エステサロンの業務用エステ機器|選び方のポイントと種類を解説
エステサロンで導入されているエステ機器にはどのようなものがあるのか分からないという方は多いのではないでしょうか。
業務用エステ機器と言っても、痩身を目指す機器もあれば肌質改善を目指す機器もあり、さまざまな種類があります。
本記事ではエステサロンで導入されている業務用エステ機器について詳しく解説します。
機器の選び方のポイントなども解説していますので参考にしてください。
業務用エステ機器を導入する理由とは?
まずエステサロンが業務用エステ機器を導入する理由には以下のようなものがあります。
- 今以上の効果が期待できる
- 回転率が向上する
- 施術メニューを増やせる
- 集客アップが期待できる
業務用エステ機器を導入することで得られるメリットについて解説します。
今以上の効果が期待できる
エステサロンの中にはオールハンド(手での施術)で施術を行っているサロンがあります。
オールハンドでの施術は痩身施術やマッサージなどで行われますが、施術できる部位や得られる効果が限られてしまいます。
一方、痩身やリフトアップなどに特化した業務用エステ機器を導入すると、ハンドでは対応できない部位を施術できたりハンドでは得られない効果を期待することが可能です。
また、オールハンドでの施術はエステティシャンの技術力によって効果に差が出やすく、全てのお客様に同等の施術を提供するのが難しくなります。
業務用エステ機器を使用するとエステティシャンの技術力に左右されにくくなるため、お客様の満足度を高めることができます。
回転率が向上する
施術の回転率が向上することも、業務用エステ機器を導入することで得られるメリットです。
オールハンドで施術を行っている場合、1人のお客様に割く時間が長くなりやすく、1日に施術できる人数も限られてしまいます。
回転率が悪くなると得られる収益も少なくなってしまい、サロンの経営に大きな影響を与えます。一方、業務用エステ機器を導入すると、オールハンドでの施術より施術スピードをあげることができ、1日に対応できるお客様の数を増やすことが可能です。
1日の予約枠を増やせることで益をあげやすくなり、予約が取りやすくなることでお客様のリピート来店にも繋がります。
施術メニューを増やせる
業務用エステ機器を導入すると、施術メニューを増やすことができお客様の幅広いニーズに対応できるようになります。
業務用エステ機器のなかには、1台で複数の機能や役割を備えたものがあります。例えば肌質改善機能と脱毛機能を備えたものなどです。
オールハンドでの施術のみを提供しているサロンも、複数の機能を備えた業務用エステ機器を導入すると施術メニューを増やせるようになります。
痩身・肌質改善・脱毛などさまざまな施術に対応できるサロンであれば、幅広いお客様のニーズに対応でき、収益の肌も広げられます。
集客アップが期待できる
業務用エステ機器を導入すると、集客アップを期待できます。
業務用エステ機器は機種によって搭載している機能が異なり、次々と最新の機器が誕生しています。
最新の業務用エステ機器を導入すると、周辺地域の店舗と差別化をはかることができ、機器を導入するだけで集客をアップすることが可能です。
美容施術に興味のある方は、最新の機器や話題の施術に敏感な方が多く、人気の機器を導入することで注目が集まります。
集客をアップするためにも、最新の業務用エステ機器や話題の機器を導入するのがおすすめです。
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業務用エステ機器の種類
業務用エステ機器は、大まかに分けて以下の3種類があります。
- 業務用痩身機
- 業務用脱毛機
- 業務用フェイシャル機
「業務用痩身機」のなかにもさまざまな機器があり、機種によって得られる効果や施術方法が異なります。それぞれの機種の特徴を把握し、お客様のニーズに答えられる機器を導入することが大切です。
ここでは「業務用痩身機」「業務用脱毛機」「業務用フェイシャル機」のそれぞれの特徴を解説します。
業務用痩身機
「業務用痩身機」は、体を細く引き締めるためのエステ機器です。
基礎代謝をあげて痩せやすい体質を作る機器や、筋肉の働きを活性化させることで痩身を目指す機器などがあります。
また全身痩せを目指す機器もあれば、部分痩せを狙える機器までさまざまな種類があるため、機器の特徴を把握してお客様のニーズに合った機器を導入することが大切です。
業務用痩身機には以下の4種類があります。
- 脂肪冷却
- ラジオ波
- 超音波
- 電気刺激
それぞれの機種の効果や特徴についてひとつずつ詳しく解説します。
脂肪冷却
「脂肪冷却」を行う業務用痩身機は、脂肪細胞を凍らせて体外に排出することで、痩身を目指すエステ機器です。
脂肪冷却機器は水と油が固まる温度の差を活かしています。
水を凍らせるためには0℃以下まで冷やす必要がありますが、脂肪(油)は4℃前後まで冷却することで固めることが可能です。
脂肪冷却機器では、脂肪細胞のみが固まる温度まで冷却することで、脂肪を凝固させて排出物として体外へ排出します。
二の腕・太もも・フェイスライン・下腹部など、全身のさまざまな部位に効果を期待できます。
メスを使わないため、体への負担が少なくダウンタイムが起こりにくいのが特徴です。
ラジオ波
「ラジオ波」の業務用痩身機は、ラジオ波(30KHz から300MHz までの周波数)を流して体の奥深くから体温を3〜5℃上げ、脂肪燃焼を促す痩身機器です。
体の奥深くの体温を上げることで新陳代謝を向上させ、脂肪燃焼をサポートして痩せやすい体を目指します。
セルライトの減少やむくみの改善効果を期待することができ、部分的な痩身施術に用いられることが多いです。
超音波
「超音波」の業務用痩身機は、顔やフェイスラインなどの部分的な痩身に多く用いられます。
具体的な機器としては「ハイフ(HIFU)」や「キャビテーション」などです。
超音波の痩身機は、脂肪細胞に超音波を流すことで振動を伝え、脂肪を分解しやすくします。
分解された脂肪細胞は排出物として体外へ排出され、痩身を目指すことができます。
むくみやセルライトの改善効果だけでなく、自力では落としにくい皮下脂肪にもアプローチできるというメリットがあります。
施術時の痛みが少なくダウンタイムも起こりにくいため、挑戦しやすい痩身機器として人気です。
電気刺激
「電気刺激」の業務用痩身機器には、筋肉に振動を与えるEMDや電気バルスなどがあります。
肌表面から運動神経を刺激し、電気刺激により筋肉を動かすことで筋肉トレーニングを促す仕組みです。
脂肪冷却・ラジオ波・超音波などの脂肪細胞にアプローチする機器とは違い、筋肉の働きを活性化させることで痩せやすい体を目指します。
電気刺激の痩身機器だけでもいいですが、運動と組み合わせることで高い痩身効果を期待できます。
業務用脱毛機
エステサロンで使用される業務用脱毛機には、以下の3種類があります。
- IPL脱毛機
- SHR脱毛機
- SCC脱毛機
それぞれ脱毛方法や得意な毛質・肌質が異なるため、それぞれの特徴を把握しておくことが大切です。
IPL脱毛機
「IPL脱毛機」はエステサロンで使用される業務用脱毛機の中で、最もメジャーな脱毛機です。
毛の黒いメラニン色素に反応する光を照射し、毛乳頭に熱ダメージを与えることで抑毛・減毛を目指します。
IPL脱毛機はメラニン色素の多い太く濃い毛に反応しやすく、短期間で脱毛効果を実感できます。一方で施術時の痛みが若干強い・日焼け肌や色黒肌には照射できないなどがデメリットです。
SHR脱毛機
「SHR脱毛機」は「蓄熱式脱毛」と呼ばれる脱毛方式で、低出力の光を連続照射し、毛根を包んでいる毛包に抑制をかける仕組みです。
毛のメラニン色素量に関係なく効果を発揮できるため、毛周期(毛が生え変わるサイクル)に合わせて施術を行う必要がなく、最短1ヶ月に1回施術を行うことが可能です。
IPL脱毛と比べて施術時の痛みが少なく肌への刺激も少ないため、日焼け肌や色黒肌にも照射できます。
ただ一度で得られる効果がゆるやかなため、大きな変化を得るまでには時間がかかります。
SSC脱毛機
「SSC脱毛機」は、抑毛成分を含むジェルと肌に塗布し、その上から光を照射することで毛の生成を抑制する脱毛方式です。
SSC脱毛は他の脱毛方式と比べて肌への負担がかなり少なく、日焼け肌・色黒肌はもちろん、敏感肌やアトピー肌など肌の弱い方にも照射できます。
肌に塗布するジェルには美肌成分が含まれているものもあり、副次効果として肌質改善効果を期待することも可能です。
ただ肌への負担が少ない分効果の現れ方もかなりゆるやかで、大きな変化を得るまでにはかなりの時間がかかります。
フェイシャル機
「フェイシャル機」とは美顔を目指すための業務用エステ機器のことです。
肌質改善を目指す機器もあれば、フェイスアップを目指す機器もあります。
フェイシャルエステに特化しているエステサロンであれば、特徴の異なる複数の機器を導入しておくことで幅広いニーズに対応しています。
代表的なフェイシャル機には以下のようなものがあります。
- イオン導入美顔器
- ラジオ波美顔器
- 超音波美顔器
- EMS美顔器
- エレクトロポレーション
- 複合型美顔器
それぞれ得られる効果が異なるので詳しく解説します。
イオン導入美顔器
「イオン導入美顔器」は、肌に弱い電流を流すことで化粧水や美容液の美容成分を肌の奥まで浸透させるエステ機器です。
肌には水分の蒸発を防ぎ異物の混入を防ぐためにバリア機能が備わっています。
健やかな肌には欠かせないバリア機能ですが、美容成分の浸透も邪魔してしまうため、手やコットンでは肌の奥深くまで美容成分を浸透させることができません。
イオン導入美顔器を使用すると一時的にバリア機能をゆるめることができ、化粧水や美容液に含まれる美容成分を奥深くまで届けられます。
サロンによって組み合わせる美容成分は異なりますが、水溶性のビタミンC・アミノ酸・プラセンタなどを導入することが多くあります。
イオン導入美顔器は「肌の老化が気になる方」「肌の変化を予防したい方」「シミ・くすみ・肝斑・毛穴の開きが気になる方」におすすめです。
ラジオ波美顔器
「ラジオ波美顔器」には、痩身効果を得られる機器から美肌効果を得られる機器までさまざまな種類があります。
ラジオ波が体内の細胞に振動を与えることで摩擦熱が生じ、その部分の熱が上昇します。
血液やリンパの流れがよくなり、老廃物や不要な水分が体外に排出されるため、痩身を目指すことが可能です。
また体内の循環がよくなることで肌のツヤやハリが向上し、肌質改善効果を得ることもできます。
超音波美顔器
「超音波美顔器」は、肌に細かな振動を与えることで、クレンジング効果やタッピング効果をもたらす美顔器です。
毛穴の奥に詰まった汚れを落としやすくしたり、表情筋に刺激を与えてリフトアップを目指したりします。
ディープクレンジング・むくみ解消・リフトアップなどさまざまな効果を得ることが可能です。
EMS美顔器
「EMS美顔器」は、肌表面から筋肉に直接刺激を与え、筋肉トレーニングを促す美顔器です。
顔まわりを中心に筋肉トレーニングをする機器で、フェイスラインのたるみ改善・ほうれい線改善・二重顎の解消・シワ改善などの効果を期待できます。
表情筋を動かさないことで顔のたるみが気になり始めた方や、加齢による肌のシワ・たるみ・フェイスラインのもたつきが気になる方におすすめの美顔器です。
エレクトロポレーション
「エレクトロポレーション」とは、特殊な電流を肌に流し美容成分を肌の奥深くまで浸透させる美顔器です。
特殊な電流を流して皮膚の細胞膜に隙間を作ることで、イオン導入や超音波導入では難しい高分子有効成分を浸透させることができます。
サロンによって組み合わせる美容成分は異なりますが、ヒアルロン酸・トラネキサム酸・ビタミンC・ビタミンA・プラセンタ・コラーゲンなどを導入することが多いです。
肌のシワやたるみ改善・毛穴の縮小・ニキビやニキビ跡改善などの美肌効果を目指せます。
複合型美顔器
「複合型美顔器」とは、名前の通り複数の機能が搭載された美顔器のことをいいます。
導入・高周波・EMSなど複数の機能を搭載しており、1台で複数の効果を得ることが可能です。
複合型美顔機を導入していると、幅広いお客様のニーズに対応できるため、どの業務用エステ機器を選んだらいいか迷っている方におすすめです。
業務用エステ機器の相場
業務用エステ機器は種類によって料金相場が異なります。
ここでは業務用エステ機器の料金相場について詳しく解説します。
それぞれの料金相場を把握し、どの機器を導入したらいいか検討してみてください。
業務用痩身機
業務用痩身機の料金相場は14万〜330万円程度といわれています。
金額差が大きい理由は、搭載されている機能が単体であるか複数であるかどうかです。
ひとつの機能のみを搭載している機器は比較的低価格が安く、複数搭載している機器は価格が高い傾向にあります。
ただ、複数の機能を搭載している機器は価格が高い分、1台で幅広いニーズに対応できるというメリットがあります。
業務用脱毛機
「業務用脱毛機」の料金相場は140万円〜480万円程度です。
エステサロンで導入される業務用脱毛機は、それぞれ脱毛方式や得られる効果が異なります。
冷却ジェルを使用する脱毛機の場合、脱毛機自体の料金だけでなくジェルのランニングコストなども発生します。
フェイシャル機
「フェイシャル機」の料金相場は20万円〜280万円程度です。
フェイシャル機は機器によって得られる効果や施術方法が異なります。
どのようなサロンにしたいのか、お客様はどのような効果を求めているのかによって導入する機器を選ぶことが大切です。
効果だけでなくダウンタイムや副作用も異なるので、事前に把握しておくようにしましょう。
業務用エステ機器の選び方|6つのポイント
業務用エステ機器を選ぶ際のポイントは以下の6つです。
- 得られる効果
- 安全性
- 昨日の豊富さ
- サポート体制
- メンテナンスサポート
- 機器の保証
ひとつずつ詳しく解説しますので、今後業務用エステ機器を導入しようと検討している方は参考にしてください。
得られる効果
業務用エステ機器はそれぞれ得られる効果が異なります。
痩身機・脱毛機・フェイシャル機の中でも機種によって得られる効果が異なるため、希望の効果を得られる機器を選ぶことが大切です。
サロンのコンセプトやお客様のニーズに答えられる機器を選ぶようにしましょう。
安全性
業務用エステ機器は一定の安全面は保証されていますが、機器によって安全性の高さが異なるため事前に確認することが大切です。
エステサロンでは医療資格を持たないスタッフが施術を行います。
万が一トラブルが発生してしまうとすぐに対応することができないため、どのスタッフでも安全に使えるかどうかを確認しておくことが重要です。
機能の豊富さ
業務用エステ機器は、機種に搭載している機能が異なります。
複数機能を搭載している機器であれば、1台でさまざまなニーズに対応することが可能です。
幅広いお客様のニーズに答えるためにも、機能が充実しているエステ機器を選ぶのがおすすめです。
サポート体制
業務用エステ機器を選ぶ際は、サポート体制が整っているかどうかも確認することが大切です。
機器によっては購入することで、以下のようなサポートを受けられる場合があります。
- エステサロンの集客方法
- スタッフの育成方法
- カウンセリング方法
機器のサポートだけでなく、サロン経営に関する知識を伝授してもらえる点はメリットといえます。
特に初めて美容業界に参入する方や、経営方法が分からないという方はサポート体制が充実している機器を選ぶことで不安を解消できます。
メンテナンスサポート
メンテナンスサポートが充実しているかどうかも確認したいポイントです。
エステ機器は毎日使用していると故障してしまったり不備が出てしまったりする可能性があります。
修理までに時間がかかってしまうとお客様にご迷惑をおかけするだけでなく、収益を挙げられなくなってしまいます。
故障時にすぐメンテナンスしてもらえる機器を選ぶのが大切なポイントです。定期ケアや緊急時の対応について事前に確認しておくようにしましょう。
機器の保証
業務用エステ機器を選ぶ際は、保証期間や保証内容も確認しておく必要があります。
万が一故障してしまっても、保証付きの機器であれば無料で修理してもらうことが可能です。
ランニングコストを抑えるためにも、保証期間・保証内容について注意が必要です。
まとめ
今回は業務用エステ機器について解説しました。
業務用エステ機器には「痩身機」「脱毛機」「フェイシャル機」などさまざまな種類があります。それぞれ得られる効果や値段が異なるため、お客様のニーズに対応できる機器を選ぶことが大切です。
お客様の来店につなげるためにも、導入後の施術を想定して脱毛用エステ機器を選ぶようにしましょう。今後の店舗経営につながるきっかけにしてもらえたら幸いです。