光脱毛の効果とは?!|光脱毛の原理と種類や仕組みについて詳しく解説
光脱毛という言葉は聞いたことがあっても、原理や種類・仕組みまでは詳しくわからない人も多いのではないでしょうか。
今回は光脱毛について詳しくまとめました。どれくらいの回数で理想の状態に近づくのか、キレイな状態はどれくらいキープできるのかについてもご紹介します。
基本的な脱毛の知識をチェックしたい時や、これから脱毛サロンに通おうか悩んでいる人も参考にしてみてください。
光脱毛の効果とは?!
エステサロンの光脱毛は異なる波長の光を当てて、気になる毛を細く目立たない状態に導く美容法です。定期的に回数を重ねることで、徐々に毛の状態を整えるので短期間よりも時間をかけてじっくりと行う必要があります。
光脱毛はクリニックで取り扱う医療脱毛よりも比較的費用が安いので、手軽に脱毛ケアを始めたい人にも人気です。レーザー式の医療脱毛よりも照射時の痛みが少ないので、痛みが苦手という人にもおすすめです。
しかし光脱毛は厳密には「減耗」のため永久的な効果はなく、ツルすべの肌を永久的にキープすることはできません。除毛の自己処理よりも長く理想の状態を保つことができますが、時間が経てばやわらかい毛が生えてくるということを意識しておいた方が良いでしょう。
知っておきたい光脱毛の基礎知識
光脱毛をなんとなくイメージできても、「毛にどのような影響を与えるのか詳しくはわからない」という人も少なくありません。
ここでは、光脱毛を知る上で欠かせない脱毛の基礎知識をご紹介していきます。
「美容の知識がほとんどない」「毛が目立たない肌になればいい」という人も、脱毛を調べる時によく出てくる単語の意味を知り、自分と相性の良い脱毛方法を見つけてみてください。
よく聞く毛乳頭や毛母細胞とは?
脱毛を調べると「毛乳頭」と「毛母細胞」という単語がよく出てきます。どちらも毛の生成に深くかかわってくる部分ですが、それぞれにこのような役割と違いがあります。
- 毛乳頭…毛細血管から栄養を取り込み栄養を毛に与える
- 毛母細胞…栄養を取りこみ細胞が分裂することで毛の生成する
毛乳頭は毛細血管と繋がっていて栄養素を取り込み、細胞分裂に必要な栄養を供給する働きを持っています。
毛母細胞は毛乳頭にある「毛乳頭細胞」から栄養を受け取り細胞分裂を繰り返すことで、毛を「角化」し生成を行います。
毛の「角化」とは毛母細胞が分裂を繰り返した際、細胞が毛へと成長して硬くなることです。毛母細胞が活発になると角化も行われやすくなるため、より太くしっかりとした濃い毛が生成されやすくなります。
ちなみに毛母細胞は毛の生成を促す役割と、成長し切った毛が抜け落ちやすいように成長をストップする指令を出す役割も兼ねている大事な部分です。
毛が抜け落ちても毛乳頭と毛母細胞は抜け落ちることなく、そのまま毛根に残ります。
毛乳頭と毛母細胞はどちらも皮膚表面から見えない毛根部分にあるので、光脱毛では皮膚に光照射による熱エネルギーを使って毛にアプローチを行います。
脱毛効果に関する毛周期とは?
脱毛では毛乳頭や毛母細胞の他にも「毛周期」という言葉もよく聞かれますが、毛周期とは毛の生え変わるサイクルのことを指します。
毛根が生成されて毛が太く伸びていく「成長初期」と「成長期」、毛が成長し切った状態になり生成がストップされる「休止期」・古くなった毛が抜け落ちやすくなる「退行期」の4段階に分かれています。
休止期・退行期は毛の成長を促す毛母細胞の分裂が落ち着くため、メラニン色素に反応しやすい光やレーザーの照射は成長期のタイミングで行うのがポイントです。
脱毛ケアを行う上で注意したいのは、全身の体毛がすべて同じタイミングで毛周期を迎えているわけではないことです。
成長期を迎えている毛もあれば、退行期で抜け落ちるタイミングの毛も混ざっているため、理想の状態に整えるためには定期的に照射回数を行う必要があります。
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光脱毛の原理
ここまで脱毛の基礎知識をご紹介しましたが、どうやって光脱毛で毛の目立たない状態に整えるのか詳しくはわからない人もいるのではないでしょうか。
皮膚表面に当てた光の熱エネルギーが角質層の奥にある毛根まで届くのは、毛に含まれるメラニン色素がポイントです。成長期の毛は「毛包」に覆われて毛乳頭としっかり繋がっているため、皮膚表面に照射した熱エネルギーが毛のメラニン色素を通して伝わります。
さらに毛の主成分は「ケラチン」と呼ばれるタンパク質で形成されているため、照射による熱エネルギーで凝固し毛乳頭を弱らせます。毛をしっかりと固定する力も弱まるため、毛が抜けやすくなり、徐々にやわらかく目立ちにくい毛質へと導きます。
光脱毛の種類や仕組み
光脱毛といっても脱毛方法には「IPL脱毛」「SSC脱毛」「SHR脱毛」といった種類があり、それぞれにメリット・デメリットも異なります。
肌質や照射時の痛みの感じ方によっても相性があるので、光脱毛を検討している場合は自分はどのような脱毛方法が向いているのか一緒にチェックしてみましょう。
①IPL脱毛
IPL脱毛は「インテンス・パルス・ライト」の略で、メラニン色素に反応しやすい複数の波長のキセノンランプを使用した脱毛方法です。カメラのフラッシュのように照射時にピカッと光るため、「フラッシュ式脱毛」とも呼ばれています。
IPL脱毛はメラニン色素に反応しやすいため色の濃い毛や、しっかりと太さのある毛を目立たなくさせたい人に向いています。照射範囲が広いため広範囲の照射を1回カバーしやすく、全身や広範囲の脱毛ケアを一気に進めたい時にもおすすめです。
IPL脱毛は日本で長く親しまれている光脱毛法で、サロンで導入されている業務用脱毛器の中でもIPL脱毛を搭載しているものが多いです。
冷却機能付きや連射式など脱毛器の種類も豊富で、様々な国内外のメーカーが販売しています。照射時の痛みが気になる人は冷却機能がついているか、出力の調節をしてもらえるかどうかもチェックしておくと良いでしょう。
毛の状態によって定期的に照射した方がいい頻度は異なりますが、毛のメラニン色素に反応しやすいことから、IPL脱毛は毛周期に合わせて1ヶ月~3ヶ月に1回を目安に通うのが一般的といわれています。
メリット・デメリット
IPL脱毛はメラニン色素の濃い太い毛に反応しやすいため、黒々とした毛を目立ちにくくキレイに整えたい時に向いています。光脱毛の中では出力が高めで、1回の照射パワーに優れているのも大きなメリットです。
一方出力が高めな分、他の光脱毛よりも照射時の痛みを強く感じる場合があります。痛みが苦手な人は事前に照射を試してみると良いでしょう。
メラニン色素に反応しやすい波長の光を使用するため、皮膚の色がもともと濃い人や日焼け後の黒っぽくなった肌・ほくろのある部分には照射することができません。
しっかりと日焼けした後は肌が本来の色まで落ち着いてから照射をするか、他の脱毛方法を選んでみましょう。
IPL脱毛がおすすめの人
濃く太い毛が気になる人はIPL脱毛が向いています。特に脇やVIO・ヒゲに生えやすい太くしっかりとした毛が目立つ部分におすすめです。
広範囲への照射も得意とする脱毛器が多いため、一気に全身脱毛や広範囲をお手入れしたい人にも向いています。
光脱毛の中では出力がやや高めなので、肌刺激があまり気にならない人の方が照射時の痛みを強く感じにくいでしょう。
②SSC脱毛
SSC脱毛とは「スムーススキンコントロール」の略で光を皮膚になじみやすくするジェルを塗布し、光を照射することで毛を目立たない状態に導く脱毛方法です。
メーカーによってはジェルに保湿成分が配合されているものがあり、脱毛ケアと美肌のお手入れを同時に叶えてくれます。
SSC脱毛ではクリプトンライトを使用するためメラニン色素に関係なく照射ができ、色の濃いしっかりとした毛だけでなく、産毛のようなやわらかい毛にもアプローチし目立たない状態に整えてくれます。
しかしIPL脱毛と比べると1回の照射時の出力がやや低めのため、照射回数を多く重ねる必要があります。
メリット・デメリット
SSC脱毛はジェルと光の「二刀流」で脱毛ケアを行うため、光照射の出力は低く痛みが少ないのがメリットです。肌刺激に敏感な人や、痛みが苦手でムダ毛ケアに悩んでいる人にも向いています。
保湿成分がたっぷりと配合されているジェルの場合、照射後の乾燥しやすい肌を潤いのある美肌へ整えてくれます。
しかしジェルは水分を多く含みヒヤッとした感覚があるので、寒い時期や広範囲の脱毛ケアを1回に行う時は体が冷えを感じてしまう人もいます。ジェルは光照射後にスタッフが拭き取ってくれますが、他の脱毛方法よりも1回の脱毛サービスにかかる時間が長くなりやすいです。
照射時の出力が低いため毛質によっては照射回数を多く重ねる必要があり、脱毛期間が長くなりやすいのもデメリットでしょう。
SSC脱毛がおすすめの人
脱毛ケアと美肌を両立しやすいSSC脱毛は、毛を目立たせなくさせ脱毛サービスによる肌の乾燥が気になる人に向いています。
肌刺激に敏感で皮膚がカサつきやすい人や、照射時の痛みが心配という人にもおすすめです。
毛質によって脱毛期間が長くなりやすいので、痛くても短期間で集中的に毛を目立たなくさせたいという人よりも、じっくりと時間をかけて肌のコンディションを理想に近づけたい人向きと言えるでしょう。
③SHR脱毛
SHR脱毛は「スーパー・ヘアー・リムーバブル」の略で、照射時の熱エネルギーを毛を覆う毛包部分に与えて弱らせ徐々に目立ちにくい状態へ整える脱毛方法です。毛全体に熱エネルギーが蓄積しやすいので、「蓄熱式脱毛」とも呼ばれることがあります。
SHR脱毛はIPL・SSC脱毛のように毛根部分ではなく、「バルジ領域」という毛の生成を促す幹細胞の一種にアプローチするため、毛のメラニン色素や毛周期に関係なく照射回数の頻度を重ねることができます。
バルジ領域自体は発毛分野の研究で2000年~2001年頃に発見されたものであるため、SHR脱毛はIPL脱毛やSSC脱毛よりも比較的新しい脱毛方法です。導入しているサロンが少ないため、ネットに掲載されている口コミ数も多くはありません。
しかしSHR脱毛はメラニン色素に反応するライトを使用せず低出力の熱エネルギーでアプローチを行うため、照射時の痛みが少なく肌への負担も軽減できます。
1回の照射出力は低めなので、人によっては照射回数を多くなり脱毛期間が長く必要となる場合もあります。
メリット・デメリット
バルジ領域に熱エネルギーを与えるSHR脱毛は、メラニン色素を含まない産毛や皮膚の色の濃い部分にも照射することが可能です。
衣類の摩擦や、自己処理で肌のくすみが目立つ脇・VIOの脱毛ケアも行いやすいというメリットがあります。
毛周期に関係なく照射ができるので、2週間に1回程度を目安に定期的な予約をしスケジュール管理がしやすいのも特徴です。
しかし比較的新しい脱毛方法のため、SHR脱毛のサービスを取り扱うサロンが少ないのがデメリットと言えます。
照射出力はやや低めなので体毛の状態によっては照射回数を多く重ねる必要があり、脱毛期間が長くなる可能性もあります。
SHR脱毛がおすすめの人
SHR脱毛は毛のメラニン色素の有無に関係なく照射が可能なので、頻繁に日焼けを繰り返している人や地肌が黒っぽい人・ほくろのある部分にも照射ができます。
頻繁な自己処理で肌が色素沈着をしてしまい、くすみが目立ちやすい脇やVIOのお手入れも向いています。
色素の薄い産毛ややわらかい毛にもアプローチして目立たなく整えるので、背中や二の腕・太ももなどの広範囲の脱毛をしたい人にもおすすめです。
光脱毛の目安回数とは?
実際に光脱毛は何回繰り返せば理想の状態になるのか、どのくらいの期間通う必要があるのか気になる人は多いです。
照射する部位の毛質や脱毛方法によって差がありますが、一般的には5~6回照射を重ねると毛が徐々に弱く目立ちにくい状態に整いやすくなります。
毛が抜け落ちやすくなる場合もあるので、人によっては「照射前のシェービング処理が簡単になった」と感じるケースもあります。
しかし完全なツルすべの肌を目指したい場合は、もっと回数を多く重ねる必要が出てくるのであくまで目安回数を覚えておくと良いでしょう。
光脱毛は1回照射しただけで理想の状態になれるわけではありません。1回目はあくまで照射時の痛みの度合いや、脱毛サービスとの相性を見るテストのような気持ちで受けてみるのがポイントです。
光脱毛に必要な期間と費用の目安
光脱毛に必要な期間は照射の回数に応じて異なります。どのくらい状態を目指すかによって必要な照射回数も変わるので、以下にまとめた回数の目安を参考にしてみてください。
- 5~6回…自己処理の頻度が少なくなる
- 6~12回…毛自体が細く目立ちにくくなる
- 13回以上…細い毛が目立ちにくい肌を長く保ちやすくなる
もともと生えている毛が目立ちにくい場合は、上記よりも少ない回数で脱毛期間を終える人もいます。
サロンでの光脱毛は毛周期に合わせたり、定期的な頻度で行ったりする必要があるため、毎日のように頻繁に照射することはありません。
一般的にIPL脱毛・SSC脱毛の場合は2~3ヶ月に1回の頻度で光照射を行うため、自己処理の頻度が少なくなる5~6回を目安にすると脱毛期間は1年ぐらいかかります。
部位や体毛の様子によって異なりますが、毛がほとんど目立たないツルすべの状態を目指す場合はさらに回数が必要になるので、2~3年かけて脱毛期間に通う人も少なくありません。
しかしSHR脱毛は毛周期に関係なく照射ができるため、2週間に1回のペースで照射することが可能です。照射パワーはIPL脱毛よりも低めのため、自己処理の頻度が少なくなるまでは最短でも6ヶ月前後の脱毛期間が必要となるでしょう。
サロンによって費用は大きく異なりますが、5~6回の光脱毛にかかる平均費用は5~8万前後です。10回以上のコースの場合は15~20万円前後かかります。
金額だけ見ると高額に感じられますが、クリニックの医療脱毛と比べると比較的低価格で設定されているので脱毛ケアの費用を抑えたい人にも向いています。
光脱毛が可能な範囲は?
光脱毛では、一般的に顔から足の指まで全身の照射が可能です。
しかしサロンによっては粘膜に近いIOラインや顔の中でも鼻から上の範囲は対応不可な店舗もあるので、自分の希望部位が対応可能な範囲内かどうか事前にチェックしておくと良いでしょう。
生理中は衛生面を考慮しVIOラインは照射ができないので、照射が可能な範囲以外にも注意事項はよく確認しておくのがポイントです。
光脱毛の痛みはどれぐらい?
光脱毛はレーザー式の医療脱毛と比べると、照射時の痛みはそれほど強くないと言われていますが、痛みがまったくないわけではありません。
色が濃く太い毛に対してメラニン色素に反応しやすい光照射をした場合、パチンとゴムで肌を叩いたような感覚や、強めの肌刺激を感じる人もいます。
蓄熱式脱毛の場合は照射時の熱エネルギーで肌がじんわりと温まった感覚になったり、皮膚の内側がピリピリとするような違和感があったりする人もいるので、痛みの程度は脱毛方法や体毛の濃さによっても違いがあります。
脱毛サービスに通い始めの1~3回は照射時の痛みを感じていた人も、毛がやわらかくコシのない状態に整うにつれて痛みがやわらいできたという場合もあります。
体毛の質・脱毛方法以外にも、皮膚が乾燥していると肌のバリア機能が低下して照射時の刺激を強く感じてしまう人もいるので、照射時の痛みが気になる人は肌の保湿ケアも意識して行いましょう。
光脱毛の効果はいつまで続くの?
エステサロンで行われる光脱毛は厳密に言うと「減耗」です。脱毛期間が終わった後の肌の状態を永久的に持続することはできないので注意しましょう。
光脱毛は定期的な照射を終えると、いつかは体毛が生えてきます。
脱毛期間を終えた後の肌がいつまで続くのかは個人差が大きく関係していて、ホルモンバランスの乱れや照射漏れがないかどうかによっても異なります。
数年理想の状態をキープできた人もいれば、予想よりも早く毛が生えてきてしまったという人もいるので、一概にはいつまで続くのかという断言はできません。
しかし医療脱毛でも一生まったく毛が生えないとは言い切れません。自分に合った脱毛ケアを見つけることが大切です。
光脱毛と家庭用脱毛器の違い
光脱毛の原理はエステサロンの業務用脱毛器だけでなく、家庭用美容機器にも使われています。
家庭用脱毛器の出力は業務用よりも低出力に設定されているので、理想の状態を目指すにはサロンに通うよりも多くの回数を重ねる必要があります。
さらにセルフ光脱毛を行う場合はすべて自分で行う必要があるため、自分から見えにくい部分は照射ムラになったり、アフターケアや片付けなどの細かい手間がかかったりします。
しかし誰にも見られずに脱毛ケアを行えるので、サロンに通うのが恥ずかしい場合は家庭用脱毛器を試してみるのも1つの手段です。
まとめ
光脱毛は照射時の熱エネルギーを毛根部分や毛を覆う毛包・バルジ領域に与えて、毛を弱らせて目立たない状態へ整える方法です。
IPL脱毛・SSC脱毛・SHR脱毛と3種類の光脱毛をご紹介しましたが、出力の違いなど特徴が異なるので自分の体毛や痛みが苦手かどうかなどを考慮しながら、脱毛方法を選んでみるのがおすすめです。
光脱毛は1回のみでは理想の状態にはなれないので、自己処理が楽になる5~6回を目安に回数をプラスしてみましょう。
今回ご紹介した光脱毛の原理や脱毛の基礎知識を参考にしながら、自分に合った脱毛方法を見つけてみてください。