脱毛サロンで失敗する原因と失敗しないために必要なポイントについて解説
せっかく脱毛サロンを開業しても、十分な準備と来店につなげるための対策をしなければ失敗してしまうリスクを高めてしまいます。
顧客に長く愛されるサロンを作るためには、お客様に寄り添った接客を行うだけでなく、経営や集客の知識も欠かせません。
本記事では、脱毛サロンで失敗する原因、失敗しないために必要なポイントを解説しています。さらに、確認しておきたい脱毛サロンの開業資金についても説明します。
「サロンの開業を考えている方」「サロン経営に悩んでいる方」は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
脱毛サロンが失敗してしまう原因
脱毛サロンが失敗してしまう原因としては、主に以下の5つが考えられます。
- コンセプトが曖昧になっている
- 脱毛機選びで失敗してしまう
- メニュー価格の設定で失敗してしまう
- サロン知識が不足している
- 集客が出来ていない
原因を理解しておくことで、失敗しないための対策を取ることができます。
それぞれの原因について詳しくみていきましょう。
コンセプトが曖昧になっている
サロンのコンセプトが曖昧になっていると、失敗につながることがあります。
サロンを開業する際は、コンセプトを明確に決める必要があります。ターゲットやサロンの強みが曖昧なままでは、顧客が集まりにくいためです。
とくに、「広告をたくさん出しているのに集客につながらない」「SNSで情報を発信しているのに手応えがない」という場合は、ユーザーがコンセプトを理解できていない可能性が高いです。
コンセプトが伝わらないと、せっかくの広告やSNS戦略も意味を持たなくなってしまいます。まずは「どのような顧客に来て欲しいのか」「どんな施術を提供できるか」を明確にすることが重要です。
脱毛機選びで失敗してしまう
脱毛機選びで失敗してしまうことも、脱毛サロンの失敗につながります。
脱毛機選びの失敗とは、「中古の業務用脱毛機の購入」「サポート体制が充実していない脱毛機の使用」を指します。
中古の業務用脱毛機の購入は初期費用を抑えられるというメリットがありますが、一方で「メーカーのメンテナンスやサポートを受けられない」「使用年数や脱毛機の状態が不明確」「使用年数が長い」などのデメリットがあります。
すぐに壊れてしまったり適切なサポートが受けられなかったりする可能性があるため、購入には注意が必要です。
また、海外製の製品はサポート体制が充実していないケースが多く、説明書やタッチパネルが日本語に対応していないことも機器によってはあります。
脱毛サロンで失敗しないためには、脱毛機選びはとくに慎重に行わなければなりません。
関連記事:エステサロン開業に必要な準備とは?開業前から開業後まで運営を安定させるためにメーカーが教えるポイント
メニュー価格の設定で失敗してしまう
次にメニュー価格の設定で失敗してしまうことで、サロンの失敗につながることもあります。
価格設定を行う際に、「競合店の価格を真似している」「なんとなく決めた」という方は注意が必要です。
価格設定はサロン経営で非常に大切なポイントです。価格設定の際には、サロンの経営状況をみながら他社との差別化を図る必要があります。
「安さが売りのサロン」「丁寧な施術が強みのサロン」など、サロンの強みに合わせた価格設定をすることがポイントです。
価格を設定する際は、施術内容と価格が見合っているかどうかも必ず確認しましょう。数あるサロンの中からあなたのサロンを選んでもらうには、費用と効果の両面で顧客に満足してもらえるかどうかが集客を左右するためとても重要です。
サロン資金や運営管理が不十分
サロン資金や運営管理が不十分な場合、経営状態の悪化につながる可能性があります。
サロンのメニュー価格を決める際は、顧客のニーズだけでなく、「人件費」「家賃や水道光熱費」「施術に必要な消耗品の費用」なども考慮して価格を設定します。
たとえ顧客に満足してもらえる施術を提供できていても、サロン資金が不足してしまえば経営を続けることはできません。
「設定した価格で問題なく経営していけるのか」を綿密にシミュレーションを行い、運営管理を徹底するようにしましょう。
初期費用がかかっている
初期費用が余分にかかっていると、サロンの失敗につながりやすくなります。
サロンを開業するには最低でも200万円〜400万円程度の資金が必要です。さらに、事業が軌道に乗るまでの運転資金も数ヶ月分必要になります。
初期費用を潤沢に用意できれば良いのですが、限られた資金で開業しようと考えている方も少なくありません。
サロンの開業にかかる初期費用の例は以下の通りです。
- 不動産の初期費用、家賃
- 業務用脱毛機の購入資金
- 内装やインテリアの資金
- スタッフの人件費
- 備品や消耗品代
- 広告費
これらを適切に使用し、初期費用を余分に使わないように気をつけましょう。万が一、集客がうまくいかない際に備え、ある程度の資金を手元に残しておくことをおすすめします。
固定費が割合が大きい
固定費の割合が大きいと、サロンの経営を圧迫して失敗につながることがあります。
脱毛サロンにおける固定費とは、「水道光熱費」「通信費」「予約サービスの利用料」「消耗品の費用」などです。これらは毎月必ずかかる費用ですが、「なんとなく契約した」「大手だから利用している」という方も少なくありません。
固定費の割合が大きい場合は、見直しを行う必要があります。さまざまなサービスを比較検討した上で、サロン経営を圧迫しないものを選ぶことが大切です。
サロン知識が不足している
サロン知識が不足していると、サロン経営で失敗するリスクを高めてしまいます。
サロン経営に必要な知識が不足していると、資金繰りや経営状態が苦しくなって失敗につながる可能性があります。脱毛や接客の知識だけでなく、経営やマーケティングについても学ぶことが重要です。
脱毛サロン業界は競争が激しく、全国展開の大手サロンが突然倒産したケースも存在します。個人サロンが生き残るには、他店との差別化を図って経営を安定させるほかありません。
経営について学ぶ場合は、ネットや書籍で情報収集したりセミナー等に参加したりするのがおすすめです。業務用脱毛機のメーカーでは脱毛サロンの経営者に向けたセミナーやサポートを行っていることもあるため、ぜひ活用してみてください。
集客が出来ていない
サロンを運営していくために「集客」は欠かすことができません。
数ある脱毛サロンの中であなたのサロンに来店してもらうには、第一に「サロンの存在を知ってもらうこと」が非常に重要です。
サロンの宣伝には、以下のような手段があります。
- Web広告
- SNS広告
- クーポンサイト
- ブログやホームページ
- 新聞やチラシ
- ポスティング
- フリーペーパー
ターゲットはそれぞれの媒体で異なるため、媒体ごとの特徴を理解し、サロンのコンセプトに適した媒体を使用することが必要です。
少ない費用で多くの集客を行うには、サロンのターゲットを細かく設定しなければいけません。性別・年齢・居住地、職業や趣味などを詳しく設定した「ペルソナ」を作り上げて集客を行うのがおすすめです。
脱毛サロンで失敗しないために必要なこと
脱毛サロンで失敗しないために、必要なポイントが5つあります。
- ターゲット層と価格設定を調査して決める
- 費用を抑えてサロン運営を行う
- ターゲットに合う脱毛機を選択する
- 適切な物件の選定を行う
- お客様に寄り添った接客を行う
長く愛されるサロンにするには、どれも欠かせない重要なポイントです。
それぞれのポイントについて詳しく説明します。
ターゲット層と価格設定を調査して決める
脱毛サロンで失敗を防ぐためには、ターゲット層と価格設定を調査して決めることが大切です。
まず顧客のターゲット層を決めることが必要です。理想のターゲット像である「ペルソナ」を設定し、「来店動機」「どのようなメニューがあったら嬉しいか」までイメージを深く落とし込んでいきます。
次にターゲットを決めたら価格設定を行います。ターゲットの特徴に合わせて脱毛方法や価格を決めていきます。
サロンのコンセプトに合わせて、「全身脱毛の料金」「部位別の料金」「セットメニュー」などを用意します。また他店との差別化につながるオリジナルメニューも用意すると良いでしょう。
費用を抑えてサロン運営を行う
費用を抑えてサロン運営を行うことは、脱毛サロンを失敗させないための重要なポイントです。
無駄な支出を抑えることは、サロン経営の基本中の基本です。人件費や備品代・消耗品などが適切かどうかを判断し、無駄な支出があれば抑える必要があります。
サロン運営で費用がかかりやすいのは広告費です。とくにWeb広告の場合、出稿する媒体によって費用や効果が大きく異なります。
広告を出したからといって必ず集客につながるわけではなく、広告費に見合う集客が得られないと赤字になってしまうため、広告費の精査は十分に行う必要があります。
最近では、Web広告よりもより細やかなターゲティングができるSNS広告も人気を集めています。サロンのコンセプトに合わせて、適切な広告を選択することが大切です。
ターゲットに合う脱毛機を選択する
ターゲットに合う脱毛機を選択することも、失敗しないサロン運営の大切なポイントになります。
光脱毛には「IPL」「SHR」「SSC」などの脱毛方式があり、それぞれ痛みや脱毛方法が異なります。ターゲットに合わせた脱毛方法を選ぶことで、サロンのコンセプトをさらに明確にすることが可能です。
また、「連射式」「単発式」どちらを選ぶかによって施術時間に大きな差があります。全身脱毛をサロンの売りにしたい場合は、照射時間が短い連射式を選ぶのがおすすめです。
脱毛機を選ぶ際、中古品の購入には注意が必要です。古いモデルは「脱毛効果が弱い」「施術時間が長い」などのデメリットがあるほか、保証がないため修理やメンテナンスに高額な費用がかかる可能性があるため注意が必要です。
適切な物件の選定を行う
サロンで失敗しないために、適切に物件の選定を行うことがとても重要です。
サロンのコンセプトに合わせ、駅からのアクセスや駐車場の有無を確認して物件を選びましょう。
物件を選定する際は、毎月無理なく支払える家賃の物件を選ぶ必要があります。立地が良い物件は集客がしやすくなりますが、家賃が高くなるため注意が必要です。
また不動産は初期費用が高額になりやすいため、サロンの開業資金とのバランスを考えて検討するようにしましょう。
物件が決まったら、外装・内装についても考えなければなりません。工事を行う場合は時間がかかるため、スケジュールに余裕を持って取り組むことがポイントです。
お客様に寄り添った接客を行う
お客様に寄り添った接客を継続して行えるかも重要なポイントです。
脱毛施術を受けにくる顧客の中には、単に脱毛を行いたいだけでなく「会話を楽しみたい」「悩みを相談したい」という方も多くいらっしゃいます。とくに毛に関する悩みは人には相談しづらいため、サロンでプロに相談しながら解決したいというニーズもあります。
ただ脱毛施術を行うのではなく、顧客の悩みに寄り添い解決できるような施術・接客を提供することが必要です。
数あるサロンの中で他店との差別化を図るにも『お客様に寄り添った接客』を心がけましょう。
確認すべき脱毛サロンの開業資金
最後に脱毛サロンの開業にあたって、確認しておきたいポイントを紹介します。
用意すべき開業資金は「初期費用」と「運転資金」の2つです。
それぞれの開業資金について詳しく解説します。
初期費用
初期費用の内訳 | 自宅サロンの場合(目安) | 賃貸物件を借りる場合(目安) |
不動産取得費用 | - | 100万円 |
内装・工事費 | 0〜30万円 | 200万円 |
設備費(業務用脱毛機など) | 100万円〜 | 100万円〜 |
備品代 | 0〜30万円 | 100万円 |
広告費 | 20万円 | 20万円 |
初期費用は開業する場所によって大きく異なります。上は、初期費用の内訳と金額の目安をまとめた表です。
自宅で開業する場合、不動産費用がかからない分初期費用が抑えられます。さらに自宅にある設備や備品を使用できるため、備品代や設備費が少なくて済みます。
業務用脱毛機の購入費用、備品や消耗品代などを合わせて、100〜150万円程度の初期費用を用意しておくケースが多いです。
物件を借りて開業する場合は、業務用脱毛機の費用などに加えて物件の取得費用がかかります。不動産の初期費用は、敷金・礼金等を合わせて家賃の3〜6ヶ月分といわれているため、十分な資金を用意しておかねばなりません。
内装にこだわる場合は内装・工事費が高額になることがあります。什器やテーブル、インテリア等も一から用意しなければならないため、自宅サロンよりも初期費用が高額になります。
運転資金
運転資金の内訳 | 自宅サロンの場合(月々の費用・目安) | 賃貸物件を借りる場合(月々の費用・目安) |
家賃 | - | 20万円〜 |
人件費 | 0〜20万円 | 0〜20万円 |
消耗品代 | 5万円 | 5万円 |
水道光熱費 | 1〜5万円 | 5万円 |
通信費 | 2万円 | 2万円 |
広告宣伝費 | 5万円 | 5万円 |
修繕費 | - | 5万円 |
合計 | 約35万円 | 約65万円 |
上記は、運転資金の内訳と費用の目安をまとめた表です。
自宅サロンで開業する場合、家賃がかからないため月々の運転資金が少なくて済みます。水道光熱費や通信費も、新規で契約する必要がないため少額で済むケースが多いです。
賃貸物件を借りる場合は月々の家賃を支払わなければならず、その分毎月に必要な運転資金は高額になります。
月間の売上から運転資金を差し引いた金額が経営者の利益になるため、運転資金は毎月細かく計算し、無駄があれば削減することをおすすめします。
開業前には運転資金を正確に計算し、6ヶ月分程度は確保しておく必要があります。開業後は経営が軌道に乗るまで時間がかかり、赤字が発生することが予想されるためです。
赤字でも毎月の賃料や人件費は必ず払わなければいけないため、余裕を持って計画を立てておくことが必要です。
まとめ
本記事では、脱毛サロンで失敗する原因とその対策方法について紹介しました。
多くの脱毛サロンがひしめく中であなたのサロンを選んでもらうためには、たくさんの努力と工夫が必要になります。
他店との差別化を図りサロンの経営を安定させるため、コンセプトの決定や脱毛機選び、メニューや価格設定などさまざまなポイントに注意してサロン経営を行うことが大切です。
「サロン経営に悩んでいる方」「これからサロンの経営を考えている方」は、ぜひ記事を参考にしてみてください。