キッズ脱毛のメリット・デメリット|施術を受ける際の注意点を解説
近年、子ども向けコスメやスキンケア商品が増えており、年齢や性別を問わず見た目に気を遣う人が増えていることがうかがえます。
特にムダ毛に関する悩みは小中学生の間でも非常に重要な問題で、毛量の多さ・濃さがきっかけとなりいじめに発展する可能性もあります。
一般的にムダ毛が生えはじめる時期は思春期の第二次性徴といわれますが、身体の変化とともに心も敏感になりやすい時期でもあります。
そのため、心身の大きな変化に伴ってムダ毛に対して「恥ずかしい」「見られたくない」といった抵抗感を抱く子どもも多いようです。
そうした悩みを抱える子どもとその親に対して、一部の脱毛サロンでは「キッズ脱毛」を取り入れていることがあります。
本コラムでは、「キッズ脱毛とはどのようなものか」「メリット・デメリットはあるか」など解説していきます。
キッズ脱毛とは?何歳から脱毛できる?
キッズ脱毛とは、その名の通り子ども向けの脱毛のプランやメニューのことを指します。
一般的には小学生・中学生の義務教育層(7〜15歳)を対象としており、これを超える場合は通常の大人向けの脱毛と同じ扱いになります。
7歳からと指定する脱毛サロンが多いのは、施術時に異変があった際に施術者と問題なくコミュニケーションがとれることが前提となっているためです。(痛みを感じたことを伝えることができる等)
子どもは大人よりも皮膚の角質層が薄く刺激に敏感なため、大人向けの脱毛よりも肌に優しく安全性が高い方法をとって施術することが多いといわれています。
思春期に差し掛かるとムダ毛の悩みが増え、学校や習いごとの着替えシーンで肌を露出する機会があると「周りからの目が気になる」と考える子どもも少なくないようです。
セルフケアでは不適切な処置で肌トラブルに発展するリスクもあるため、より安全にムダ毛を処理するために子どもにも脱毛サロンを利用させたいと考える親世代も増えています。
キッズ脱毛の脱毛回数や期間はどのくらい?
キッズ脱毛で必要な施術回数やかかる期間はどのくらいなのかが気になる方も多いと思われますが、大人の脱毛と大きな違いはありません。
一般的な毛周期にあわせて通うことになるので、2〜3ヶ月に1回のペースで施術します。
脱毛したい部位にもよりますが、大人と同様5〜8回程度の施術で自己処理がほとんど不要な状態に近づけることができます。
費用は医療脱毛かサロンの光脱毛かによって大きく変わるため、それぞれ詳しく解説します。
医療脱毛
医療脱毛はサロンでの光脱毛に比べ高出力のレーザーを使用した脱毛機器を使用するため高価なぶん少ない回数で効率よく脱毛ができます。
「子どもを何回も脱毛に通わせるのは大変」と考える方は医療脱毛から検討するかもしれませんが、問題なのはその価格です。
キッズ脱毛のメニューがあるクリニックでは、大人向けの脱毛料金の10〜50%程度に割引した価格で提示していることが多いようです。
- (都内脱毛クリニックの例)
ワキ6回 大人23,000円前後 キッズ16,500円前後
キッズ脱毛の取り扱いがあるクリニックとそうでないクリニックがありますので、検討している脱毛クリニックのメニューをあらかじめよく確認する必要があります。
サロン脱毛
サロン脱毛は医療脱毛のレーザーよりも弱い光の照射で発毛組織にアプローチするので、医療脱毛よりも肌に負担がかかりにくいのが特徴です。
「子どもの敏感な肌を脱毛するのだから、安全性が最優先」と考える方は、サロン脱毛を検討するかもしれません。
医療脱毛に比べてサロン脱毛の1回あたりの費用は安い傾向がありますが、脱毛完了までにかかる総費用でみるとあまり差がない可能性もあります。
一般的にキッズ脱毛のメニューを取り扱っている脱毛サロンでは、ワキ1回あたり1,800円前後から全身希望部位の月額制など多様な選択肢があります。
いずれにせよ大人の料金よりも安価に設定されていることも多いので、まずは通いやすい範囲で取り扱いのあるサロンを探してみましょう。
キッズ脱毛のメリット
「ムダ毛が多くて恥ずかしい」「毛の処理のことなんて友だちには相談できない」など、思春期の悩みのなかでもムダ毛にまつわる話題は深刻です。
だからこそ、キッズ脱毛は近年注目を集めており利用者も少しずつ増えています。
そんなキッズ脱毛ですが、大人になる前から脱毛をすることでどんなメリットがあるのでしょうか。
授業や部活に集中できる
子ども本人のメリットとして大きいのが、体育の授業や部活、水泳・バレエ・ダンスといった習いごとなどの肌を露出するシーンでも気にせず集中できる点です。
キッズ脱毛をしている子どもの多くはキッズモデルや子役タレントなど小さいうちから特別な仕事をしていることが多いのでは?と思うかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
「体育の授業で着替えている時に友達に毛の多さをからかわれた」
「習いごとのバレエをするのにムダ毛が濃いのが気になって集中できない」
周りの目に敏感になりやすい時期だからこそ、授業や習いごとに集中できるためにもキッズ脱毛をする子どもが増えています。
コンプレックスを解消することで学校生活や校外活動の充実につながります。
ムダ毛を気にせずおしゃれを楽しめる
今ではランドセルの色も一律でなく「自分らしさ」を表現するツールのひとつであるように、大人も子どもも自分を表現できるおしゃれを楽しむ人が増えてきました。
ムダ毛の処理ができていないと、特に夏場はワキや膝下の毛が気になって袖の短いトップスもスカートも気軽には着用できません。
大人もムダ毛によってファッションを楽しめないということはよくありますが、さらに子どもの場合はリンクコーデや双子コーデなどおそろいの服で出かける機会もあります。
そうしたせっかくのお出かけの機会にもムダ毛を気にせずおしゃれを楽しむことができるのは、キッズ脱毛のメリットといえます。
自己処理による怪我や肌トラブルを防止できる
子どもの皮膚の角質層は大人の肌の約50%の薄さであり、非常に敏感であるといわれています。
そんな敏感な肌をムダ毛の自己処理で痛めてしまっては怪我のもとや肌トラブルの可能性があり、親の目から見ても危険です。
カミソリで深く剃りすぎてしまいカミソリ負けを起こしたり、毛抜きで毛流れに逆らって抜くことで埋没毛・毛嚢炎になったりといった肌トラブルを防ぐには、安全性の高いサロン・クリニックでの脱毛が安心です。
キッズ脱毛であれば講習やトレーニングを受けた施術者が丁寧に脱毛をしてくれるので、怪我・肌トラブルのリスクを最小限に抑えて脱毛ができます。
キッズ脱毛のデメリット
キッズ脱毛には、子どもならではのデメリットも存在します。発達が不完全な子どもの身体を脱毛するのであれば、デメリットを十分理解したうえで施術を受けなくてはなりません。
特に、効果の持続性や痛みに耐えられるかどうか・日焼け予防など、子どもの意思も尊重したうえで「こうしたデメリットはあるが、それでも脱毛をしたいか」を親は事前に確認する必要があります。
十分な脱毛効果を得られない可能性がある
子どもはホルモンバランスや細胞の活動が大人とは異なり不安定な状態です。
脱毛は「毛周期」にあわせて繰り返し光やレーザーを照射することで発毛細胞にダメージを与えますが、子どもの場合は大人に比べ発毛組織も未発達なのでこの「毛周期」が安定していません。
そのため大人の脱毛に比べると、同じ回数の施術を受けても十分な脱毛効果が期待できなかったり、脱毛完了までに時間がかかったりします。
脱毛完了後に毛が生えてくる可能性がある
脱毛効果は大人になっても半永久的に保証できるものではなく、大人になってからしばらくして再び毛が生えてくる可能性はあります。
一般に思春期と呼ばれる時期は第二次性徴の時期であり、これは脳の指令で性腺刺激ホルモンが分泌されることで起こる様々な身体の変化の総称です。
第二次性徴ではムダ毛が増えたり初潮・精通があったりと身体的な目に見える変化のほかにも、体内のホルモンバランスも大きく変化します。
特に女性が顕著ですが初潮の前後ではホルモンバランスは非常に大きく変化し、これによって毛周期にも影響を及ぼします。
本来であればこのホルモンバランスの変化を見越して第二次性徴以降に脱毛を始めるのが効果的です。
第二次性徴を終える前に脱毛を始めたいと考えている場合は、こうした毛周期の変化が大人になってから新たにムダ毛を引き起こす可能性があることを認識しておく必要があります。
痛みを我慢できず通院をやめてしまうケースも
まれに脱毛時に強い痛みを感じてしまい、我慢できずに通院を断念するケースもあります。
基本的にはキッズ脱毛は肌に負担がかかりにくい方法をおすすめされることが多いですが、痛みの感じやすさには個人差もありますので「全てのキッズ脱毛は痛くない」とは言い切れません。
特に大人であっても医療脱毛の場合は痛みを感じやすいこともありますので、子どもと入念に意思疎通を図る必要があります。
痛みを感じて我慢ができないようであれば施術中でも素直に申し出ることを親子間で約束し、テスト照射でもカウンセリングを丁寧にしてもらうなどして無理なく通えるよう工夫しましょう。
脱毛期間中は日焼けに注意しなければならない
脱毛は毛の持つ黒い色素(メラニン色素)をターゲットにライトやレーザーを照射し、そこから発生する熱で発毛組織や毛根にアプローチする仕組みをとっています。
このとき、毛以外の黒い色素があると過剰に発熱しヤケドを引き起こす恐れがあることから、ほとんどの脱毛サロン・クリニックでは日焼けした肌への施術はお断りされることが多いです。
日焼けした肌は既にそれだけで肌が軽い炎症状態にあり非常に乾燥しやすく敏感です。
多少の刺激でも重大な肌トラブルにつながる可能性があります。
子どもは部活動や室外での遊びなど、大人以上に屋外で過ごす機会が多く日焼けしやすい環境で暮らしています。
脱毛を始める以上は日焼けができないことを事前に子どもに十分に説明する必要があると同時に、もし日焼けしてしまった場合は肌が適正な状態に戻るまで施術のタイミングを遅らせるなどの対応が必要です。
キッズ脱毛の施術を受ける際の注意点
キッズ脱毛のデメリットでも一部紹介していますが、脱毛を受けるにあたってはいくつかの注意点があります。
施術前のセルフケアはもちろん、サロン脱毛・クリニック脱毛を利用するために理解しておくべき前提条件など詳しく解説します。
脱毛前は自己処理が必要
通常、サロン脱毛・医療脱毛とも脱毛を受ける1〜2日前に施術部位の自己処理が必要になります。
スムーズかつ安全に施術を受けられるようにするための前処理としてサロン・クリニックから「シェービング」をするよう指示を受けることが多いでしょう。
子どもの年齢や施術部位によっては子ども自身での自己処理も可能ですが、状況によっては保護者が前処理を手伝うか、十分な前処理ができているか保護者が確認するのが望ましいといえます。
剃り残しやシェービングが不十分な場合は追加料金がかかる脱毛サロン・脱毛クリニックもありますので注意してください。
色素沈着や埋没毛などの肌トラブルの可能性
大人でも脱毛には肌トラブルが生じるリスクはありますが、子どもは脱毛による肌トラブルの発生リスクがより高くなります。
子どもは大人に比べて皮膚の角質層が薄く、刺激に敏感です。
脱毛に伴う肌トラブルには以下のようなものがあります。
- 色素沈着 : 脱毛後に日焼けや乾燥、怪我などの刺激を受けることでメラノサイトが反応し、肌が黒ずんでしまう状態。
- 埋没毛 : 毛が皮膚の下に埋もれてしまい、表面に出て来られなってしまった状態。
- 毛嚢炎 : 脱毛によって毛穴が傷ついたり細菌が入ったりして炎症を起こすこと。痛み・かゆみ・赤みのある発疹が主な症状。
脱毛後の丁寧なスキンケアによって防げることも多いため、肌トラブルのリスクとあわせてアフターケアの方法も正しく理解しておくことが重要です。
日焼けによる火傷のリスクに注意
日焼けをしてしまうと脱毛を受けられなくなってしまう可能性が高く、万が一施術は受けられたとしても火傷のリスクが高くなることを理解しておく必要があります。
医療脱毛・サロン脱毛にかかわらず、ほとんどの脱毛では肌のメラニン色素に反応して熱を発生させる方法で発毛細胞にダメージを与えます。
日焼けは日光のエネルギーを肌が吸着し黒ずんだり赤みが出たりしますが、これは肌の表面が軽い炎症を起こしている状態といえます。
日焼けした肌はメラニン色素を多く含み、脱毛の光やレーザーは発毛細胞に到達する前の段階で肌表面に反応し熱を発生させてしまいます。
火傷のリスクを最小限に抑えるためにも、脱毛の前後2週間は日焼けを避けなくてはなりません。
具体的には「直射日光を浴びない」「日焼け止めを塗る」「日傘や帽子などの紫外線対策をする」ことが求められます。
保護者の同意が必要
キッズ脱毛は一般に未成年者である小・中学生を対象としていますが、子どもが脱毛を受けるには保護者の同意を得る必要があります。
脱毛サロン・クリニックが用意した所定の同意書の内容をよく確認し、保護者が署名をします。
カウンセリングや契約時の保護者同席は必須ではなく、保護者の署名済み同意書を持参すれば良いケースも多いです。
詳しくは契約を検討している脱毛サロン・クリニックに確認しましょう。
女性専用サロンは父親の入店ができない
女性向けの脱毛サロンの場合は男性の入店を禁止していることもあり、子どもが施術を受ける場合でも父親・祖父・兄弟など男性の家族が付き添って入店することができない可能性があります。
その際は入店・受付を子ども一人で済ませなくてはならず、施術前の注意事項や肌状態の確認などで意思疎通が問題なく図れる年齢かどうかも重要になってきます。
送迎は可能でも、ロビーだけでなく店の出入り口付近で待機することも難しい場合があります。
男性の家族が付き添い・送迎をおこなう可能性がある場合は事前にサロン側に確認が必要です。
キッズ脱毛の自己処理を行う際のポイント
大人でも脱毛を成功させるためには事前の自己処理が重要であると謳われているように、脱毛の前日までに自己処理(シェービング)を適切におこなえば脱毛効率を高めるだけでなく肌トラブルの発生リスクを抑えることができます。
そのため、大人以上に安全性を重視したいキッズ脱毛においても自己処理はポイントをおさえて入念に準備しておく必要があります。
ここでは肌への負担を最小限にしつつ適切な自己処理をするためのポイントを3つ紹介します。
1.肌を温めてダメージを抑える
最初に肌を温めておくと、肌と毛が柔らかくなってシェービングにかかる摩擦が小さくなり肌への負担を減らすことができます。
入浴後に処理をしたり、電子レンジで温めたホットタオルや蒸しタオルを肌にあてて温めてから処理をおこなうことをおすすめします。
2.電気シェーバーを使用する
脱毛の自己処理には電気シェーバーを使用します。
自宅でおこなう自己処理にはカミソリ・毛抜き・除毛クリームなどさまざまな手段がありますが、脱毛のための自己処理にはこれらは禁物です。
肌や毛穴へ負担をかけるムダ毛処理の方法なので、ダメージが残った状態で施術を受けると肌トラブルの元になります。
電気シェーバーは微弱な振動で刃を安全に動かしてムダ毛処理ができるので、負担を最小限におさえることができます。
顔用・VIO用など部位ごとにヘッドを付け替えて使用できるシェーバーもあるため、広い範囲の脱毛をする場合は用意しておくと便利です。
3.自己処理後は保湿ケアを忘れずに
電気シェーバーを使用したとしても、肌に負担がまったくかかっていないというわけではありません。
脱毛において乾燥は大敵です。自己処理のあとも入念に保湿ケアをしましょう。
刺激性の低い保湿クリームやローション、乳液などを使い、可能であれば複数回重ね塗りをして保湿するのが望ましいです。
自己処理のあとだけでなく脱毛の施術後も保湿ケアは重要なポイントですので、脱毛を完了するまでは保湿ケアを日々の習慣にすることをおすすめします。
キッズ脱毛は医療脱毛とサロン脱毛どっちがおすすめ?
キッズ脱毛を検討する時に選択肢として大きな分かれ道になるのが「医療脱毛かサロン脱毛か」という問題です。
結論からいえば、どちらかが絶対におすすめということはありません。
脱毛を受ける子ども本人の意思と、保護者の考えの両方で何を優先するかで決めることが重要です。
子どもの敏感で繊細な肌に施術を受けることについて、「できるだけ刺激や痛みは少なくしたい」と考える場合は出力の弱い可視光線を使うサロン脱毛がおすすめです。
一方で「万が一肌トラブルになってもすぐに診察が受けられて薬がもらえるほうが安心」と考えるならば、医師・看護師が常駐し処方箋をもらえるクリニックでの医療脱毛がおすすめです。
まとめ
キッズ脱毛には
- 授業や部活に集中できる
- ムダ毛を気にせずおしゃれを楽しめる
- 自己処理による怪我や肌トラブルを防止できる
といったメリットがあります。
思春期を迎えた子どものムダ毛に関する深刻な悩みを解消できることから、キッズモデルや子役タレントに限らず一般家庭でも脱毛サロン・クリニックに通うケースも増えています。
一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 十分な脱毛効果を得られない可能性がある
- 脱毛完了後に毛が生えてくる可能性がある
- 痛みを我慢できず通院を断念する可能性がある
- 脱毛期間中は日焼けに注意しなければならない
親子間でこうしたデメリットもふまえてよく話し合いをおこない、お互いが納得したうえでキッズ脱毛を活用しましょう。