ニードル脱毛の特徴とは?脱毛時の痛みとメリット・デメリットについて解説
『ニードル脱毛』は極細の針を毛穴に挿入し、ムダ毛を1本1本抜いていく脱毛方式です。
脱毛法の1つとして名前は聞いたことがあるものの「どのような脱毛方式なのかよく分からない」「ニードルって日本語だと針という意味だから痛くて怖そう」と疑問に思う人は多いでしょう。
そこで本記事では、ニードル脱毛がどのようなもので痛みはあるのかについて、メリット・デメリットをあげて詳しく解説します。脱毛の施術を受ける際の参考にしてください。
ニードル脱毛(針脱毛)の特徴とは?
ニードル脱毛はその名の通り、針(プローブ)を使って脱毛する方法ですが、電気を使って脱毛することから、美容電気脱毛とも呼ばれます。毛穴に専用の細い針を挿入し、電流や高周波を流すことで、毛根や毛乳頭を熱で直接、変性・破壊する脱毛方法です。
ニードル脱毛の歴史は古く、約140年以上前から使われており、永久脱毛が行える方法として知られています。いちどダメージを受けた毛根や毛乳頭などの発毛組織は回復しないため、永久脱毛の効果が得られやすくなります。ただし、1本1本の毛穴に対して処理が必要となり、時間を要す脱毛方法といえます。
ニードル脱毛(針脱毛)の5つの方法
ニードル脱毛には以下の5種類の方法があります。
- 電気分解法(電解法)
毛穴に挿入した針から電流を流すことで体液を電気分解し、生じたアルカリで毛根を破壊して脱毛する方法です。施術時に痛みを伴います。
- 高周波針脱毛(熱解離法)
毛穴に挿入した針から高周波電流を流して毛根を熱変性させて脱毛するため、施術に痛みを伴います。「スーパーフラッシュ脱毛」と「フラッシュ脱毛」の2種類に分けられます。
- ブレンド法
電気分解法と高周波針脱毛法のよいところをミックスした脱毛方法で、相乗効果によって長期間の脱毛を可能にします。
- 絶縁針脱毛(医療針脱毛)
針先以外は絶縁されているため、肌へのダメージが少ない方法です。
- ショートウェーブ法
毛穴に針を挿入し、高周波を流して毛根や毛乳頭などの発毛にダメージを与える脱毛方法です。高周波脱毛よりも高周波を流す時間が短いため、痛みが少ない施術方法となります。
ニードル脱毛(針脱毛)の仕組み
上記のとおりニードル脱毛とは、電気が流れる針を使って施術する脱毛方法ですが、他の脱毛方法よりも大きな脱毛効果が期待できます。
例えば、アルカリ泉と呼ばれる温泉につかると肌がつるつるになりますが、これはアルカリ性(pHが7以上)の水によって皮膚表面の角質層が溶けるからです。このようにアルカリは物を溶かす作用があるため、電気分解法では毛根を破壊して永久脱毛効果をもたらします。
また、高周波電流による熱で毛根を熱変性させて脱毛を図る高周波針脱毛ですが、時間がたてば組織が回復するため効果持続期間は短くなります。
絶縁針脱毛(医療針脱毛)の仕組みについて
絶縁針脱毛(医療針脱毛) はクリニックなどの医療機関で導入されている脱毛方式です。
絶縁針脱毛(医療針脱毛)の特徴は下記の4つです。
- 毛根や毛乳頭を破壊する
- 永久脱毛効果がある
- 医療機関のみで導入されている
- 皮膚に触れない絶縁針で安全
毛穴ひとつ一つに極細の針を差し込み、電気を流して毛根や毛乳頭を破壊します。発毛組織を破壊できるため、一度施術した毛穴から再度毛が生えてくることはありません。
絶縁針脱毛は肌に触れる部分が絶縁されている針を使用するため、火傷や痛みなどのトラブルを軽減することが可能です。
美容電気脱毛と比べて安全性が高く確実脱毛効果を期待できることから、費用が高額になりやすいというデメリットがあります。
美容電気脱毛の仕組みについて
美容電気脱毛は、脱毛サロンやエステサロンで導入されているニードル脱毛です。
美容電気脱毛の特徴は下記の4つです。
- エステサロンで導入されている
- 絶縁針脱毛より低価格
- 電気の出力が弱い
- 3種類の方法がある
毛穴に極細のプローブ(先端が丸い針)を刺し込みムダ毛を処理します。美容電気脱毛には3種類の方法がありそれぞれ脱毛の仕組みが異なります。
電気分解法 | フラッシュ法 | ブレンド法 | |
脱毛方法 | 電気分解作用を利用して毛根を破壊する | 高周波の熱で発毛組織を破壊する | 電気分解法とフラッシュ法を組み合わせた方法 |
特徴 | 最も早く開発された方法 | 1本あたり1秒以下で脱毛できる | 1本あたり5〜15 |
どの方法も絶縁針脱毛と同様に永久脱毛効果を得ることが可能です。
費用が比較的低価格で絶縁針脱毛の20%程度の価格で受け入れることができます。
美容電気脱毛は針が肌に触れるため、火傷や痛みなどのトラブルのリスクが高いという点がデメリットです。
ニードル脱毛(針脱毛)は基本的に「医療行為」とされています。脱毛サロンやエステサロンで導入しているところもありますが、違法になる可能性もあるので注意が必要です。
ニードル脱毛と医療レーザー脱毛の違いは?
ニードル脱毛と医療レーザー脱毛では、施術方法が全く異なります。
医療レーザー脱毛は、高出力のレーザーを広範囲に照射して脱毛する方法です。レーザーは毛の中のメラニン色素(黒い色素)と反応し、熱を発生させます。
医療レーザー脱毛は、この熱で毛根や毛乳頭などの発毛組織を変性・破壊して永久脱毛効果を得る方法となります。ニードル脱毛は1本1本の毛根を処理して脱毛するため脱毛に時間がかかりますが、医療レーザー脱毛はレーザーを用いて一度に広範囲を脱毛できるため効率的です。
ニードル脱毛とエステティックサロンとの違い?
ニードル脱毛は毛穴(毛のう)に針を挿入して電気をながすことで毛根等の発毛組織を破壊する脱毛方法であるため、医療行為とみなされます。また、医療レーザー脱毛についても毛乳頭などを熱変性・破壊するため同様です。
つまり、ニードル脱毛も医療レーザー脱毛も基本的には医療機関でしか施術できません。
エステティックサロンで施術できるのは、基本的には皮膚に負担 を与えず毛の幹細胞を破壊しない範囲での美容ライト脱毛(光脱毛)だけということになります。
ただ一部の電気脱毛法については、「可罰的違法性がないと認められる」というケースもあるため、出力や体への負担については充分な注意が必要です。
ニードル脱毛(針脱毛)の痛み・回数・期間の比較
ニードル脱毛の痛みや必要な回数・期間を他の脱毛方式と比較について解説します。
ニードル脱毛 | 光脱毛 | レーザー脱毛 | |
痛み | かなり痛い (絶縁針脱毛は麻酔使用可) | 少し痛い | 痛い (麻酔使用可) |
回数 | 好きなだけ | 12〜18回程度 | 5〜8回程度 |
料金相場 | 800,000円〜 (2,000本) | 100,000円程度 (6回あたり) | 150,000円程度 (5回あたり) |
ニードル脱毛は他の脱毛方式と比べてかなり強い痛みを伴います。
クリニックでの施術であれば麻酔を使用することもできますが、それでも光脱毛やレーザー脱毛と比べると痛みを感じます。
光脱毛やレーザー脱毛は「部分的な脱毛プラン」もありますが、「全身脱毛プラン」を提供しているケースがほとんどです。自己処理の必要がない程度まで脱毛するためには、光脱毛は12〜18回程度・レーザー脱毛は5〜8回程度の施術が必要とされています。
一方、ニードル脱毛は気になる部分を脱毛することですぐに永久脱毛効果を得ることが可能です。費用や体への負担を抑えて広範囲の脱毛をしたい人は光脱毛やレーザー脱毛、気になる部分を脱毛したい人はニードル脱毛と脱毛を行う目的によって脱毛方法の検討が必要といえます。
痛みを感じやすい部位
ニードル脱毛で痛みを感じやすい部位は、皮膚が薄く敏感な部位となります。特に以下の4部位(ワキ、顔、手の甲と指、VIOライン)で痛みを感じやすいようです。
部位 | 理由・状況 |
ワキ、顔 | ワキや顔は特に皮膚が薄い部位であり、痛みを感じやすい。麻酔(表面麻酔)などを用いて施術する場合が多い。 |
手の甲と指 | 手の甲と指は敏感であるため痛みを感じやすいが、本数は少ないので麻酔を使用しない場合もある。 |
VIOライン | VIOラインは毛の本数が多く、敏感なため、強い痛みを伴います。麻酔が欠かせません(表面麻酔)。 |
ニードル脱毛(針脱毛)が向いている部位はどこ?
ニードル脱毛が向いている部位は、毛の本数が少ない部位、狭い範囲、黒ずみがある部位、日焼けした肌、綺麗に形を整えたい部位(ヒゲや眉など)となります。
例えば、顔、乳輪、VIOゾーンが当てはまります。部位について解説していきます。
乳輪部
乳輪部は皮膚が薄く、敏感な部位のため、施術時に強い痛みを伴いますが、ニードル脱毛で永久脱毛するべき部位といえます。
乳輪部は乳房など周辺と比べて少し黒ずんでいる(着色している)ため、医療用レーザー脱毛には適さないのです。
理由は、 着色部のメラニン色素がレーザーで加熱されてしまうため、影響を受ける危険性があるからです。無用なリスクを排除するため、ニードル脱毛をおすすめします。
VIO
VIOゾーンは、陰部や肛門周辺となるため、医療用レーザーには適さない部位を含んでいます。また、一部の光脱毛にも適さない部位があります。
一方、ニードル脱毛であれば、1本1本ずつ脱毛が可能なため、ヘアの形を整えたり、揃えたりするには非常に相性が良いでしょう。多くの本数を処理するのではなく、必要なポイントにしぼって施術可能であることがVIOゾーンに適している理由です。
顔
顔には医療用レーザーや光脱毛では脱毛効果がない細い産毛(着色が弱く、メラニン色素量が少ない)が、たくさん生えています。
そのため、しっかり永久脱毛をするためには、ニードル脱毛が必須となります。
ニードル脱毛では、1本1本の毛穴に針を挿入し、必要な箇所を必要な量だけ脱毛できることから理想の形状に整えることが可能です。男性ではヒゲを、女性では眉毛や産毛、うなじなどを綺麗に整えたいと考えている人には向いています。
ニードル脱毛(針脱毛)のメリット
ニードル脱毛(針脱毛)には以下のようなメリットがあります。
- 即効性が高い
- 日焼け肌や敏感肌の肌質にも対応している
- 狭い部位(VIライン・眉毛)に適している
- 産毛や白髪も脱毛できる
- 毛周期に合わせることなく脱毛できる
ニードル脱毛のメリットをひとつずつ詳しく解説します。
メリット1:即効性が高い
ニードル脱毛(針脱毛)の大きなメリットは即効性が高いことです。
光脱毛やレーザー脱毛は施術を行ってから徐々に毛が抜けていくため、効果を実感するまでに時間がかかります。
一方ニードル脱毛は、電気を流した後にピンセットで毛を引き抜くのですぐに効果を実感することが可能です。
一度施術した毛穴から再度毛が生えてくることは無く、時間をかけずに永久脱毛効果を得たいという人に適しています。
メリット2:日焼けや敏感肌の肌質にも対応している
ニードル脱毛(針脱毛)は、日焼け肌や色黒肌、敏感肌やアトピー肌などの肌質にも対応可能です。
照射タイプの脱毛方式は黒いメラニン色素に反応する光やレーザーを使用するため、色素量が多い日焼け肌や色黒肌には照射できません。
敏感肌やアトピー肌も熱による肌トラブルのリスクがあり、照射タイプの脱毛方式は受けられないケースがほとんどです。一方ニードル脱毛は色素に関係なく施術でき、幅広い肌質に対応ができます。
メリット3:狭い部分(VIライン・眉毛)に適している
ニードル脱毛(針脱毛)は、VIラインや眉毛など狭い部分の脱毛に適しています。
VIラインなどの施術範囲が狭い部分は、光脱毛やレーザー脱毛では照射漏れが発生することがあります。ニードル脱毛ではそれらの照射漏れした毛を脱毛するのに最適です。
また、ニードル脱毛は毛穴ひとつ一つを施術するため眉毛などのデザイン脱毛にも適しています。他の脱毛方式での照射漏れ部分を脱毛したい人や、Vライン・眉毛などをデザインしながら脱毛したい人におすすめです。
メリット4:産毛や白髪も脱毛できる
ニードル脱毛(針脱毛)は、産毛や白髪も脱毛することが可能です。
前述した通り、照射タイプの脱毛方式はメラニン色素に反応する光やレーザーを使用するため、色素量の少ない産毛には反応しにくく効果を得るまでに時間がかかります。
また色素のない白髪は脱毛をすることができません。ニードル脱毛は毛穴に針を刺し発毛組織に直接ダメージを与えられるため、産毛や白髪も脱毛することが可能です。
メリット5:毛周期に合わせることなく脱毛できる
毛周期(毛が生え変わるサイクル)に合わせることなく脱毛できる点もニードル脱毛のメリットです。照射タイプの脱毛方式は成長期の毛にしか効果を発揮しないため、毛周期に合わせて施術を行わなければなりません。
そのためには1ヵ月半〜2ヵ月程度施術間隔をあける必要があり、脱毛を完了するまでに時間がかかります。
毛穴に直接アプローチできるニードル脱毛は成長期以外の毛にも効果を発揮するため、毛周期に合わせることなく施術を行うことが可能です。
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ニードル脱毛(針脱毛)のデメリット
多くのメリットがあるニードル脱毛(針脱毛)ですが、以下のようなデメリットもあります。
- 強い痛みが生じる
- 部位によって施術時間がかかる
- 脱毛方法の中で料金が高額
ここからはニードル脱毛のデメリットについて、ひとつずつ詳しく解説します。
デメリット1:強い痛みが生じる
ニードル脱毛(針脱毛)の大きなデメリットは施術時に強い痛みが生じることです。
針を刺す際にも痛みを感じますが、電気を流したときの痛みがかなり強く、人によっては「耐えられないほどの痛み」を感じます。医療機関で行う絶縁針脱毛は、針が肌に触れることがないため美容電気脱毛と比べると痛みは強くありません。
また医療機関では麻酔の使用が認められており、施術時の痛みを軽減することが可能です。
美容電気脱毛は痛みや火傷のリスクが高く、施術時は十分注意する必要があります。
デメリット2:部位によって施術時間がかかる
ニードル脱毛(針脱毛)は部位によって施術時間がかかるというデメリットもあります。
理由は「毛穴に針を刺して電流を流しピンセットで下を抜く」という多くの工程が必要だからです。ニードル脱毛は1分間に8本〜10本程度施術できるとされており、1時間では400本程度脱毛できます。
そのため毛量の多いワキやVラインを脱毛する場合、多くの施術時間が必要です。
デメリット3:脱毛方法の中で料金が高額
光脱毛やレーザー脱毛と比べて料金が高額になりやすい点もデメリットです。
ニードル脱毛は「1本あたり何円」「時間あたり何円」といった料金設定になっています。
1本あたり400円、1分あたり300円とした場合以下のような料金が必要です。
デメリット4:血液検査を行う必要がある
ニードル脱毛では毛穴に針を挿入して施術を行うため、万が一を考えて、血液や体液で感染する感染症にかかっていないかを確認する必要があります。
針は各個人ごとで交換し他人の針を使い回しするようなことはありませんが、施術者の安全と感染症予防の観点から血液検査が必要です。
B型肝炎やC型肝炎・梅毒の感染の恐れがあるため検査を行うクリニックもあります。
これらの感染症やエイズなどにかかっている場合は、施術を受けることができないため、心当たりがある場合は事前に相談をするようにしてください。
まとめ
希望する部位を効果的に永久脱毛することができるのが、ニードル脱毛の特徴です。また、ニードル脱毛は永久脱毛の方法の中で最も効果が高いことも大きな強みを持っています。
ただし、ニードル脱毛はその特性上、かなりの痛みを伴う施術です。「痛みがある脱毛方法」であることを認識しておくことが重要です。
なお、基本的には「ニードル脱毛」は「医療行為」とされるため、脱毛サロンでの導入は違法行為に当たる可能性があります。
ニードル脱毛の導入や、利用については注意して検討することが大切です。