更新日:2023.04.11

レーザー脱毛の資格について|脱毛サロンの開業に必要な資格や施術方法一覧

レーザー脱毛の資格について|脱毛サロンの開業に必要な資格や施術方法一覧

近年の脱毛需要は女性のみならず男性や子どもまで幅広く、最新技術の開発も進み従来の「痛そう」「時間がかかる」「高額で手が出ない」といったイメージも払拭されつつあります。

そうしたなか、「脱毛をしたい」と考える方は老若男女問わず今後もますます増加する傾向であると考えられています。

脱毛サロンの開業には店舗や設備などインフラ面の準備のほか、やはり欠かせないのが脱毛の知識や作業などのノウハウを習得した技術者の存在です。

そしてもちろん脱毛知識や技術を独学で心得ているだけで十分かというと、残念ながらそうではありません。

本記事では脱毛サロン開業を検討中の方に向けて、「脱毛サロンを開業するためにはどのような資格が求められるか」、また「その資格をどのように取得すればよいか」を解説します。

レーザー脱毛の資格について

効果の高さでその名が知られている「レーザー脱毛」ですが、脱毛サロンを開業するうえで「せっかくならレーザー脱毛を」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。

しかしまず大前提として、レーザー脱毛は医療行為です。

医療行為である以上、レーザー脱毛をすることができるのは国家資格をもった医師・看護師のみです。

またレーザー脱毛が可能な脱毛機器は、医師しか購入を許されていません。

そのためレーザー脱毛をうたっているのはそのほとんどが美容皮膚科や美容クリニックなどの医療施設です。

医師免許なくレーザー脱毛ができる脱毛クリニックを開業してしまうと法律で罰せられ逮捕に至ることもありますので、今回の脱毛サロン開業とは切り離して考える必要があります。

一方、エステティックサロンでおこなわれる脱毛はレーザー脱毛とは異なる「光脱毛(フラッシュ脱毛)」と呼ばれる脱毛の種類です。

レーザー脱毛に比べ使用する光は強いものではなく医療機器ではありませんので、医師でなくとも購入が可能です。

レーザー脱毛には医師免許が必要ですが、医師・看護師が在籍するだけでよいというわけでもありません。

まずはレーザー脱毛に必要な資格の種類を紹介します。

医療脱毛の資格とは

レーザー脱毛は医療行為ですので、医療脱毛とも呼ばれています。

医療脱毛をおこなうための認定資格が4種類あり、医師・看護師が取得することができます。

専門資格は日本医学脱毛協会が認定しています。

ここからは4種類の認定資格を紹介します。

レーザー脱毛士

受験資格:医師または看護師の資格を保有しており、かつ自身のレーザー脱毛の経験が1年以上あること

更新期間:3年ごと(期間中2回以上の学会出席必須)

認定脱毛士(針脱毛)

受験資格:認定指導士もしくは認定脱毛士の指導のもと研修を受講する、もしくは学会依頼の研修施設にて研修を受講していること

更新期間:5年ごと(期間中3回以上の学会出席必須)

研修は下肢、わきなどの10単位で、6ヶ月以上経過観察した症例を1例提出(最終脱毛から2ケ月以上経った写真)します。

提出した症例は認定委員会で検討され、その後、合格認定を得る流れです。

認定指導士

受験資格:認定脱毛士の資格取得後1年以上経過しており、かつレーザー脱毛士の資格を取得していること、認定脱毛士を3人育成していること

更新期間:5年ごと(期間中3回以上学会出席必須)

認定医

受験資格:認定脱毛士の資格取得後1年以上経過しており、かつレーザー脱毛士の資格を取得していること、認定脱毛士を3人育成していること

更新期間:5年ごと(期間中3回以上学会出席必須)

ニードル脱毛は高度な技術が求められる

レーザー脱毛に並ぶ効果の高い脱毛方法として知られるのが「ニードル脱毛(針脱毛・電気脱毛)」。

ニードル脱毛とは絶縁針とよばれる特殊加工の安全な針を一本ずつ手作業で毛穴に通し、電流や高周波で毛根や毛乳頭を破壊する脱毛手法です。

ニードル脱毛は美容皮膚科や美容クリニック以外にも一部の美容サロンで実施している場合もありますが、繊細かつ高度な技術が必要とされる脱毛手法のため、安全性の面でも医師が美容サロンでの実施はリスクが高いといえます。

脱毛を希望する顧客側からしても美容皮膚科・美容クリニックでの施術に安心感を抱く可能性が高いため、脱毛サロンを開業するうえでは導入は検討しづらいかもしれません。

なお、レーザー脱毛の専門資格を認定する日本医学脱毛協会では、このニードル脱毛の技術向上を目的とした「認定脱毛士」の資格認定制度を設けています。

日本医学脱毛協会は皮膚科や形成外科の医師らを中心に運営されており、脱毛知識や技術を備えた医師・看護師の育成を通じて安全な医療行為としての脱毛の普及を目指しています。

レーザー脱毛もニードル脱毛も永久脱毛と呼ばれる脱毛の定義に合致するほど効果が約束されている脱毛手法です。

脱毛サロン開業に国家資格は必要ない

ここまで医療脱毛としてのレーザー脱毛・ニードル脱毛とその必要資格を紹介しましたが、脱毛を目的とした美容サロン・エステティックサロン・メンズ脱毛サロン等の開業には医師免許などの国家資格は必要ありません。

とはいえ脱毛の知識や技術が全くないまま脱毛サロンを開業することは、現実的に考えて難しいでしょう。

脱毛にはヤケドなどの肌トラブルなど安全面での懸念や、毛周期など毛の仕組みに関する基礎知識とそれにまつわる衛生面での話題は付きものです。

また、脱毛に必要な機材・装置の正しい操作方法など、開業までに把握すべき内容は多岐にわたります。

こうした課題をないがしろにしたまま脱毛サロンを開業すると、不適切な施術で顧客や従業員の事故や怪我につながる恐れもあります。

開業そのものに資格は必要ないことは変わりありませんが、「その脱毛サロンに脱毛に関する資格があるかどうか」は顧客から見て脱毛の知識や技術があることを保証する安心材料です。

脱毛サロン開業・経営をするならば、次の章で紹介するような脱毛関連の民間資格があることやその内容についても理解しておきましょう。

脱毛サロンの開業に必要な資格【一覧】

脱毛サロンを開業するために必須な資格はありませんが、役立つ資格は以下のとおりです。

 

資格・検定の名称

管理・運営団体・企業

受験資格

資格更新

認定電気脱毛士(CPE)

E.T.S.

米国電気脱毛協会(AEA)が推奨

認定電気脱毛士の教育カリキュラム400時間修了者または修了見込者

脱毛専門学校の脱毛カリキュラム300時間修了者または修了見込者

美容電気脱毛を取り扱う脱毛サロン等の店舗での実務経験(施術50時間以上)1年以上の者

合格有効期限内に美容電気脱毛技能検定3級以上を取得した者または筆記・技術試験のどちらかに合格した者

5年間

認定登録脱毛師(CRE)

一般社団法人日本脱毛技術研究学会

実務経験1年以上(実技試験のみ)

3年間

認定脱毛士

一般社団法人日本脱毛安全普及協会

美容関連全般(エステティック・美容・理容・ネイル・美容メーカー勤務・美容学校など)の実務経験6ヶ月以上

1年間(自動更新)

管理美容脱毛士

特定非営利活動法人日本スパ・ウエルネス協会

美容脱毛士を取得後、実務経験を1年以上有する者

トータルエステティックアドバイザー

日本エステティック協会(AJESTHE)

主催協会が認定する上級エステティシャン資格もしくはCIDESCO資格の取得*

主催協会が認定する上級エステティシャン資格取得後2年以上または通算5年以上の実務経験

資格取得講座の受講および資格取得試験の合格

1年間(自動更新)

認定上級エステティシャン

日本エステティック協会(AJESTHE)

協会認定校にて1000時間以上コースまたはCIDESCO国際認定校コースを修了した者

AJESTHE認定エステティシャン資格取得後2年以上または通算5年以上の実務経験を有する者

1年間(自動更新)

 

*CIDESCOは世界水準の理論・技術をもつエステティシャンを育成する国際的教育機関

認定電気脱毛士(CPE)

認定電気脱毛士はCPEとも呼ばれ、正式名称はCertified Professional Electrologisistと表記します。

米国電気脱毛協会(AEA)が優秀な脱毛士として推奨している資格として知られています。

管理・運営はTOIECやTOEFLを実施する世界最大の非営利テスト開発機関「E.T.S.」が担っているため、民間資格でも高い公共性をもった資格といえます(日本では日本スキン・エステティック協会がAEAと連携)。

認定電気脱毛士の資格取得には、予備試験や実務経験が必要です。

それぞれの受験資格を得るにも300〜400時間のカリキュラムを修了するなど一定の時間がかかり、安易に受験できるものではありません。

<認定電気脱毛士の受験資格>

  • 認定電気脱毛士の教育カリキュラム修了者または修了見込者(エステティックの基礎300時間+脱毛専科100時間)
  • 脱毛専門学校の脱毛カリキュラム修了者、又は修了見込者(脱毛理論63時間+脱毛実技237時間)
  • 美容電気脱毛を取り扱う脱毛サロン等の店舗での実務経験1年以上の者(美容電気脱毛の施術50時間以上)
  • 合格有効期限内に美容電気脱毛技能検定3級以上を取得した者、または筆記・技術試験のどちらかに合格した者

<認定電気脱毛士の試験>

筆記・実技試験の2種類があります。

当然ながら、両方の試験に合格しなければ認定電気脱毛士の資格取得はできません。

なお、実技試験では、使用する機材(脱毛器・手袋・ニードルなど)や脱毛モデルを受験生が持ち込んで準備する必要があります。

<認定電気脱毛士の資格有効期限>

資格取得後の有効期間は5年間です。

資格の更新には再度セミナーや通信教育を受ける必要があり、その必要修了時間も75時間に及びます。

認定登録脱毛師

認定登録脱毛師(CRE)は美容電気脱毛に関する資格です。

一般社団法人日本脱毛技術研究学会が資格を管理し、学会での勉強会を開催・運営しています。

<認定登録脱毛師の受験資格>

・実務経験1年以上(実技試験のみ)

<認定登録脱毛師の試験>

筆記・実技試験の2種類があります。

いずれかに合格した場合、3年以内に残りの科目を合格することで資格取得可能

<認定電気脱毛士の資格有効期限>

資格取得後の有効期間は3年間です。

資格の更新はポイント制で、3年間のうちに学会主催の勉強会・総会等で講習を受けて15ポイントを獲得する必要があります。

(例)総会参加1時間につき2ポイント獲得、勉強会参加1時間につき1ポイント獲得 等

認定脱毛士

認定脱毛士は連射式脱毛の安全の普及と適法な技術と学びの提供を目的とした検定で、一般社団法人日本脱毛安全普及協会が認定している検定資格です。

脱毛士検定のなかでも筆記試験は以下の3つのクラスに分かれており、そのうち2級脱毛士が認定脱毛士と同義です。

脱毛士検定の種類

・3級脱毛士…協会認定講師の講習を受講することで獲得できる資格であり、筆記試験等はありません。

・2級脱毛士(認定脱毛士)…受験資格および筆記試験が存在します。

・上級脱毛士…2級脱毛士に合格していることと実務経験が2年以上あることが受験条件です。筆記試験のほか面接が実施されます。

<認定脱毛士の受験資格>

・美容関連全般(エステティック・美容・理容・ネイル・美容メーカー勤務・美容学校など)の実務経験6ヶ月以上

<認定脱毛士の試験>

対策講座申し込み時に支給されるテキストをもとにした筆記試験がおこなわれます。

(対策講座を利用しない場合、テキストのみ購入し独学で筆記試験に臨むことも可能です)

<認定脱毛士の資格有効期限>

1年間の自動更新ですが、更新料がかかります。

管理美容脱毛士

管理美容脱毛士は特定非営利活動法人日本スパ・ウエルネス協会が管理・認定している資格です。

この資格の前身として「美容脱毛士」が存在します。

美容脱毛士は安心で良質な技術と豊富な知識、かつ信頼されるサービスマナーを持ち合わせた脱毛士であることを示す資格です。

一方で管理美容脱毛士は経験豊富で高度な技術と知識を持ち、ホスピタリティあふれる美容脱毛サービスを提供できるだけでなく、指導的立場を担うことのできる脱毛士のための資格です。

脱毛サロン経営・開業であれば美容脱毛士にとどまらず管理美容脱毛士を取得したほうがお客様からの信頼を得やすいといえます。

<管理美容脱毛士の受験資格>

・美容脱毛士を取得後、実務経験を1年以上有する者

<管理美容脱毛士の試験>

筆記試験、実技試験の2種類があります。

なお、実技試験では、使用する備品(手袋・ニードルなど)や脱毛モデルを受験生が持参して準備する必要があります。

トータルエステティックアドバイザー

トータルエステティックアドバイザーという日本エステティック協会(AJESTHE)が認定する資格もあります。

脱毛に特化しているわけではありませんが、美容・脱毛サロンを経営するうえで重要なエステティックそのものを網羅的に理解していることが証明できるといえます。

エステティックを総合的に深く理解し、お客様に求められる実践力とサロンでの指導力を有しているエスティシャンに認定された場合に与えられます。

<トータルエステティックアドバイザーの受験資格>

  • 主催協会が認定する上級エステティシャン資格もしくはCIDESCO資格の取得*
  • 主催協会が認定する上級エステティシャン資格取得後2年以上または通算5年以上の実務経験
  • 資格取得講座の受講および資格取得試験の合格

*CIDESCOは、世界水準の理論・技術を兼ね備えたエステティシャンを育成する国際的な教育機関です。

<トータルエステティックアドバイザーの試験>

60分間の筆記試験と15分間の実技試験の2種類があります。

<トータルエステティックアドバイザーの資格有効期限>

1年間の自動更新(年会費納入により更新)

認定上級エステティシャン

トータルエステティックアドバイザーの前身にあたる資格で、こちらも日本エステティック協会(AJESTHE)が認定しています。

エステティックに関する理論・技術のすべてを理解し、実践する能力を有しているエステティシャンに与えられます。

細かな受験資格であることと、受験資格を得るにも相当数の時間を要することから資格取得までの道のりは長いといえます。

<認定上級エステティシャンの受験資格>

以下のいずれかに該当することで受験資格を認められます。

  • 協会認定校にて1000時間以上コースまたはCIDESCO国際認定校コースを修了した者
  • AJESTHE認定エステティシャン資格取得後2年以上または通算5年以上の実務経験を有する者

<認定上級エステティシャンの試験>

マークシート方式の筆記試験と実技試験があります。

<認定上級エステティシャンの資格有効期限>

会員継続による自動更新です。

脱毛サロンの開業に必要な施術方法【一覧】

脱毛サロンを開業する際は、取り扱う脱毛方法を決定する必要があります。

美容脱毛はいくつか種類があり、それぞれ脱毛の仕組みや必要な機材など特徴に差があります。

 

脱毛の種類

特徴

美容脱毛での取り扱い

ニードル脱毛

(針脱毛・電気脱毛)

特殊加工の針を1本ずつ毛穴に挿し込んで発毛細胞を破壊する電気を流す

白髪にも有効だが作業工程が多く施術に時間がかかるうえ、緻密で高度な技術を要する

△可能だが難易度が高い

光脱毛

(フラッシュ脱毛)

肌に黒い色素(メラニン)に反応する特殊な光を照射し、発毛細胞にダメージを与える

施術のしやすさや効率の良さの点から導入しやすく、多くの脱毛サロンが光脱毛を使用している

◎可能

ワックス脱毛

肌に直接脱毛用のワックス剤を塗り、乾いて固まってきたら引きはがして脱毛する

脱毛の持続効果は1ヶ月ほどとあまり長くない

○可能

医療レーザー脱毛

光脱毛よりもエネルギーの高い光を照射し、発毛細胞を破壊する

永久脱毛に分類され効果も高いが、施術リスクも高く医師および看護師しか施術できない

×不可(医療従事者のみ施術可能)

 

ニードル脱毛

必要資格:認定電気脱毛士

ニードル脱毛(針脱毛・電気脱毛)は特殊加工された直径0.05~0.15mmほどの非常に細い針(プローブ・絶縁針)を一本ずつ手作業で毛穴に通し、電流や高周波で毛根や毛乳頭を破壊する脱毛手法です。

医療レーザー脱毛よりも先に開発されたニードル脱毛は、アメリカでは実に140年以上前から実施されている歴史の古い脱毛方法です。

永久脱毛として認められている脱毛手法でもあり、身体への副作用もないとされています。

また他の脱毛方法と比べ白髪にも有効な点が特徴ですが、作業工程が多いため施術に時間がかかることでも知られています。

針を使うため本来であれば医師や看護師などの資格を持つ医療従事者しか許されない作業ですが、認定電気脱毛士の資格があれば施術は可能です。

非常に繊細で緻密な作業ですので認定電気脱毛士の受験資格も安易な設定はされておらず、必要カリキュラム400時間相当の修了が必要であるなど他の資格に比べ取得までの道のりは長いといえます。

光脱毛

必要資格:なし

脱毛手法の部類のなかでももっとも敷居が低く、安価で手軽に利用できるのが光脱毛(フラッシュ脱毛)です。

その仕組みはカメラのフラッシュを焚くように光を肌に照射し、毛の黒い色素(メラニン)に反応して熱を発生させるというものです。

光をあてると黒い毛包や毛根、その元にある毛乳頭で発熱し、組織にダメージを与えます。ダメージを受けた毛根は毛の生成ができなくなり、毛が生えにくくなります。

比較的作業工程も単純で施術時のトラブルも発生しにくいため、光脱毛の脱毛機材を扱ううえで必要な資格はありません。

つまり未経験者でも練習を積めば実際にお客様に施術ができるので、脱毛サロンの開業という点で考えても導入しやすい脱毛手法といえます。

資格そのものは必須ではありませんが、資格を保有している脱毛サロンであることはお客様からの信頼獲得や安心感につながりますし、お客様の信頼はサロンの集客力にもつながります。

大手の脱毛サロンでは新規入社のエステティシャンに向けて独自に研修やセミナーを企画・開催することで施術クオリティを担保することもあります。

これから脱毛サロンを開業する場合には第三者機関で脱毛に関する民間資格を取得する方法があります。

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ワックス脱毛

必要資格:なし

ワックス脱毛とは、専用のワックス剤を脱毛部位に塗布してムダ毛を固めたあと、ワックスを一気に引きはがして毛を抜く脱毛方法です。

特にVIOのムダ毛をワックス処理する方法として「ブラジリアンワックス」という言葉が使われています。

生えている毛を直接抜き去る方法ですので、ニードル脱毛や光脱毛(フラッシュ脱毛)、レーザー脱毛のような脱毛機材は必要としません。

脱毛機材は導入の初期費用として最低でも200〜300万円が必要ですが、ワックス脱毛のみ取り扱う脱毛サロンであれば初期費用を最小限に抑えることができます。

ただし実際には、ワックス脱毛を専門として脱毛サロンを開業する方はほとんどいません。

ワックス脱毛の場合は導入費が抑えられることも事実ですが、中長期的に見ると単価は他の脱毛方法よりも安くなりやすく安定した収益が見込みづらいのが理由のひとつです。

現在、ワックス脱毛はもともとフェイシャルエステや痩身などを専門として施術していたエステティックサロンがオプションとして導入するケースが多いです。

ワックス剤の塗布と引きはがしの作業になるため、施術工程は比較的単純です。

そのため施術に必要な資格はありませんが、日本ブラジリアンワックス協会が主催するセミナーなどテクニックを学習する場はありますので、未経験でも知識・技能の習得は可能です。

医療レーザー脱毛

必要資格:医師免許、看護師免許

医療レーザー脱毛は強力なレーザーを肌に照射し、メラニン色素に反応して熱を発生させて毛を生やす組織を破壊する仕組みです。

脱毛手法としては光脱毛(フラッシュ脱毛)と同様ですが、発毛細胞や組織そのものを破壊するほどのエネルギーをもつ強い光を扱うためヤケドや肌トラブルの発生リスクが高く、危険な作業です。

医療レーザー脱毛はその名の通り、美容皮膚科や美容クリニックなどの医療機関で行われる「医療行為」としての脱毛です。

使用する脱毛機材も医療機器ですので、施術は医師や看護師しか許されていません。

脱毛サロン開業で資格を取得する際のチェックポイント

ここまで脱毛サロンを開業するために知っておきたい脱毛・美容関連の資格と脱毛の種類を紹介しました。

では実際に脱毛サロンを開業するために資格を取得するとして、具体的にどのようなことに気を付けたらよいのでしょうか。

脱毛サロン開業に向けた資格取得の目的は「お客様に安心して施術を受けてもらえるよう信頼を得ること」です。

お客様に安心感を与え信頼を得ることを念頭に置くと、資格取得の際のチェックポイントが見えてきます。

認定元の機関は信頼できるか

認定元となる機関・団体が信頼できるものであるかどうかを確認しましょう。

永久脱毛である医療レーザー脱毛以外の脱毛を扱う以上、取得できる資格は民間資格に限られます。

民間資格は数多く存在しますが、その資格の認定機関が信頼できない団体である場合は別の資格取得を検討することをおすすめします。

特に活動の歴史が浅い団体や規模が不明確な認定機関、あるいは講習・セミナーの参加費用が高額である場合、資格更新料が必要以上にかかる場合なども注意が必要です。

取得を考えている資格が既に大手の脱毛サロンでも認定されていたり、多くの脱毛サロンが加入している規模の大きい資格であれば信頼度が高い可能性があります。

脱毛の最新知識を学べるか

その資格を取得する過程で、脱毛サロン開業・経営に必要不可欠な脱毛の最新知識を習得できるかどうか確認しましょう。

資格を取ることが目的なのではありません。

資格を取ることでお客様に安心して施術を受けていただき信頼感を得ることが目的です。

その安心と信頼の獲得のためには、最新かつ正しい脱毛のノウハウを学ぶ必要があります。

テキストが何年も前に作成されたもので情報が誤っていたり、実習で使っている脱毛機材が古かったりといったことのないように、取得を検討している資格の必要カリキュラムやテキスト、実習環境などを事前に確認が必要です。

実技練習やセミナーに参加できるか

専門学校の場合は問題ありませんが、独学で資格を取得する場合は資格取得に向けた実技練習やセミナーに参加できるほうがより実践的に学ぶことができます。

検討している資格はセミナーや実技講習で実際のテクニックも学べるかどうか事前に確認しましょう。

美容脱毛はお客様の肌に直接触れるだけでなく機材を使って施術しますので、やり方によっては肌にダメージを与えかねません。

より安全に施術できるよう、知識だけでなく技術も身につけられる資格が望ましいでしょう。

脱毛サロン開業に必要な資格の取得方法

脱毛サロンを開業するためにはどのような資格を取得する必要があるのでしょうか。

前述のとおり、具体的な資格取得は必ずしも必須ではありません。

しかし、脱毛サロンを運営する上で脱毛の技術や知識は必ず必要ですし、そうした施術のテクニックや知識は一朝一夕で身につくものではありません。

ここでは脱毛の技術や知識の習得方法について説明します。

通信講座

「日中は別の仕事や所用があるためエステティックサロンで勤務することはできない」という方は、通信講座を検討しましょう。

時間や場所を選ばず好きな時間・好きな場所で学ぶことができる通信講座は、働きながら知識や技術を習得したい方におすすめです。

基本的には与えられたテキストや動画教材をもとに自身で学習を進めていき、必要なタイミングでテストや実習を受けることで資格を取得できるケースが多いです。

通信講座は独学に近いためモチベーションの維持が難しく、「テキストのこの部分をもう少し詳しく知りたい」「施術の仕方はこれで正しいのか」など疑問や不安に思うこともあります。

近ごろはzoomを使ったwebミーティングでの講義を組む通信講座もあり、不明点やコツをリアルタイムで質問できる場合もありますので、そうした機会を活用してみましょう。

専門学校

「じゅうぶんな座学で理論をしっかり頭に叩き込んでから、安心できる環境で実習をしたい」という方には、美容系の専門学校に通いながら資格を取得する方法がおすすめです。

専門学校に通学し、カリキュラムを修了することで資格取得できる場合もあります。

美容系の専門学校であれば最新の美容理論を学習することができますし、同志と意見交換をしたり互いにモデルになって練習を重ねることができる点がメリットです。

脱毛そのものの知識・技術の習得のほか、専門学校によってはサロン経営も学習カリキュラムに含まれる可能性もあります。

ただし専門学校への通学には費用と時間が必要なため、脱毛サロン開業までに時間的・金銭的猶予がある方のみ検討できる手法です。

また、学校によっては使用している脱毛機器が古かったり一部の機材しか取り扱っていないということもありますので、入学前に「自分自身の学びたい内容を網羅しているか」「学習したい脱毛機材は設備に含まれているか」など、希望と乖離がないかよく確認する必要があります。

セミナー・講習

資格の認定元である団体や企業は集合型の講習・セミナーを開催していることが多いので、講習やセミナーに参加する方法もあります。

むしろ資格によっては指定の講習・セミナーを受講することが資格取得の条件になっていることもあります。

たとえば認定電気脱毛士(CPE)の受験条件のひとつとして、指定教育のカリキュラム約400時間を修了することがあげられています。

脱毛技術や理論に関する資格の場合、講習やセミナーを受講したあと資格を得るまでには実技を伴う試験がおこなわれることが多いです。

特に脱毛施術の実習は講師が目の前でお手本を見せてくれますので、プロの施術を間近で確認できます。

実際に講師を務めるのも現役エステティシャンやサロン経営者であることも多いので自分の目で見て盗めることや不明点はその場で解消できることがメリットです。

受講から試験まで一気通貫で進められる点では合格に必要な情報が網羅されており効率が良いともいえますが、自分のペースで理解・学習したい方にはスピード感が合わない場合もあります。

脱毛サロンで働く

脱毛技術・知識に関する資格の受験条件には、実務経験が必要とされているものもあります。

たとえば認定電気脱毛士(CPE)や認定登録脱毛師(CRE)では、受験資格のひとつに1年以上の実務経験が必要と記載されています。

ここでいう実務経験とは実際に脱毛サロンで働いて脱毛施術を経験していることを指しますので、脱毛サロンに勤務して技術を身につけるのも手段のひとつです。

脱毛サロンの求人は未経験でも応募が可能な場合が多く、専門学校のように働きながら通うのが難しい方にも仕事をしながら必要な技術や知識を学べるため人気の資格取得の手段です。

ただし実務経験のためとはいえ現在在職中の方はその仕事を辞める必要がありますし、勤める脱毛サロンの環境や人間関係・働き方など必ずしも自分に合う保証はありません。

軽作業とはいえサービス業で肉体労働ですし、多くの脱毛サロンがお客様の仕事終わりに合わせて遅い時間まで営業していることも少なくありません。

そのため夜遅い時間のシフトに入ることで体力的にも限界を感じ、「資格を取るための勉強がなかなか進まない」といった声も聞きます。

「働いてお金をもらいながら資格が取れる」「脱毛サロン経営を実際に見て学べる」こうしたメリットがあることはもちろんですが、現職を手放すリスクや働き方の変化で心身に影響を及ぼす可能性も考えて慎重に選択することが必要です。

まとめ

美容脱毛である以上、脱毛サロンの開業に必要な必須資格というのはありません。

しかし「安心で安全な脱毛を提供できること、そしてその技術があること」はお客様に対する重要なアピールポイントであり、お客様からの信頼感の獲得、ひいては集客力につながります。

またお客様の大切なお肌に万が一のことがないよう、脱毛機材を使用するうえでは肌トラブルのリスクや禁忌も正しく学んでおく必要があります。

加えて「正しく新しい技術・情報を備えた脱毛サロンである」ということも、脱毛サロンとして重要なことだといえます。

多くの場合、美容脱毛に関する資格には有効期限があります。

資格を継続して維持するためには追加で講習やセミナーに参加する必要があり、これによって定期的に情報や知識をアップデートすることができます。

ここまでご覧いただいたとおり、脱毛に関する民間資格は受験資格を得るまでにも必要なカリキュラムの修了までに時間がかかったりと必ずしも安易にとれるものではありません。

ですが時間・労力・費用をかけても資格取得のメリットは大きいため、脱毛サロンの開業に向けて資格を取得することをおすすめします。

このコラムの執筆者

株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
コンフォートジャパンのコラム編集担当です。
美容業界で長く美容機器メーカーとして存続しているコンフォートジャパンが、皆様のお声に応えるべく、脱毛関連はもちろんのこと、サロン運営に役立つ情報を発信していきます。