レーザー脱毛と光脱毛との違いとは?効果・仕組み・種類の比較を解説
脱毛は、脱毛クリニックや皮膚科などの医療機関で受けられる「レーザー脱毛」と、脱毛サロンやエステサロンなどの美容サロンで受けられる「光脱毛」があります。
さらに脱毛方法にも種類がありレーザーの種類も違うため、どのような脱毛が自分に合っているのか混乱してしまうでしょう。
それぞれの脱毛方法の特徴や脱毛効果・仕組みや種類の違いを知ることで、自分に合った脱毛が受けられます。
本記事では脱毛方法の違いについて解説します。特徴やメリット・デメリットを比較して、脱毛方法選びにお役立てください。
レーザー脱毛と光脱毛との違いとは?
レーザー脱毛と光脱毛の大きな違いは、脱毛を受ける場所と扱える脱毛機の種類、施術する人などに違いがあります。
『レーザー脱毛』は国の許可を得た医療機関で受けられる施術で、国家資格を持つ医師や看護師が施術に入ります。
脱毛機は医療器で医療用のレーザーを扱えるため高出力のレーザーを照射することができ、医療行為として発毛組織を破壊し「永久脱毛」の効果が得られる脱毛方法です。
『光脱毛』は美容サロンで受けられる施術で、研修を受けたスタッフが施術に入ります。
扱う脱毛機や施術者の資格は不要です。
光脱毛機で弱い光を照射して発毛組織にダメージを与えて発毛の働きを弱め、毛の成長を遅らせる、毛が細くなるといった「減毛・抑毛」効果が得られる脱毛方法です。
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レーザー脱毛と光脱毛の効果の違い
レーザー脱毛と光脱毛の違いはそれだけではありません。
熱を照射して発毛組織にダメージを与えるという方法は同じですが、脱毛効果に違いがあります。
それぞれの脱毛効果の違いを知ることで、毛質や肌質、目的に合った脱毛方法がわかるでしょう。
レーザー脱毛と光脱毛の効果の違いについて解説します。
レーザー脱毛は永久脱毛の効果を期待できる
レーザー脱毛は、医療用に製造された脱毛機のため、発毛組織を破壊できるほどの強いパワーで照射できます。
複数回照射することで発毛組織を破壊して毛を生やさなくすることができるので、「永久脱毛」が可能な脱毛方法です。
1回の脱毛効果が高いため、光脱毛より少ない回数で脱毛効果を実感できるメリットがありますが、高温の熱を照射するので痛みを感じやすい脱毛方法でもあります。
最近のレーザー脱毛機には冷却機能が搭載されていたり、照射と同時に冷風を噴射して痛みを和らげる方法があるので、ひと昔前の脱毛機よりは痛みを緩和できるようになっています。
医療機関なので麻酔を使用できるクリニックもあるため、少しでも痛みを和らげながら脱毛を受けたい人には麻酔がおすすめです。
レーザーのパワーが強いので、その分肌に負担がかかり肌トラブルのリスクもありますが、医師が在中しているため施術中にトラブルが起きてもすぐに適切に処置してもらえます。
光脱毛は痛みが少なく制毛・抑毛の効果がある
光脱毛の脱毛機は穏やかな光を照射して発毛組織にダメージを与え、発毛の働きを弱めます。
発毛組織を壊すことができないため「減毛・抑毛効果」になり、毛の生えるスピードが遅くなって自己処理の回数が減ったり、毛が細くなって目立ちにくくなったりといった効果が得られます。
1回の脱毛効果が穏やかなので複数回通う必要がありますが、レーザー脱毛より照射熱が低いため痛みが少ないのがメリットです。
医療機関ではないため麻酔は使用できませんが、毛が密集していたり濃い部分でも我慢できないほどの痛みではありません。脱毛の痛みが心配な人でも受けやすいでしょう。
光脱毛機でも冷却機能搭載のものがあり、痛みを緩和させるような工夫がされています。
レーザー脱毛と光脱毛の仕組みの違い
レーザー脱毛と光脱毛は、熱を照射して発毛させる組織にダメージを与えるという仕組みは同じです。
レーザー脱毛は発毛組織を破壊して発毛の働きを止めることができるのに対し、光脱毛は発毛の働きを弱める脱毛方法です。
照射できる熱の温度や波長は、脱毛方法やレーザーの種類によって違います。
レーザー脱毛と光脱毛のそれぞれの仕組みや違いについて解説します。
光脱毛の仕組み
光脱毛でも発毛組織へのアプローチ方法が違うなど種類がありますが、どの方法も光を照射した熱によって発毛組織にダメージを与え、発毛の働きを弱めるという仕組みは同じです。
光脱毛の光のパワーはレーザーに比べると穏やかで弱いため、発毛組織を破壊するまでの威力はありません。
発毛組織を破壊することは医療行為となり、医師や看護師しか行えないため、光脱毛では永久脱毛できないのです。
「毛の生えるスピードが遅くなって自己処理が楽になった」「毛が薄くなってきた」といった『抑毛・減毛効果』が得られます。
発毛組織は残ったままなので、外部から刺激を受けたりホルモンバランスの変化など、何らかの影響で再び毛が生えてきたり、濃くなってしまう可能性があります。
光脱毛の仕組みや脱毛効果を理解することで、レーザー脱毛とも比較しやすくなるでしょう。
レーザー脱毛の仕組み
レーザーは単一種類のレーザーを照射し、波長の長さの違いによって脱毛効果や向いている毛質・肌質が異なります。
特定の色素や物質に反応する性質を活かしたレーザー脱毛は、高出力で照射できるため発毛組織を破壊することができます。
発毛する器官を壊すことによって毛を生えなくさせるので、毛根細胞を生やす機能が失われて『永久脱毛』が可能な脱毛方法です。
しかし永久脱毛といっても脱毛した箇所の毛がすべてなくなり、全く生えてこなくなるわけではありません。
日本には永久脱毛の定義がないためアメリカの定義で見てみます。
- FDA(アメリカ食品医薬品局):「一定の脱毛施術を行った後に再発毛する本数が、長期間において減少し、その状態が長期間に渡って維持されること」
- AEA(米国電気脱毛協会):「最終脱毛をしてから1ヶ月後の毛の再生率が20%以下であれば永久脱毛と認める。」
レーザー脱毛を複数回行うことで、長期間毛のない状態を維持できる脱毛効果が得られます。
蓄熱式と熱破壊式とは?
脱毛方法は『蓄熱式』と『熱破壊式』があり、ターゲットとする発毛組織が違うため、向いている毛質や肌質が違います。
蓄熱式は発毛を促す器官である「バルジ領域」をターゲットにしており、毛を包む毛包全体に熱を照射して蓄熱させてダメージを与えていきます。
バルジ領域は皮膚の浅い部分にあるので、照射熱が低くても充分な脱毛効果が得られるため、痛みが少ないのが特徴です。
毛周期に関係なく通え、高速連射で肌の上をなでるように照射するので施術期間も施術時間も少なくすみます。
メラニンに作用しないので、どんな毛質や肌質にも対応でき、産毛にも効果的な脱毛方法です。
熱破壊式は毛の黒いメラニン色素に作用する熱を照射し、毛の元となる「毛母細胞」と毛母細胞に栄養を送る「毛乳頭」に作用してダメージを与え、毛を作り出せなくさせます。
1発ずつ照射するので単発式やショット式と呼ばれ、高温の熱を照射するので痛みを伴います。メラニン色素が多いほど反応しやすいので、太くて濃い毛に向いている脱毛方法です。
毛が肌表面に出ている20〜30%程度の毛にしか脱毛効果がないため、毛の生え変わる毛周期に合わせて1〜3カ月間の期間を空けて通う必要があります。
レーザー脱毛と光脱毛の種類の違い
脱毛方法は「レーザー脱毛」と「光脱毛」がありますが、さらに細かく種類が分かれます。
毛の黒い色素に反応する性質を持つ熱を照射して毛根組織に作用する方法、毛を包む毛包全体に熱を与えてダメージを与える方法があり、レーザーにも種類があります。
それぞれの脱毛方法にはメリットだけでなくデメリットもあるので、特徴や違いを知ることでより効果的な脱毛効果が得られるでしょう。
レーザー脱毛と光脱毛の種類と、特徴や得意としている毛質・肌質など詳しく解説していきます。
レーザー脱毛の種類
レーザー脱毛に使われるレーザーはおもに3種類あり、照射するレーザーの長さの波長や向いている毛質・肌質が違います。
- アレキサンドライトレーザー
- ダイオードレーザー
- ヤグレーザー
アレキサンドライトレーザー | ダイオードレーザー | ヤグレーザー | |
波長 | 755nm | 810/940nm | 1,064nm |
脱毛方法 | 熱破壊式 | 熱破壊式/蓄熱式 | 熱破壊式 |
効果を感じやすい毛質 | 普通~太い毛 | 産毛~太い毛 | 産毛~太い毛 |
効果を感じにくい毛質 | 産毛/白髪 | 白髪 | 白髪 |
向いている部位 | ワキ・手・足 | 全身 | VIO・ワキ |
向いていない部位 | 背中・ヒゲ | - | - |
日焼け肌・地黒肌への対応 | × | ○ | ○ |
それぞれのレーザーの特徴や違いについて知っておくと、毛質や部位に合わせたレーザーで、より効果的な脱毛ができます。
クリニックや脱毛機器選びは脱毛効果を左右するほど重要なことであり、脱毛リスクの回避にもつながります。
レーザーの種類の違いやメリット・デメリットについて詳しく解説します。
1.アレキサンドライトレーザー
『アレキサンドライトレーザー』は755nmの波長を持ち、単発式(ショット式)の照射が可能です。
波長が短いためメラニンの吸収に優れているので、皮膚の浅い部分の照射でも、毛を作り出す器官の「毛母細胞」と「毛乳頭」を破壊することができます。
メラニン色素の多い太くて濃い毛ほど脱毛効果を実感しやすいでしょう。
日本の厚生労働省でも脱毛効果があると認可されている脱毛機が多いため、多くのクリニックで積極的に導入しているので、実績の多いレーザー脱毛機でもあります。
ただしメラニン色素の少ない細い毛や産毛には反応しにくく、地黒や日焼け肌には照射できません。
波長が短いため、毛が太くて濃くても毛根の深いヒゲなどには向かないことがあります。
脱毛効果を上げようと高いパワーで照射すると、毛が硬くなる硬毛化を起こすリスクもあるため注意が必要です。
2.ダイオードレーザー
「ダイオードレーザー」810nm〜940nmの波長を持つレーザーです。
ダイオードという名の通り半導体技術を応用しているため、メラニン色素に作用する「熱破壊式」と、毛を生やす指令部分のバルジ領域に作用する「蓄熱式」に切り替えられる脱毛機もあります。
波長はアレキサンドライトレーザーとヤグレーザーの中間で、毛根への深さやメラニンへの吸収もちょうど中間くらいにあたるレーザーです。
2つのレーザーのいいとこどりをした性能を持ち、2種類の脱毛方法も使用できるので全身脱毛に向いているため、導入するクリニックも増加しています。
蓄熱式はメラニン色素に関係なく作用するため、産毛に対して効果が期待できます。
3.ヤグレーザー
「ヤグレーザー」は医療用のレーザー脱毛の中では一番長い波長の1064nmで、単発式(ショット式)の照射が可能です。
毛根深くまで熱を届けることができるため、太くて濃いヒゲなどに向いています。
メラニン色素に反応しにくい性質なので、色素沈着があっても表皮焼けしにくく、地黒や日焼け肌でも照射可能です。
ただし波長が長く高出力で照射するため、レーザーの種類の中では最も痛みを感じやすいというデメリットがあります。
ほか2種類のレーザーより導入しているクリニックが少ない傾向にもあります。
光脱毛の種類
光脱毛もレーザー脱毛と同じく種類があり、脱毛方法やターゲットとしている発毛組織が異なります。
光脱毛の種類はおもに3種類です。
- IPL脱毛
- SSC脱毛
- SHR脱毛
レーザー脱毛は単一のレーザーを集中的に照射しますが、光脱毛は複数の種類の波長を含んだ光のため、広範囲に照射できます。
それぞれの脱毛方法の特徴やメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
1.IPL脱毛
『IPL脱毛』はインテンス・パルス・ライトの略称で、毛の黒いメラニン色素に作用する光を照射する脱毛方法なので、仕組みは熱破壊式と同じです。
光脱毛の中で一番初めに出た方法で、美容サロンでは主流となっているため、光脱毛=IPL脱毛を指すことが多いです。
メラニン色素に作用するので太くて濃いVIOやワキ毛などに効果的で、広い範囲に照射できます。
光脱毛の中では高温の熱を照射するため痛みを感じやすいので、少しでも緩和したい場合は冷却機能が搭載された脱毛機を選ぶといいでしょう。
地黒や日焼け肌には照射できず、細い毛や産毛には効果を感じない場合があります。
2.SSC脱毛
『SSC脱毛』はスムース・スキン・コントロールの略称で、抑毛効果のあるジェルを塗り、上からクリプトンライトという光を照射して脱毛する方法です。
クリプトンライトがジェルの中の主成分であるフィリニーブに反応し、トレジャービーンズという粒に閉じ込められた有効成分を光で溶かし出すように設定されています。
フィリニーブは抑毛効果のある大豆イソフラボンや、鎮静効果のあるヤナギ科の植物エキスなどが配合されており、美肌効果も期待できる成分です。
照射熱が低いため痛みが少ないので、キッズ脱毛として子供の脱毛でも使用しているサロンもあります。
ただし脱毛効果が穏やかなため、脱毛効果を実感するまでには回数と期間がかかります。
3.SHR脱毛
『SHR脱毛』はスーパー・ヘア・リムーバルの略称で、仕組みは蓄熱式と同じく毛を生やす指令を出す「バルジ領域」をターゲットにした脱毛方法です。
メラニンの影響を受けず毛周期も関係なく照射できるため、IPL脱毛が不得意としている産毛や日焼け肌でも照射可能です。
弱い熱をジワジワと蓄熱してダメージを与えるので、痛みが少なく肌への負担も少ない脱毛が受けられます。
メラニン色素に作用する脱毛方法は今生えている毛に作用するので、毛がポロポロ抜けて脱毛効果を実感しやすいですが、蓄熱式は毛が抜け落ちないため脱毛効果がわかりにくいというデメリットがあります。
これから生える毛の種の段階にアプローチしているので、毛が徐々に細くなっていくなどの効果の見え方で、実感するまでにも期間がかかります。
まとめ
レーザー脱毛と光脱毛の違いについて解説しました。
照射した熱によって発毛組織にダメージを与えるという仕組みは同じですが、詳しく見ていくとたくさんの違いがあります。
脱毛方法やレーザーの種類によって得意としている毛質や対応している肌質が違うため、脱毛方法の違いについて知ることは、脱毛選びでの重要なステップです。
脱毛したい部位と脱毛方法が合っていないと、なかなか脱毛効果を実感できず、費用や時間を無駄にしてしまうこともあります。
違いや特徴を理解することで、まずはレーザー脱毛にするか光脱毛にするか、熱破壊式か蓄熱式かなど細かく検討しながら進めていくことができるでしょう。
自分に合う最適な脱毛方法をみつけるために、ぜひこの記事を参考にしてみてください。