舗の回転率も高めることができます。

複合機と単体機の違い

痩身マシンを選ぶ際に機能やスペックを比較することは重要ですが、当然ながら価格面も無視できません。

価格を比較しようとすると必ずといっていいほど直面するのが、「単体機か複合機か」という問題です。

多機能で顧客の多様な要望に応えることができる複合機は魅力的ですが、そのぶん費用もかかります。

ここでは単体機・複合機それぞれのメリットとデメリットを整理して説明します。

複合機とは

美容エステで使用される美容機器において、「複合機」とは1台で複数の機能を併せ持つものを指します。

たとえばラジオ波×キャビテーション、光脱毛×光フェイシャルといったように痩身を目的とした機能が合わさっているものから脱毛機能を備えたものまで非常に多様です。

1台に2つの機能までと制限があるわけではなく、なかには1台で10種類もの機能が搭載された機器もあるほどです。

関連記事:脱毛サロンの開業に必要な準備と重要ポイントまとめ

メリット・デメリット

<メリット>

開業を考えている美容エステサロンが特化型でなく総合的なトータルビューティーサロンである場合は、複合機が活躍しやすいでしょう。

初期投資としては単体機に比べて費用がかかりますが、メニューを豊富にそろえることができるため単価も上げやすいといえます。

また1台で複数の機能が搭載されていると複数メニューの同時施術が可能な場合もあり、施術時間の短縮にもつながります。

<デメリット>

機能が増えるほど本体代金は基本的に高額になります。

初期費用がかさみますので予算次第では導入できる台数が限られてしまうこともありえます。

加えて故障時に代替機が用意できないと店舗運営ができなくなってしまうというリスクも考えられます。

非常時にどのようなメーカーのサポートが受けられるかよく確認しておく必要があります。

単体機とは

単体機とは1台に1つの機能を搭載した美容機器を指します。

1つの機能に特化している分、顧客にピンポイントに効果を訴求しやすい特徴があります。

メリット・デメリット

<メリット>

複合機に比べて1台当たりの価格が安価なので導入費(初期費用)を抑えることができます。

複合機では1台故障すると複数メニューが施術不可になりますが、単体機であれば故障時の損失も最小限に抑えることができます。

<デメリット>

複合機のように同時に複数のメニューを施術できないため、施術効率や店舗回転率の面では複合機に劣ります。

他の機能をメニューとして取り扱いたい場合に別のマシンを新たに購入する必要があり、展開できるメニューの豊富さの面でも制限があります。

まとめ

業務用痩身マシンにはさまざまな機能・種類があり、その特徴やメリットもさまざまです。

単体機の場合は1台あたりの費用も比較的安価ですが、豊富なメニュー展開を可能とする複合機の場合は高額なため導入時の初期費用も余裕を持って予算組みしなければなりません。

最終的にどのようなエステサロンを開業・経営するかによって導入する痩身マシンの選び方も大きく異なってきますので、違いをよく理解したうえで失敗しない業務用痩身マシンを選びましょう。

このコラムの執筆者

株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
コンフォートジャパンのコラム編集担当です。
美容業界で長く美容機器メーカーとして存続しているコンフォートジャパンが、皆様のお声に応えるべく、脱毛関連はもちろんのこと、サロン運営に役立つ情報を発信していきます。