更新日:2022.04.26

エステティックに関する法律と注意するポイントを解説

エステティックに関する法律と注意するポイントを解説

『エステティック業』は特別な資格が不要ですが、範囲外の施術を行い法律に抵触しないように注意が必要です。健全なサロン経営を行い、お客様の安全を守るためにも、エステティックに関する法律についてチェックしましょう。

施術や表現方法などに関する法律

エステティックに関連する施術を行うにあたり、まずは『施術内容』や『表現方法』に関する法律をチェックしておきましょう。

関連記事

脱毛サロンの開業に必要な準備と重要ポイントまとめ

医行為は法律違反

『医師法第17条』において『医師でなければ医業をしてはならない』という法律があります。人体に危険を与える可能性のある施術は、方法・内容によっては医行為に該当するため、処罰の対象に成り得るのです。

脱毛業界において『医療脱毛』は、医療行為に該当します。医師・看護師など『国家資格』を持つ人のみが施術することができ、無資格の人が施術を行うと法律違反になるのです。

また、完全に毛をなくす『永久脱毛効果』を得られるのは医療脱毛だけとなります。エステが扱う光脱毛では「完全に毛をなくす」ことは謳えないため注意しましょう。

このほか、以下のような法律があります。

法律名

内容

あはき法

エステティックで施されるマッサージは『美容マッサージ』『エステティックマッサージ』と区別する

柔道整復師法(柔整法)

骨盤矯正のように治療目的の医業類似行為は法律違反

理学療法士及び作業療法士法

 

美容師法

まつ毛エクステンションの施術には『美容師免許』と『美容所許可』が必要

理容師法

容姿を整える・美しくするために『化粧品』や『医学部外品』を用いるためには『理容師・美容師免許』が必要

フェイシャルエステ施術の規制

『フェイシャルエステ』は、一般的に首までの部分をケアするエステを指します。ここではフェイシャルエステ施術の規制について見ていきましょう。

理容師や美容師の施術範囲

理容師や美容師の施術範囲は、全身美容に関しての1967年の通知によると、美容師法は通常『首から上の容姿を美しくするために用いられるため、範囲が拡張されてもそれには該当しない』と定義しています。

また、美顔施術に関しての1981年の通知によると、『当該施設が容姿を整え,又は美しくするために化粧品又は医薬部外品を用いる等、業を行うに当たって公衆衛生上一定の知識を必要とするような場合には,理容師・美容師免許が必要』と定められているのです。

つまり、首から上を美しくするための施術は、理容師・美容師の施術範囲となります。

加えて化粧品や医薬部外品を用いて施術を行うためには、理容師・美容師の免許が必須です。

エステの施術者は特定の条件下で免許が必要ない

理容師や美容師の施術範囲を考えると、「フェイシャルエステは違法行為ではないか?」と不安を感じる方もいるかもしれません。

しかし、美容施術でも『簡単なマッサージ・肌の汚れ落とし程度』であれば『理美容師法の範囲に該当しない』と判断されており、エステティックでの施術が認められているのです。

加えてフェイシャルエステは首から上の施術となりますが、現在の解釈では、顔とデコルテを一緒に施術することで、全身美容の一部と捉えられ、理容師・美容師の資格がなくても行えるとされています。

そのため、資格を持たずにフェイシャルだけを提供している場合、美容師法に抵触する可能性があるため注意が必要です。

カウンセリングや商品販売に関する法律

続いては、お客様の問題・悩みに専門的な知識や技術で相談援助する『カウンセリング』・お客様に商品を売る『商品販売』に関する法律について見ていきましょう。

薬機法と景品表示法に注意

カウンセリングや商品販売を行う際は『薬機法』『景品表示法』に要注意です。抵触すると措置命令として消費者庁のHPに公開されます。

薬機法は『医療品・医薬部外品・化粧品・医療機器』に関する法律です。「脂肪を分解できる」「肌あれやニキビが治る」のような表現は、医療行為と誤認される恐れがあるとして規制の対象になります。

一方、景品表示法は『広告に関して規制する法律』です。商品・サービスの品質の表示に関して不当表示や拡大表示をしてはならないと定めており、消費者の誤解を招くような広告表示はNGとされています。

サロン環境や運営に関連する法律

サロン環境や運営に関連する法律もあります。詳しく見ていきましょう。

公衆浴場法と個人情報保護法

エステサロンを開業するにあたり特別な資格や免許は不要です。

ただし、サロン内に入浴・シャワー・サウナなどの設備を設置する場合は『公衆浴場法』が適用されます。エステを開業する地域の保健所にて許可をもらうことを忘れないようにしましょう。

また、エステサロンに限らず、お客様の情報を扱う場合は『個人情報保護法』の適用対象です。

お客様の名前や性別などのプライバシーな情報は、使う目的を説明・目的外で使用しない・漏洩しないように保管することが、個人情報保護法の基本的なルールになります。

契約に関連する法律

エステサービスを提供する際には、お客様と契約を結ぶ必要があります。ここでは契約に関する法律についてチェックしましょう。

民法と消費者契約法にまずは気をつけましょう

『民法第22条』では契約の成立と方式について、契約はサロンとお客様の『申込み』と『承諾』の二つの要素で成り立つことを定めています。

また、契約の際は契約内容と締結の証拠を残す必要があるのです。ただし、形式や手続きは自由で、書面・電子契約でもよいと考えられています。

『消費者契約法』では、サロンとお客様の間で情報の認識に差異が生まれた場合、契約を取り消すことができる法律です。以下のような行為は、消費者契約法違反となるため注意しましょう。

  • 契約の際に嘘の内容を伝える
  • 不確実な将来を確実であるかのように説明する
  • お客様が店からの退去を希望しているのに帰さない

 特定商取引に関する法律(特定商取引法)

『特定商取引に関する法律(特定商法取引法)』は、事業者による違法・悪質な勧誘を規制し、消費者の利益を守る法律です。

主に訪問販売や通信販売、キャッチセールスといった消費者トラブルが発生しやすい取引が規制の対象とされています。また、エステサロンも対象です。

エステサロンは1980年代以降、急速に需要が拡大し、消費者に一般的に認知されている業界の一つです。

しかし、急速な拡大に伴い2000年代には全国の消費者生活センターに苦情申込みが殺到したといわれています。

そのため、エステサロン業界も特定商取法の指定業種となり、営業の規制を受けることになったそうです。

エステティック事業者の方が注意すべき特定継続的役務提供

特定商取法の中でもエステティックの事業者が注意すべきポイントは『特定継続的役務提供』です。

詳しい内容と合わせて、適用条件・適用が除外される条件について見ていきましょう。

適用条件

『特定継続的役務提供』は、継続的かつ長期的にサービスを提供する取引を指す取引類型です。

期間が長くなるに比例して金額も高額になりやすく、契約時の説明不十分・途中解約といったトラブルが発生するケースが多いことから規制対象になったとされています。

エステティック業において、特定継続的役務提供の規制対象となるのは以下の通りです。

  • 1.法人・個人事業主を問わずエステティック経営者であること
  • 2.脱毛・美顔・痩身・全身美容など国が指定するサービス内容であること
  • 3.契約金額が『5万円を超える』、提供期間が『1カ月を超える』こと

(3)の内容が規制対象になるかどうかの判断で重要とされています。

例えば契約書では1カ月ごと更新であっても、実際は1カ月以上の契約が前提となっていた場合は、実質的な期間で判断されるそうです。

また、金額は入会金や消費税などを含めた総額と定められています。

参照:特定商法取引ガイド

適用が除外される場合

特定継続的役務提供の適用が除外される場合は、以下の通りです。

・事業者間取引の場合

・海外にいる人に対する契約

・国、地方公共団体が行う販売または役務の提供

・特別法に基づく組合、公務員の職員団体、労働組合がそれぞれの組合員に対して行う販売または役務の提供

・事業者がその従業員に対して行った販売または役務の提供の場合

出典:適用除外(法第50条)|特定商法取引ガイド

特定継続的役務提供が対象になった場合の規制内容

では、特定継続的役務提供の対象となった場合は、どのような規制を受けるのでしょうか?

契約前の規制と契約後のルールがある

特定継続的役務提供の『契約前の規制』は以下の通りです。

  • 契約前に概要書面、契約時に契約書の2種類を渡す義務
  • 拡大広告の禁止
  • 消費者が求めに応じて、事業者の財務内容などの書類を閲覧できるようにしておく

このほか、契約後に解除を妨げるために事実と違うことを告げる・契約時に故意に事実を告げない・相手を脅迫して困惑させることなどが禁止行為として定められています。

契約後には『消費者が主張できるルール』として以下のものがあります。

  • 契約の解除(クーリング・オフ制度)
  • 中途解約

特定継続的役務提供に違反した場合、業務改善指示・業務停止命令・業務禁止命令などの行政処分、罰則の対象になる恐れがあるため要注意です。

保険が付帯しているお得なエステ機器

法律を適切に守り、機器を正しく使用していてもトラブルが発生する可能性はゼロとは言い切れません。

万が一の事態に備えて保険が付帯している機器を選ぶと、安心してエステ経営ができるでしょう。

ここでは保険が付帯しているお得なエステ機器を紹介します。

Renaissance ルネッサンスGT-R

『ルネッサンスGT-R』は、約3000台の導入実績を誇る業務用脱毛機『ルネッサンス』シリーズの最新脱毛機です。

こちらの脱毛機には『PL保険』が付帯しています。機器トラブルによりお客様とのトラブルが起きた際、保険による対応可能です。

また、万が一のトラブル・クレームに対応する『ドクターサポート』を完備しています。『一般社団法人日本・医療美容研究協会(JMB)』と提携しており、賠償保険にも対応可能です。

さらに、最大保証期間は『3年間』と長めに設定しています。トラブルには専門スタッフが迅速に対応し、代替機の提供も最短で実施します。

ルネッサンスGT-Rの詳細はこちら
ルネッサンスGT-R

まとめ

エステティックに関わる法律を学ぶことは、エステの信頼・お客様の安全を守ることにつながります。

「知らなかった」で済ませてしまうと、いざというときに対応を誤ってしまいかねません。

健全なサロン運営に取り組むためにも、エステティックに関わる法律を含めた正しい知識を身に付けるようにしましょう。

このコラムの執筆者

株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
株式会社コンフォートジャパン コラム編集担当
コンフォートジャパンのコラム編集担当です。
美容業界で長く美容機器メーカーとして存続しているコンフォートジャパンが、皆様のお声に応えるべく、脱毛関連はもちろんのこと、サロン運営に役立つ情報を発信していきます。